記憶・覚え方

暗記カードの効果的な使い方。研究でわかった「分けない・すぐ外さない」

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Package of 100 ruled 3 x 5 index cards (3 inch by 5 inch, 76.2 X 127 mm)
Photo: ArnoldReinhold / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

暗記カードを作ったのに、なかなか覚えられない。それは使い方の問題かもしれません。研究では、カードを小さな束に分けず大きな1束で回し、1回正解しただけでは外さない方が、長く覚えていられました。

3行でわかる

  1. カードは小さな束に分けるより、大きな1束で回す方が覚えられる。参加者の90%でそうだった。
  2. 1回正解しただけでカードを外すと、身につく前に練習をやめてしまいやすい。
  3. 答えを見る前に思い出し、日をあけて何度か正解してから外すのがよい。

01暗記カードで覚えられないのは、使い方のせい

暗記カード自体は、思い出す練習ができる良い道具です。ただ、多くの人がやりがちな「束を小分けにする」「覚えたらすぐ外す」は、研究では逆効果になりやすいとわかっています。

小さな束で回すと、同じカードがすぐにまた出てきます。答えを覚えている間に次が来るので、楽に正解できます。だから「覚えた」と感じやすいのです。

しかし、その場で楽に正解できることと、何日も後に思い出せることは別です。間をあけて復習する効果は分散学習の記事で、思い出す練習の効果はテスト効果の記事で詳しく紹介しています。

02科学的にわかっていること

暗記カードの研究では、大きな1束で回す方が小分けより覚えられ、カードを早く外すと成績が下がる傾向がありました。しかも学習者の多くは、その逆が効くと思い込んでいました。

Kornell(2009)[1]

大きな1束で回す学習は、4つの小さな束に分ける学習より効果が高かった。参加者の90%で、間をあける方がよく覚えていた。ところが最初の学習の後、72%の人は「まとめる方が効いた」と感じていた。

対象: ウェブ上の学習プログラムで、米国の大学院入試(GRE)レベルの英単語の組を覚えた参加者(3つの実験) / 限界: 単語の暗記課題で、資格試験のような複雑な内容とは違う。

Kornell・Bjork(2008)[2]

4つの実験で、覚えたと思うカードを自由に外せる条件は、外せない条件より、小さいながら一貫して成績が低かった。参加者は多くのカードを、1回正解しただけで外していた。

対象: 米国の大学生がスワヒリ語と英語の単語の組を学習 / 限界: 差は小さく、分析によっては統計的に確かな差にならなかった。

Wissmanら(2012)[3]

学生は、何度も正解するまで練習する価値は理解していた。一方で、間を長くあけて練習する価値は、ほとんど理解も実行もしていなかった。

対象: 米国の大学生374人へのアンケート / 限界: 自己申告の調査で、学習効果そのものは測っていない。

Karpicke・Roediger(2008)[4]

外国語の単語を一度正解できた後も、思い出す練習を続けると後日の成績が大きく伸びた。正解後に読み直すだけでは、効果がなかった。学生の自己予想は、実際の成績と関係がなかった。

対象: 外国語の単語を学んだ大学生 / 限界: 単語の暗記課題で、短期間の実験。

どの研究も大学生の単語暗記が中心です。何か月も続く社会人の独学で、同じ大きさの効果が出るとは限りません。

03今日からできる小さな一歩

新しい道具は要りません。手持ちの暗記カードの「束の作り方」と「外すタイミング」を変えるだけで、研究に沿った使い方になります。

1

小分けの束を、1つにまとめる

同じ範囲のカードは1束にして、上から順に最後まで回します。途中で同じカードに戻りません。

所要 1分

2

答えを見る前に、声に出すか書く

裏返す前に、自分の答えを決めます。「なんとなく分かった」でめくらないようにします。

所要 1枚あたり数秒

3

外すのは、別の日に正解してから

その日に1回正解しても外しません。翌日以降にもう一度正解したカードだけを、別の束に移します。

所要 1日5〜10分

04続けるためのコツ

大きな1束は、正解率が低く感じられて不安になりがちです。でも、それは効いているサインです。手応えより、数日後に思い出せるかで判断しましょう。

  • 「すぐ忘れる」と感じても、束を小分けに戻さない。
  • 1回の練習は5〜10分にして、毎日か1日おきに回す。
  • 外したカードも、1〜2週間後にまとめて見直す。

05よくある質問

暗記カードは小さな束に分けた方が覚えやすいですか?

研究では逆でした。Kornell(2009)の実験では、カードを4つの小さな束に分けて1束ずつ覚えるより、大きな1束でまとめて回した方がよく覚えていました。1束にすると、同じカードに戻るまでの間隔が自然に長くなるためです。

覚えたカードは束から外してもいいですか?

1回正解しただけで外すのは早すぎます。Kornell・Bjork(2008)では、自由に外せる条件の方が、少しですが一貫して成績が下がりました。外すなら、日をあけて2〜3回正解してからにしましょう。

カードはめくって答えを見るだけでもいいですか?

答えを見る前に、自分で思い出すのが大切です。Karpicke・Roediger(2008)では、正解できた後も思い出す練習を続けると後日の成績が大きく伸び、読み直すだけでは伸びませんでした。

勉強法の早見表で「暗記カードを1束で回し、すぐ外さない」の判定を見る
ほかの勉強法も22種類、研究で「効く・条件しだい・当てにならない」に分けています。

出典

  1. Kornell, N. (2009). Optimising learning using flashcards: Spacing is more effective than cramming. Applied Cognitive Psychology, 23(9), 1297–1317. https://doi.org/10.1002/acp.1537
  2. Kornell, N., & Bjork, R. A. (2008). Optimising self-regulated study: The benefits—and costs—of dropping flashcards. Memory, 16(2), 125–136. https://doi.org/10.1080/09658210701763899
  3. Wissman, K. T., Rawson, K. A., & Pyc, M. A. (2012). How and when do students use flashcards? Memory, 20(6), 568–579. https://doi.org/10.1080/09658211.2012.687052
  4. Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968. https://doi.org/10.1126/science.1152408