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勉強する人の睡眠チェック表と2週間の記録表。睡眠と成績の研究から作った使い方

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ベッド脇のテーブルに置かれた懐中時計とコップ
Photo: Brad Coy / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

勉強時間を増やそうとして、まず削るのは睡眠かもしれません。けれど大学生の研究では、試験の前の晩だけでなく、ふだんの睡眠の長さ・質・規則正しさが成績と結びついていました。この記事では、研究をもとに作った「睡眠のチェック表」と「2週間の睡眠記録表」を載せます。自分の眠り方を2週間記録して、勉強のどこを変えるかを決めるための表です。

3行でわかる

  1. MITの大学生88人の研究では、学期中の睡眠の長さ・質・規則正しさで、成績のばらつきの約24%を説明できた。一方、試験前の1晩の睡眠は成績と関係がなかった。
  2. 寝不足の週に詰め込んだ単語は忘れやすかったが、日をあけて覚えた単語は寝不足でも差が出なかった(15〜19歳56人の実験)。
  3. この記事のチェック表で気になる習慣を1つ選び、2週間の記録表で「寝た時刻のばらつき」と「勉強の手ごたえ」を並べて見直す。

01 悩みの正体睡眠のどこが勉強の成果に関係する?

研究で成績と結びついていたのは、睡眠の「長さ」「質」「規則正しさ(毎日の長さのばらつきが小さいこと)」の3つです。どれか1つではなく、ふだんの積み重ねが関係していました。

「試験前日にしっかり寝れば大丈夫」と考えがちです。しかし大学生の研究では、試験前の1晩の睡眠と点数の間に、はっきりした関係は見られませんでした[1]。関係していたのは、試験前の1か月ほどの平均の睡眠でした。

つまり、睡眠は「当日の体調」の話というより、毎日の勉強を記憶に残す土台に近いものです。だから1晩ではなく、2週間ほどの記録で見る方が役に立ちます。寝不足の翌日の立て直し方は寝不足で勉強してしまった後の立て直し方に、眠りと記憶の仕組みは寝る前の勉強と記憶の研究にまとめています。

02 科学的にわかっていること睡眠と成績の関係は、どのくらい強い?

大学生1コースの研究では、睡眠の3つの指標で成績のばらつきの約24%を説明できました。一方、子ども・10代の研究をまとめると、関係は「はっきりあるが小さい」程度でした。

Okanoら(2019)[1]

MITの化学の入門講義を受ける大学生88人が、14週間リストバンド型の活動量計をつけて生活した。睡眠の長さ・質・ばらつきの3つで、成績のばらつきの24.44%を説明できた。寝る時刻が早いほど成績が高く、寝た時刻が全体の真ん中(午前1時47分)より早い学生は平均77.25%、遅い学生は70.68%だった。試験前夜の睡眠と点数には有意な相関がなかった。

対象: 米国の大学1年生が中心、平均18歳 / 限界: 相関の研究で、睡眠が成績を上げたとは言い切れない。睡眠の質は市販機器の独自の指標で、精度は確かめられていない。

Dewaldら(2010)[2]

子どもと10代を対象にした研究のメタ分析(多くの研究を統計でまとめる方法)。成績との関係は、日中の眠気がr=−0.133、睡眠の質がr=0.096、睡眠の長さがr=0.069で、どれも有意だが小さかった。年齢が低い研究ほど関係が大きかった。

対象: 睡眠の質16研究(13,631人)、長さ17研究(15,199人)、眠気17研究(19,530人) / 限界: 大人の独学者ではない。著者らは、因果を確かめる長期の研究や実験が必要だとしている。

Huangら(2016)[3]

15〜19歳の56人を、1週間「毎晩5時間」か「毎晩9時間」の寝床時間にくじで分け、40個の英単語を覚えてもらった。まとめて一度に覚えた単語は、5時間の群で大きく忘れられた。4日に分けて覚えた単語は、2つの群でほぼ同じだった。

対象: シンガポールの寄宿学校での実験 / 限界: 単語の暗記という1種類の課題で、社会人の長期の独学とは条件が違う。

Irishら(2015)[4]

「睡眠衛生(よく眠るための生活の決まりごと)」の研究を集めたレビュー。寝る前のカフェインは量に応じて睡眠を乱し、寝る前のお酒は寝つきを早めるが夜の後半の目覚めを増やしていた。夜遅い運動が睡眠を乱すという説は、今の研究では支持されなかった。決まりごとを守ること自体の効果を直接調べた研究は少なく、結論は出ていないとしている。

対象: 睡眠の病気がない大人 / 限界: 研究を選んでまとめた解説型のレビューで、メタ分析ではない。

必要な睡眠時間は人によって違います。米国睡眠財団の専門家18人による合意では、10代は8〜10時間、若い成人と成人は7〜9時間が適切な範囲とされました[5]。研究にもとづく合意で、新しい実験の結果ではありません。

実験室の結果(大学生・10代・短い期間)と、働きながら何か月も続ける独学とは条件が違います。以下の表は「必ず成績が上がる方法」ではなく、自分の睡眠のくせを見つけるための道具として使ってください。

03 使える表自分の睡眠は、どう記録して見直す?

表1のチェック表で当てはまる習慣を確かめ、表2に2週間記録します。15日目に表3で見直し、変えることを1つだけ選びます。

表1 勉強する人の睡眠チェック表。この1週間を振り返り、当てはまるものに印をつけます。右の列は、その項目のもとになった研究です。

チェック項目研究でわかっていること
□ 寝る時刻が日によって2時間以上ずれる睡眠の長さのばらつきが大きい学生ほど成績が低かった[1]
□ 平日の睡眠が7時間を切る日が多い成人の適切な範囲は7〜9時間とされる[5]。大学生の研究では長さも成績と結びついた[1]
□ 勉強のために、寝る時刻を遅らせることが多い寝る時刻が遅い学生ほど成績が低かった[1]
□ 試験や締め切り前は、睡眠を削って詰め込む寝不足の週にまとめて覚えた単語は忘れやすかった[3]
□ 昼間に強い眠気で勉強が進まない10代までの研究では、日中の眠気が3つの指標の中で成績と最も強く結びついた[2]
□ 夕方以降にコーヒーやエナジードリンクを飲む寝る前のカフェインは、量に応じて睡眠を乱す[4]
□ 寝る前にお酒を飲む寝つきは早くなるが、夜の後半に目が覚めやすくなる[4]

項目は、出典の研究をもとにこのサイトが独学向けにまとめたものです。研究で確かめられた質問票ではないので、点数の基準はありません。眠れない日が続く・日中の眠気が強すぎるなど、つらさが続くときは医療機関に相談してください。

表2 2週間の睡眠記録表。紙に書き写すか、メモアプリに同じ列を作ります。朝起きたときに1行、寝る前に「勉強の手ごたえ」を1つ書きます。

日寝た時刻起きた時刻寝起きの感じ(1〜5)勉強の手ごたえ(1〜5)
1日目例 0:30例 7:00例 2例 3
2日目
3日目
…
14日目

「勉強の手ごたえ」は、その日の最後に、本を閉じて覚えたことを3つ思い出せたかで決めると、気分に左右されにくくなります。

表3 15日目の見直し表。記録を見て、当てはまる行の「次の2週間にやること」を1つだけ選びます。

記録に見えたこと次の2週間にやること
寝た時刻の早い日と遅い日の差が2時間以上寝る時刻の「遅い方の上限」を決め、そこから30分前に勉強を終える[1]
睡眠が7時間未満の日が半分以上寝る前の勉強を1回だけ、朝や昼のスキマ時間に移す
寝起きの感じが低い日に、手ごたえも低いその日は新しい範囲を覚えず、思い出す練習に充てる
試験前に睡眠が減っている覚える範囲を数日に分けて早めに始める。詰め込みをやめる[3]
特に目立つ傾向がない今の眠り方を続け、勉強のやり方の見直しに時間を使う

3行目の「思い出す練習」は、思い出す練習(テスト効果)の研究で効果がくり返し確かめられているやり方です。

04 続けるためのコツ睡眠の記録を三日坊主にしないには?

記録は朝の1行だけにし、変える習慣は一度に1つにします。2週間で効果を判断しようとせず、まず自分のくせを知ることを目標にします。

  • 1行で終わる形にする。寝た時刻・起きた時刻・数字2つだけ。感想は書かない。
  • 変えるのは1つだけ。表3から1行を選ぶ。全部を一度に守ろうとしない。
  • 完璧な睡眠を目指さない。決まりごとを守ること自体の効果は、研究でまだはっきりしていません[4]。記録は自分を責めるためではなく、勉強の時間割を決める材料にします。
  • 昼寝で補う日を作ってもよい。午後の短い昼寝のとり方は勉強の合間の昼寝の研究を参考にしてください。

05よくある質問

試験前日に徹夜して勉強するのは逆効果?

大学生の研究では、試験前の1晩の睡眠と点数にははっきりした関係がなく、関係していたのは試験前1か月ほどの平均の睡眠でした[1]。一方、寝不足の週に詰め込んだ単語は忘れやすいという実験があります[3]。前日だけの問題ではなく、直前に詰め込む学び方そのものを見直す方が効果的です。

何時間寝れば勉強に十分なの?

必要な時間には個人差があります。専門家の合意では、若い成人と成人は7〜9時間、10代は8〜10時間が適切な範囲とされています[5]。表2の記録で、何時間寝た日に寝起きと手ごたえが良いかを見ると、自分に合う長さの目安になります。

夜に運動すると眠れなくなる?

睡眠衛生の研究をまとめたレビューでは、夜遅い運動が睡眠を乱すという説は、今の研究では支持されていませんでした[4]。運動には睡眠を少しよくする効果が報告されています。

出典

  1. Okano, K., Kaczmarzyk, J. R., Dave, N., Gabrieli, J. D. E., & Grossman, J. C. (2019). Sleep quality, duration, and consistency are associated with better academic performance in college students. npj Science of Learning, 4, 16. https://doi.org/10.1038/s41539-019-0055-z
  2. Dewald, J. F., Meijer, A. M., Oort, F. J., Kerkhof, G. A., & Bögels, S. M. (2010). The influence of sleep quality, sleep duration and sleepiness on school performance in children and adolescents: A meta-analytic review. Sleep Medicine Reviews, 14(3), 179–189. https://doi.org/10.1016/j.smrv.2009.10.004
  3. Huang, S., Deshpande, A., Yeo, S. C., Lo, J. C., Chee, M. W. L., & Gooley, J. J. (2016). Sleep restriction impairs vocabulary learning when adolescents cram for exams: The Need for Sleep Study. Sleep, 39(9), 1681–1690. https://doi.org/10.5665/sleep.6092
  4. Irish, L. A., Kline, C. E., Gunn, H. E., Buysse, D. J., & Hall, M. H. (2015). The role of sleep hygiene in promoting public health: A review of empirical evidence. Sleep Medicine Reviews, 22, 23–36. https://doi.org/10.1016/j.smrv.2014.10.001
  5. Hirshkowitz, M., et al. (2015). National Sleep Foundation's sleep time duration recommendations: Methodology and results summary. Sleep Health, 1(1), 40–43. https://doi.org/10.1016/j.sleh.2014.12.010