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朝の勉強(早起き)が続かなかった。どう立て直す?起床を少しずつ早める・寝起きの30分・週末の起床をそろえる研究

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目覚まし時計
Photo: Tbatb / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

「明日から5時に起きて勉強する」と決めたのに、3日目には目覚ましを止めて寝ていた。そんな経験は珍しくありません。研究から見ると、続かなかった原因の多くは意志ではなく、いきなり早起きしたことと寝起きのぼんやりです。起床を少しずつ早め、寝起きの30分は軽い作業にし、休日も起床をそろえれば立て直せます。合わなければ、時間帯を変えるのも正しい選択です。

3行でわかる

  1. 起きた直後は誰でも頭がぼんやりする(睡眠慣性)。多くの研究で30分ほどで大きく戻るが、完全に戻るには少なくとも1時間かかる。夜型の人ほど戻るのが遅い。
  2. 体内時計は、寝る・起きる時刻を少しずつ早め、朝に明るい光を浴びると早められる。実験では3日で1.7〜2.4時間早まったが、薬も併用した条件だった。
  3. 立て直しは、①つまずき方を見分ける ②寝る時刻から15〜30分ずつ早める ③朝の光 ④寝起きの30分は軽い作業 ⑤休日も起床をそろえる ⑥合わなければ時間帯を変える、の順で。

01 悩みの正体早起きの勉強が続かないのは、意志が弱いから?

意志の弱さではなく、体の仕組みの影響が大きいと考えられます。起きた直後の頭はしばらく働きにくく、夜型の人はその時間が長めです。体内時計より先に起床だけを早めると、睡眠も削られます。

起きてすぐ頭がぼんやりして、反応や判断が鈍る状態を睡眠慣性といいます。だれにでも起きる現象です。

さらに、眠くなる時刻や頭が冴える時刻は、体内時計で決まっています。朝に強い「朝型」、夜に強い「夜型」という個人差もあります。夜型の人が急に2時間早く起きると、体はまだ夜のつもりです。眠いまま机に向かい、頭に入らず、数日でやめてしまう。これは自然な流れです。

02 科学的にわかっていること朝型に体を寄せることは、できる?

ある程度はできます。寝る・起きる時刻を少しずつ早め、朝に明るい光を浴びると、体内時計は早まりました。一方で、寝起きのぼんやりは光では消えにくく、最初の30分〜1時間は軽い作業にあてる工夫が要ります。

HilditchとMcHill(2019)[1]

寝起きのぼんやり(睡眠慣性)の研究をまとめたレビュー。多くの研究で、頭の働きは起きてから30分以内、早いと15分で眠る前の水準に戻った。ただし完全に戻るには少なくとも1時間かかる。睡眠不足のあとはひどくなり、夜型の人は朝型の人より戻るのに時間がかかったという研究もある。

対象: 実験室や交代勤務、仮眠の研究が中心 / 限界: 系統的な文献のまとめではない。起きた直後に明るい光を浴びた2つの研究では、眠気の感じ方は改善したが、頭の働きの成績ははっきり良くならなかった。

CrowleyとEastman(2015)[2]

50人の成人(平均25.9歳)が、寝る・起きる時刻を1日1時間ずつ3日間早め、起きてすぐに約5000ルクスの明るい光を浴びた。体内時計(夜に眠りをうながすホルモンが出始める時刻)は、2時間の光で2.4時間、30分1回の光でも1.8時間早まった。30分の光で、2時間の光の75%の効果があった。

対象: 米国の健康な若い成人 / 限界: 照明器具の光で、太陽の光ではない。午後に眠りを助ける薬(メラトニン)も飲んでいたため、光と時刻の調整だけの効果はわからない。この記事では薬はすすめない。

Facer-Childsら(2019)[3]

英国で、夜型の人を2組にくじで分けた実験。起きる・寝る時刻を早め、朝の光を浴び、食事の時刻を固定するなど、薬を使わない方法を組み合わせた組は、睡眠と起床の時刻が約2時間早まった。睡眠時間は短くならず、朝の反応の速さや、気分の落ち込み・ストレスの自己評価も改善した。

対象: 英国の夜型の人 / 限界: 複数の方法を組み合わせており、どれが効いたかは分けられない。気分は本人の自己評価で、学習の成績は測っていない。

Phillipsら(2017)[4]

米国ハーバード大学の学生61人の睡眠を30日間記録した。睡眠が最も不規則な学生のグループは、最も規則的なグループより体内時計が遅れていた(著者らは、西へ2〜3時間ぶん移動した時差に相当すると表現)。睡眠の規則正しさは成績(GPA)と正の相関があった(r=0.37)。睡眠時間の長さは成績と相関しなかった。

対象: 18〜24歳の米国の大学生 / 限界: 相関の研究で、規則正しくすれば成績が上がるとは言えないと著者ら自身が書いている。

ほかに、夜型の人ほど平日と休日の睡眠時刻の差が大きく、平日に睡眠不足をため、休日に取り戻していることを示した501人の調査があります[5]。この差は「社会的時差ぼけ」と呼ばれます。また31研究(2万7,309人)をまとめた分析では、夜型ほど成績が低い傾向が小さな相関(0.145)で見られました。大学生では小中高校の児童・生徒より弱く、本人の申告ではなく実際の成績で測ると、さらに弱くなりました[6]。

どれも数日〜数週間の実験や、学生の調査です。仕事をしながら独学する大人が、何か月も朝の勉強を続けた結果を測った研究ではありません。

03 今日からできる小さな一歩早起き勉強に挫折したら、どう立て直す?

まず、どこでつまずいたかを見分けます。そのうえで寝る時刻から15〜30分ずつ早め、朝の光を浴び、寝起きの30分は軽い勉強にします。休日も起床をそろえ、2週間たっても眠いなら時間帯を変えます。

1

続かなかった理由を、表から1つ選ぶ

下の表の4つのつまずき方のうち、自分に一番近いものを選びます。原因によって、直す場所が違うからです。

所要 3分

つまずき方ごとの原因と立て直し方です。研究の結果そのものではなく、上の研究をこの記事で独学に当てはめた目安です。

つまずき方考えられる原因立て直し
目覚ましで起きても、二度寝してしまういきなり1〜2時間早めた。睡眠が足りていない寝る時刻から先に早める。起床は15〜30分ずつ(手順2)
起きられたが、眠くて何も頭に入らない寝起きの睡眠慣性。夜型ほど抜けにくい最初の30分は軽い作業。難しい問題は後に回す(手順4)
平日は続いたが、週明けにまた起きられない休日の寝坊で体内時計が遅れた休日も起床の差を1時間以内に(手順5)
早起きの分、夜ふかしして睡眠が短くなった起床だけ早め、就寝を変えていない就寝を同じだけ早める。無理なら朝の勉強をやめる(手順6)
2

寝る時刻から先に、15〜30分ずつ早める

起きる時刻だけを早めると、睡眠が短くなります。寝る時刻と起きる時刻をそろって早め、数日続けて慣れたら次の15〜30分へ進みます。実験では1日1時間ずつ早めていましたが、薬も併用した条件でした[2]。

所要 数日〜2週間

3

起きたら、明るい場所に出る

カーテンを開けて窓ぎわで過ごす、外に出るなどして、朝の光を浴びます。朝の光は体内時計を早める方向に働きます[2][3]。ただし光で寝起きのぼんやりが消えるわけではありません[1]。

所要 10〜30分

4

最初の30分は、軽い勉強にあてる

起きてすぐは、単語の見直しや前日の内容の読み返しなど、頭をあまり使わない作業にします。新しい単元や難しい問題は、起きて1時間ほどたってからにします。寝起きの頭の働きは、30分ほどで大きく戻り、完全に戻るには1時間以上かかります[1]。

所要 30分

5

休日も、起きる時刻の差を1時間以内にする

平日に早起きしても、休日に昼まで寝ると、週明けにまた起きられなくなります。夜型の人ほど平日と休日の睡眠時刻の差が大きくなりやすいとされています[5]。眠い日は、寝坊より昼の短い仮眠で補います。

所要 0分

6

2週間たっても眠いなら、時間帯を変える

睡眠を削ってまで朝にこだわる理由はありません。仕事の後や昼休みなど、頭が冴えている時間に移します。時間帯の選び方は朝と夜、勉強に向いている時間の記事にまとめています。

所要 5分

04 続けるためのコツ朝の勉強を、また崩さないためには?

起きる時刻を毎日そろえ、朝の勉強は「何をやるか」を前の晩に決めておきます。眠りを削ってまで朝にこだわらず、続いた日を数えて様子を見ます。

眠れない日が長く続く、日中の強い眠気で生活に困るといったときは、勉強の工夫ではなく、医療機関に相談してください。

05よくある質問

早起きして勉強しても眠くて頭が働かないのは、意志が弱いから?

意志の問題ではありません。起きた直後は誰でも頭がぼんやりする「睡眠慣性」があり、多くの研究で30分ほどで起きる前の水準に戻りますが、完全に戻るには少なくとも1時間かかるとまとめられています。夜型の人ほど戻るのに時間がかかるという報告もあります。

早起きするには、何分ずつ早めればいい?

実験では、寝る時刻と起きる時刻を1日1時間ずつ早め、起きてすぐ明るい光を浴びると、3日で体内時計が1.7〜2.4時間早まりました。ただし眠りを助ける薬(メラトニン)も併用した実験なので、独学では15〜30分ずつ、数日ごとに早めるくらいが無理のない目安です。

夜型の人は、朝の勉強をあきらめた方がいい?

あきらめる必要も、無理に続ける必要もありません。夜型の人ほど学業成績が低い傾向は31研究のまとめで小さな相関として出ていますが、朝に勉強すれば改善するとは確かめられていません。睡眠を削らずに頭が冴える時間を選べば十分です。

出典

  1. Hilditch, C. J., & McHill, A. W. (2019). Sleep inertia: current insights. Nature and Science of Sleep, 11, 155–165. https://doi.org/10.2147/NSS.S188911
  2. Crowley, S. J., & Eastman, C. I. (2015). Phase advancing human circadian rhythms with morning bright light, afternoon melatonin, and gradually shifted sleep: can we reduce morning bright-light duration? Sleep Medicine, 16(2), 288–297. https://doi.org/10.1016/j.sleep.2014.12.004
  3. Facer-Childs, E. R., Middleton, B., Skene, D. J., & Bagshaw, A. P. (2019). Resetting the late timing of 'night owls' has a positive impact on mental health and performance. Sleep Medicine, 60, 236–247. https://doi.org/10.1016/j.sleep.2019.05.001
  4. Phillips, A. J. K., Clerx, W. M., O'Brien, C. S., Sano, A., Barger, L. K., Picard, R. W., Lockley, S. W., Klerman, E. B., & Czeisler, C. A. (2017). Irregular sleep/wake patterns are associated with poorer academic performance and delayed circadian and sleep/wake timing. Scientific Reports, 7, 3216. https://doi.org/10.1038/s41598-017-03171-4
  5. Wittmann, M., Dinich, J., Merrow, M., & Roenneberg, T. (2006). Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiology International, 23(1–2), 497–509. https://doi.org/10.1080/07420520500545979
  6. Tonetti, L., Natale, V., & Randler, C. (2015). Association between circadian preference and academic achievement: A systematic review and meta-analysis. Chronobiology International, 32(6), 792–801. https://doi.org/10.3109/07420528.2015.1049271