記憶・覚え方

英単語の効率的な覚え方。研究でわかった「思い出す・間をあける・使う」

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A multi-volume Latin dictionary, the Totius Latinitatis Lexicon by Egidio Forcellini (first published in 1771, this is a revised 1858–87 edi
Photo: Dr. Marcus Gossler / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

英単語を何度も見たのに、翌週には忘れている。それは記憶力のせいではないかもしれません。研究で効果が確かめられているのは、答えを見る前に「思い出す」、日を「あけて」復習する、文の中で「使う」の3つです。

3行でわかる

  1. 単語は眺めるより、答えを隠して思い出す方が、2日後もよく覚えていた。
  2. 同じ回数でも、日をあけて復習する方が覚えられる。48の実験をまとめた分析でも確認された。
  3. 語呂合わせは覚える速さに効くが、忘れやすさに注意。例文づくりは時間をかけられるときに。

01単語帳を何周しても覚えられない理由

単語帳を眺める・音をまねるだけの練習は、その場では覚えた気になりやすい方法です。後日の記憶に効くのは、思い出す練習と、間をあけた復習です。

単語帳を目で追うと、見覚えがあるので「知っている」と感じます。でも、テストや会話で必要なのは、何もない状態から単語を取り出す力です。

思い出す練習が読み返しより効く理由はテスト効果の記事で、間をあける理由は分散学習の記事で詳しく紹介しています。この記事では、それを英単語に当てはめます。

02科学的にわかっていること

外国語の単語では、思い出す練習と間をあけた復習が、繰り返し効果を示しています。語呂合わせと例文づくりは、条件しだいで効き方が変わります。

Kang・Gollan・Pashler(2013)[1]

聞いた単語をくり返す練習より、先に自分で思い出そうとする練習の方が、意味の理解も言える力も高かった。2日後のテストでも同じで、発音の質は落ちなかった。

対象: 絵を見て外国語の名前を覚えた学習者(2つの実験) / 限界: 物の名前を覚える短期間の課題で、文法や長期の学習は調べていない。

Kim・Webb(2022)[2]

外国語学習の48の実験(参加者3,411人)をまとめた。間をあけた学習は、まとめて学ぶより中〜大きな効果があった。後日のテストでは、短い間隔より長い間隔の方が効いた。

対象: 第二言語の学習研究のメタ分析(複数の研究をまとめた分析) / 限界: 研究ごとの方法の違いで、効果の大きさにばらつきがある。

Nakata(2015)/ Nakata・Webb(2016)[3][4]

日本の大学生128人が英単語20語を学んだ実験では、間をあけること自体が大きな効果を持った。間隔を少しずつ広げる方法の上乗せは小さかった。別の実験では、単語を小さな束に分けても、間隔が同じなら効果はほとんど変わらなかった。

対象: 英語と日本語の単語の組を学ぶ日本の大学生 / 限界: 単語の組の暗記で、長文読解や会話の力は測っていない。

Webb(2005)[5]

同じ時間なら、単語を含む例文を読む方が、自分で文を書くより覚えた。書き終えるまで時間をかけてよい条件では、書く方が効果的だった。

対象: 英語を学ぶ日本の学生(2つの実験) / 限界: 学習時間によって結論が変わるため、「書けば必ず覚える」とは言えない。

Atkinson・Raugh(1975)/ Wangら(1992)[6][7]

音の似た言葉と映像で結ぶ「キーワード法」(語呂合わせの一種)は、ロシア語の単語で正答率72%と、対照群の46%を上回った。ただし後の4つの実験では、時間がたつと、くり返し覚えた人より忘れやすかった。

対象: 外国語の単語を覚えた学習者(Atkinson・Raugh はロシア語) / 限界: 効果は「覚える速さ」と「長く残るか」で分けて考える必要がある。

多くの研究は大学生が中心で、数日〜数週間の実験です。何か月も続く社会人の独学で、同じ大きさの効果が出るとは限りません。

03今日からできる小さな一歩

新しい教材は要りません。いまの単語帳で「隠して思い出す」「翌日以降にもう一度」「気になる単語だけ短文で使う」の3つを足すだけです。

1

日本語を見て、英語を言ってからめくる

英語の側を手や紙で隠し、答えを口に出すか書いてから確認します。暗記カードの使い方は暗記カードの記事も参考に。

所要 1語あたり数秒

2

同じ単語を、翌日・数日後・1週間後に

1日に何周もするより、日をあけて回します。前の範囲を少し混ぜると、間をあける練習にもなります。混ぜる効果は混ぜて練習する記事で紹介しています。

所要 1日10分

3

覚えにくい単語だけ、短い文で使う

時間に余裕のある日に、5語ほど選んで自分の生活の短い文を作ります。どうしても覚えられない単語は、語呂合わせをきっかけにしてもかまいません。

所要 5分

04続けるためのコツ

思い出す練習は、間違えるのが当たり前です。正解率が低くても、それは効いているサインと考えましょう。

  • 1回の量は10分ほどにして、毎日か1日おきに回す。
  • 一度で正解した単語も、別の日にもう一度正解するまで残す。
  • 語呂合わせで覚えた単語ほど、後日の復習を忘れない。

05よくある質問

英単語は1日に何個覚えればいいですか?

研究で決まった最適な数はありません。Nakata・Webb(2016)では、20語を1束で回しても、4語ずつに分けても、復習の間隔が同じなら覚えやすさはほぼ変わりませんでした。数より、日をあけて思い出す回数を確保する方が大切です。

単語帳は眺めるだけでも効果がありますか?

眺めるだけより、答えを隠して思い出す方が効果的です。Kangら(2013)では、聞いた単語をくり返すより、先に思い出そうとする練習の方が、2日後もよく覚えていました。

語呂合わせ(キーワード法)は使わない方がいいですか?

覚える速さには効果があります。ただし、時間がたつと忘れやすいという研究もあります。どうしても覚えられない単語のきっかけとして使い、その後は思い出す練習と復習で定着させるのが無難です。

例文を書くのは時間のムダではありませんか?

同じ時間なら、書くより例文を読む方が覚えた研究があります。一方、書き終えるまで時間をかけられる場合は、書く方が効果的でした。時間に余裕がある単語だけ、短い文を作るとよいでしょう。

勉強法の早見表で「英単語を隠して思い出し、日をあけて復習する」の判定を見る
ほかの勉強法も30種類、研究で「効く・条件しだい・当てにならない」に分けています。

出典

  1. Kang, S. H. K., Gollan, T. H., & Pashler, H. (2013). Don't just repeat after me: Retrieval practice is better than imitation for foreign vocabulary learning. Psychonomic Bulletin & Review, 20, 1259-1265. https://doi.org/10.3758/s13423-013-0450-z
  2. Kim, S. K., & Webb, S. (2022). The effects of spaced practice on second language learning: A meta-analysis. Language Learning, 72(1), 269-319. https://doi.org/10.1111/lang.12479
  3. Nakata, T. (2015). Effects of expanding and equal spacing on second language vocabulary learning. Studies in Second Language Acquisition, 37(4), 677-711. https://doi.org/10.1017/S0272263114000825
  4. Nakata, T., & Webb, S. (2016). Does studying vocabulary in smaller sets increase learning? Studies in Second Language Acquisition, 38(3), 523-552. https://doi.org/10.1017/S0272263115000236
  5. Webb, S. (2005). Receptive and productive vocabulary learning: The effects of reading and writing on word knowledge. Studies in Second Language Acquisition, 27(1), 33-52. https://doi.org/10.1017/S0272263105050023
  6. Atkinson, R. C., & Raugh, M. R. (1975). An application of the mnemonic keyword method to the acquisition of a Russian vocabulary. Journal of Experimental Psychology: Human Learning and Memory, 1(2), 126-133. https://doi.org/10.1037/0278-7393.1.2.126
  7. Wang, A. Y., Thomas, M. H., & Ouellette, J. A. (1992). Keyword mnemonic and retention of second-language vocabulary words. Journal of Educational Psychology, 84(4), 520-528. https://doi.org/10.1037/0022-0663.84.4.520