勉強法

決めた勉強法、実際にやった?「予定と実際」のチェック表。続けられた割合を見て、できなかった理由に手を打つ使い方(勉強法の実行の研究)

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机の上のノートとペン
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

「次からは問題を解いて覚えよう」と決めたのに、気づけばいつもの読み返しに戻っている。よくあることです。大学生の調査では、次に使うと決めた勉強法のうち、実際に続けられたのは平均34%でした。勉強法は、選ぶより続ける方でつまずきやすいのです。この記事は、予定と実際のずれを1週間で見つけ、できなかった理由に手を打つためのチェック表です。

3行でわかる

  1. 遺伝学の授業の大学生554人の調査で、次の小テストに向けて使うと決めた勉強法のうち、続けられたのは平均34%。続けた割合が高い学生ほど、点数が上がる傾向があった。
  2. 学生は効く勉強法をおおむね知っていても、試験直前にまとめて勉強し、効きにくい方法に頼りがちだった。本人の「やった」という記憶も、ずれることがある。
  3. この記事の表で、予定した勉強法・予想される障害・その対策を書き、1週間○×をつけ、続けられた割合で次の手を決める。

01 悩みの正体決めた勉強法を、なぜ続けられない?

効く勉強法を知らないからではなく、締め切り前にまとめて勉強すると、手間のかかる方法を使う時間が残らないからです。研究では、知識より実行の段階でつまずく様子が見られました。

大学生に、学期の初めに「どう勉強するつもりか」を、学期中に「実際どう勉強したか」を答えてもらった調査があります[3]。学生は、早めに始めて、効く方法も使うつもりでした。どの勉強法が効きやすいかの判断も、おおむね正しいものでした。

それでも実際には、試験の前日や前々日にまとめて勉強し、効きにくい方法に頼っていました。著者らは、前の晩にまとめて勉強すると、より効く勉強法を使う余地がなくなる、と考えています。

どの勉強法を選べばよいかは、目的別の勉強法の選び方と勉強法の早見表にまとめました。この記事は、選んだ後に「本当にやったか」を確かめる段階を扱います。

02 科学的にわかっていること決めた勉強法を続けると、成績は変わる?

続けた割合が高い学生ほど点数が上がる傾向がありました。ただし、どの研究も調査で関係を見たもので、続けたから上がったとまでは言えません。

Hazlettら(2025)[1]

小テストのたびに、使った勉強法と、次に使うつもりの勉強法を答えてもらった。決めた勉強法のうち次の回まで続けたのは平均34%で、すべて続けた学生は1人だけだった(81%は少なくとも1つは続けた)。続けた割合が高い学生ほど、小テストの点数が上がっていた(関係の強さは小〜中程度)。また、「練習問題を解いた」と答えた学生の12%は記録上1問も解いておらず、「解いていない」と答えた学生の37%は実際には解いていた。

対象: 米国コロラド大学の遺伝学の授業の学生554人(3学期分)。続けた割合と点数の分析は102人 / 限界: 1つの大学の調査で、くじで分けた実験ではない。著者らも、受け身の方法を使ったから点が低かったのかは判断できないとしている。

Walck-Shannonら(2024)[2]

試験に向けて、目標を決め、うまくいった姿と今の現実を比べ、障害を1つ挙げ、「もし〜なら〜する」という対策を立てるオンラインの課題を行った。「気が散るのを減らす」を目標にした学生は、気が散る時間が減っていなかった。一方、「気が散ること」を障害として挙げて対策を立てた学生は、減っていた。目標と合った障害を挙げられた学生は約半分(53.8%)だった。

対象: 米国の大学の生物学入門の学生(同意した248人) / 限界: 気が散った時間は本人の申告。この結果について、くじで分けた比較はしていない。

Walck-Shannonら(2021)[4]

勉強時間の合計を同じとして比べると、問題演習・自分でテスト・説明するなど頭を使う勉強法に時間を全部使った学生は、まったく使わなかった学生より、試験の点が5.5%(1回目)と10.0%(2回目)高かった。学生は勉強時間の約20%、気が散っていたと答え、気が散る割合が大きいほど点が低かった。

対象: 米国の大学の生物学入門の学生(分析は424人と471人) / 限界: 本人の申告にもとづく相関の研究。著者らも、勉強法ごとの時間の割合は答えにくかった可能性を挙げている。

反対の結果もあります。米国の小規模な大学の学生484人の調査では、自分でテストする・単語カードを使うことと成績(GPA)の間に関係は見られませんでした[5]。どの勉強法が効きやすいかは、多くの実験をまとめた2013年のレビューで、自分でテストする練習と間をあけた復習が「有用性が高い」とされています[6]。ただ、実際の授業での調査では結果がそろっていません。

ここで紹介した研究は、どれも大学生の調査です(場所が確認できたものは米国)。社会人が一人で資格や語学を学ぶ場合に、同じ結果になるとは限りません。下の表は、研究の手順を独学向けにこのサイトがまとめたもので、表の中の回数や割合は研究で決められた数字ではありません。

03 使える表予定と実際のずれは、どう記録すればいい?

週の初めに表1で予定と障害を書き、表2で毎日○×をつけ、週末に表3で続けられた割合を見て次の手を決めます。書くのは1日10秒です。

表1 今週の勉強法の予定表。勉強法は2つまでにします。障害の欄は、目標ではなく「やれなくなる場面」を書きます[2]。

使う勉強法いつ・何でやれなくなりそうな場面その場面での対策(もし〜なら〜する)
例 本を閉じて思い出す例 平日の夜、1節読んだ後に5分例 眠くて読むだけで終わる例 もし眠ければ、要点を3つだけ書いて寝る
例 問題集を解く例 土曜の午前に30分例 スマホを見てしまう例 もし机に座ったら、スマホを別の部屋に置く

表2 1週間の実行チェック。その日の勉強が終わったら、その場で○か×をつけます。記憶で後からつけると、やったかどうかがずれやすいからです[1]。予定のない日は「-」にします。

勉強法月火水木金土日○の数/予定の数
例 本を閉じて思い出す○×○××--2/5
例 問題集を解く-----○-1/1

×がついた日は、余白に理由を一言書きます(「残業」「眠い」「範囲が終わらず読むだけにした」など)。この一言が、翌週の表1の「やれなくなりそうな場面」になります。

表3 週末の見直し表。表2の割合を見て、当てはまる行の対策を1つだけ試します。

今週の結果来週やること
予定の半分以上できた同じ予定を続ける。2〜3週たったら、過去問や章末問題の点で効いているかを確かめる
半分未満。×の理由が同じ場面に集中しているその場面を表1の「やれなくなりそうな場面」に書き、対策を「もし〜なら〜する」で決め直す[2]
半分未満。試験前にまとめて読み返していた予定を週の前半に寄せ、1回の量を減らす。前日にまとめると、手間のかかる方法を使う時間が残らない[3]
ほとんど×。勉強そのものができなかった勉強法より先に、時間の確保を見直す。勉強時間のつくり方を参考に、予定を1つに減らす

決めた勉強法が手応えのないまま続くときは、すぐにやめず、手応えがないときの確かめ方で、数日後に思い出せた量を比べます。

04 続けるためのコツこのチェック表を三日坊主にしないには?

勉強法は2つまで、記録は○×だけにします。×が多くても失敗ではなく、つまずく場面が見つかったという収穫です。

  • 予定は少なくする。決めた勉強法をすべて続けた学生は、1人だけでした[1]。2つでも多いと感じたら1つにします。
  • 目標ではなく障害を書く。「集中する」と書くより、「スマホが鳴ったら」と場面を書く方が、行動が変わっていました[2]。「もし〜なら〜する」の決め方はif-thenプランの記事にあります。
  • ○×は、その日のうちにつける。本人の記憶と実際の記録は、意外にずれます[1]。
  • 試験に向けた作戦全体を立てたいときは、試験勉強の作戦を3つの問いで立てる記事と組み合わせます。

05よくある質問

良い勉強法を知っていれば、成績は上がる?

知っているだけでは足りない可能性があります。学期の初めに「早めに始めて、効く勉強法も使う」と考えていた大学生も、実際には試験直前にまとめて、効きにくい勉強法に頼りがちでした。しかも、どれが効くかの判断はおおむね正しかったと報告されています。知識より、実行のところでつまずきやすいのです。

決めた勉強法を続けられないのは、意志が弱いから?

そうとは限りません。遺伝学の授業の調査では、次の小テストに向けて使うと決めた勉強法のうち、実際に続けたのは平均34%で、すべて続けた学生は1人だけでした。多くの人に起きることなので、責めるより、できなかった理由を書き出して手を打つ方が役に立ちます。

「気が散らないようにする」と目標を立てても効果はない?

目標として立てただけでは、気が散る時間は減っていませんでした。一方、「気が散ること」を障害として書き出し、その対策を「もし〜なら〜する」の形で決めた学生は、気が散る時間が減っていました。ただし、くじで分けた比較ではない点に注意が必要です。

自分で「やった」と思っていても、実際はやっていないことがある?

あります。練習問題を解いたかどうかを、本人の答えと記録で比べた調査では、「解いた」と答えた学生の12%は1問も解いておらず、「解いていない」と答えた学生の37%は実際には解いていました。だからこの表では、終わった日にその場で○をつけます。

出典

  1. Hazlett, Z. S., Jimenez, P. C., & Knight, J. K. (2025). Self-testing and follow-through of learning strategies supports student success. CBE—Life Sciences Education, 24(1), ar16. https://doi.org/10.1187/cbe.24-04-0128
  2. Walck-Shannon, E. M., Rowell, S. F., Bednarski, A. E., Barber, A. M., Yuan, G. J., & Frey, R. F. (2024). A study planning exercise associated with decreased distraction levels among introductory biology students. CBE—Life Sciences Education, 23(1), ar3. https://doi.org/10.1187/cbe.23-05-0092
  3. Blasiman, R. N., Dunlosky, J., & Rawson, K. A. (2017). The what, how much, and when of study strategies: comparing intended versus actual study behaviour. Memory, 25(6), 784–792. https://doi.org/10.1080/09658211.2016.1221974
  4. Walck-Shannon, E. M., Rowell, S. F., & Frey, R. F. (2021). To what extent do study habits relate to performance? CBE—Life Sciences Education, 20(1), ar6. https://doi.org/10.1187/cbe.20-05-0091
  5. Rinella, H. L., & Putnam, A. L. (2022). The study strategies of small liberal arts college students before and after COVID-19. PLOS ONE, 17(12), e0278666. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0278666
  6. Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques: Promising directions from cognitive and educational psychology. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4–58. https://doi.org/10.1177/1529100612453266