ポモドーロ・テクニック(25分勉強+休憩)は効くのか。休憩と集中の研究

机に向かっても、30分もすると集中が切れてしまう。そこで「25分勉強して5分休む」ポモドーロ・テクニックを試す人は多いはずです。研究からは、時間を決めて休むと疲れや気の散りは減りやすい一方、成績が上がるとまでは言えず、「25分」という長さにも決まった根拠はないことがわかります。
3行でわかる
- 時間を決めて休むと、疲れや気の散りが減り、やる気が保たれやすい。
- ただし、テストの点や課題の出来が上がるという結果は出ていない。
- 「25分」が最適という証拠はない。休みのタイミングは自分に合わせて調整してよい。
01ポモドーロ・テクニックで確かめたいこと
問いは2つです。休憩を「時間で決める」のは効くのか。そして「25分」という長さに意味はあるのか。研究では、この2つを分けて考える必要があります。
ポモドーロ・テクニックは、作業と短い休憩をタイマーで区切る時間の使い方です。よく知られる形は「25分作業+5分休憩」です[2]。
比べる相手は「疲れたと感じたら休む」やり方です。研究では「自分で決める休憩」と呼ばれます。どちらが良いかは、気分・効率・成績のどれで比べるかによって答えが変わります。
02科学的にわかっていること
時間で区切る休憩は、気分の面で有利だった研究と、そうでなかった研究があります。成績の差は、どちらの研究でも確認されていません。
Biwerら(2023)[1]
オランダの大学生87人が、ふだんの自習を1日、3つのやり方で行いました。24分勉強+6分休憩(ポモドーロ型)、12分勉強+3分休憩、自分で決める休憩です。
自分で休憩を決めた人は勉強も休憩も長くなり、疲れや気の散りが強く、集中ややる気は低めでした。課題の達成度に差はなく、時間で区切った人はより短い時間で同じだけ終えたように見えました。
対象: オランダの大学の学部生・大学院生87人(自分で決める35人、24分+6分が25人、12分+3分が27人) / 限界: 1日だけの自習で、テストの成績は測っていない。
Göksuら(2026)[2]
オランダ・マーストリヒト大学の学生176人が、約4,600語の英文を読んで理解度テストを受けました。12分ごとに3分休む人と、自分で休憩を決める人を比べています。
理解度テストの点に有意な差はありませんでした。気分は逆に、自分で休憩を決めた人のほうがエネルギー・集中・やる気が高く、気の散りが少ない結果でした。3分の休憩は「短すぎて流れが途切れる」という声も多く出ています。
対象: 大学生176人(12分+3分が90人、自分で決める86人) / 限界: 1回の読解課題で、テストの信頼性が低めだったと著者自身が述べている。
Albulescuら(2022)[3]
10分以内の短い休憩の効果を、22の研究サンプル(2,335人)でまとめた分析です。短い休憩は元気さを高め(d=0.36)、疲れを減らしました(d=0.35)。どちらも小さめの効果です。
成績への効果ははっきりせず(d=0.16、統計的に有意でない)、効果が見られたのは頭をあまり使わない作業だけでした。休憩が長いほど成績の伸びは大きい傾向でした。
対象: 職場や実験室での研究(社会人と学生) / 限界: 勉強に限った分析ではない。頭を強く使う作業からの回復には、10分より長い休憩が必要かもしれないと著者は述べている。
ArigaとLleras(2011)[4][5]
84人が50分間、画面を見続ける単調な課題を行いました。多くのグループでは時間とともに成績が落ちましたが、途中で2回だけ別の課題に短く切り替えたグループは、最後まで成績が落ちませんでした。
対象: 米イリノイ大学で行われた実験 / 限界: 監視課題(見張り作業)の実験で、勉強の内容理解を測ったものではない。
どの研究も大学生や実験室での短い課題が中心です。仕事のあとに何か月も続ける社会人の独学で同じ結果になるかは、まだ確かめられていません。
03今日からできる小さな一歩
「25分」にこだわらず、時間で区切る仕組みだけを借ります。休憩の終わりも決めて、合う長さを自分で探します。
タイマーで勉強と休憩の両方を区切る
まずは25分勉強+5分休憩で始めます。休憩の終わりにもタイマーを鳴らし、休みが長引くのを防ぎます。
所要 30分
区切りでの手ごたえを一言メモする
1区切りごとに「まだ行けた」「途中で切れた」を1行書きます。3回分たまったら、勉強時間を5分ずつ長くするか短くするか決めます。
所要 1分
04続けるためのコツ
タイマーは「集中を強制する道具」ではなく「休みを忘れないための道具」と考えます。合わないと感じたら、長さを変えるのは失敗ではありません。
- 流れに乗っているときは区切りを少し延ばしてよい。短い休憩で流れが途切れると感じる人は実験でも多くいました。
- 疲れが強い日は、休憩を5分より長めにとる。休憩が長いほど成績の伸びが大きい傾向があります。
- 休憩中は勉強から離れる。単調な作業では、短く別のことに切り替えるだけでも集中が保たれました。
- 何日かに分けて同じ範囲を見直すなら、間をあけた復習と組み合わせる。
05よくある質問
ポモドーロ・テクニックは本当に効果がありますか?
決めた時間で休むと、疲れや気の散りが減り、やる気が保たれやすいという研究があります。ただし、テストの成績や理解度が上がるという結果は確認されていません。気分と効率の面で役立つ方法と考えるのが妥当です。
25分という時間には科学的な根拠があるの?
25分が最適だと示した研究は見当たりません。研究で使われたのは24分+6分や12分+3分で、25分を他の長さと比べた実験ではありません。自分に合う長さに変えてかまいません。
休憩中にスマホを見てもいい?
禁止とする研究結果はありません。ある実験では休憩中の行動で最も多かったのがSNSやメッセージでした。ただ、休憩が長引いて戻れなくなるなら、タイマーで休憩の終わりも決めておくと安心です。
勉強法の早見表で「25分勉強+休憩(ポモドーロ)」の判定を見る
ほかの勉強法も22種類、研究で「効く・条件しだい・当てにならない」に分けています。
出典
- Biwer, F., Wiradhany, W., Oude Egbrink, M. G. A., & de Bruin, A. B. H. (2023). Understanding effort regulation: Comparing 'Pomodoro' breaks and self-regulated breaks. British Journal of Educational Psychology, 93(Suppl 2), 353-367. https://doi.org/10.1111/bjep.12593
- Göksu, A., Wiradhany, W., & de Bruin, A. B. H. (2026). When to take a break: Comparing effects of systematic short (Pomodoro) and self-regulated breaks on subjective experience and actual learning. Behavioral Sciences, 16(7), 1158. https://doi.org/10.3390/bs16071158
- Albulescu, P., Macsinga, I., Rusu, A., Sulea, C., Bodnaru, A., & Tulbure, B. T. (2022). "Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLoS ONE, 17(8), e0272460. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0272460
- Ariga, A., & Lleras, A. (2011). Brief and rare mental "breaks" keep you focused: Deactivation and reactivation of task goals preempt vigilance decrements. Cognition, 118(3), 439-443. https://doi.org/10.1016/j.cognition.2010.12.007
- University of Illinois News Bureau (2011). Brief diversions vastly improve focus, researchers find(大学の広報記事。査読論文ではない). https://news.illinois.edu/brief-diversions-vastly-improve-focus-researchers-find/


