続け方・習慣

勉強を何日も休んでしまったら、どう再開する?三日坊主から立て直す研究

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机の上に開いたノート
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

毎日続けるつもりだった勉強が、気づけば3日、1週間と止まっている。「また三日坊主だ」と思うと、再開するのがかえって重くなります。研究の答えは「1日抜けても習慣づくりはほとんど崩れない。崩れるのは、抜けた後に自分を責めてやめてしまうとき」です。休んだ日数より、再開の仕方が大切です。

3行でわかる

  1. 毎日の行動を習慣にする研究では、1回やらなかった日があっても、習慣が身につく流れはほとんど崩れなかった。習慣になるまでの日数は18〜254日と人によって大きく違った。
  2. 先延ばしした自分を許した大学生ほど、次の試験の前は先延ばしが少なかった。途切れた連続記録は、自分を責めるほど「やめる理由」になりやすい。
  3. 再開は、①前と同じ場面で5分だけ ②休んだことを1行で認めて責めない ③記録を連続日数から合計日数に変える、の3つで始める。

01 悩みの正体三日坊主の後、再開がつらいのはなぜ?

つらさの多くは、休んだこと自体より「途切れた」という受け止め方から来ます。連続記録が切れたことや自分を責める気持ちが、再開をさらに遠ざけます。

毎日続けていたことが途切れると、「もう台なしだ」と感じやすくなります。けれど、習慣が身につく流れは、1日抜けたくらいでゼロには戻りません(02で紹介します)。

一方で、途切れた連続記録を見ると、続ける気持ちが下がることが実験で確かめられています。さらに、休んだ自分を強く責めるほど、嫌な気分が続き、次も先延ばししやすくなるという研究があります。

つまり、三日坊主から立て直すときに大事なのは、休んだ日数を取り戻すことではありません。「途切れた」という見え方と、自分を責める気持ちを外して、もう一度始めることです。なお、意志の強さと習慣の関係は独学が続かないのは意志が弱いからかの記事で扱っています。

02 科学的にわかっていること1日休むと、それまでの習慣は崩れる?

1日休んだくらいでは、習慣づくりはほとんど崩れません。ただし習慣になるまでには平均で2か月以上かかり、個人差も大きいため、途中で休む日があるのは普通のことです。

Lallyら(2010)[1]

96人の参加者が、食べる・飲む・体を動かす行動を1つ選び、毎日同じ場面(例: 朝食の後)で12週間続けた。自動的にできる感覚が頭打ちに近づくまでの日数は、18〜254日と大きくばらついた。1回やらなかった日があっても、習慣が身につく流れには実質的な影響がなかった。

対象: 英国の参加者96人 / 限界: 「自動的にできる感覚」は本人の自己評価。勉強の習慣ではなく、健康に関わる行動での研究。わかったのは1回の抜けの影響で、何週間も休んだ場合ではない。

Gardnerら(2012)[2]

Lallyら(2010)の著者も加わった解説論文。習慣の強さは平均66日ほどで頭打ちに近づくと紹介し、「ときどき行動を逃しても習慣づくりは大きく損なわれず、1回抜けた後も自動的にできる感覚はすぐに伸び直した」とまとめている。

対象: 研究の解説(総説) / 限界: 66日は平均で、人によって大きく違う。

Singhら(2024)[3]

健康に関わる習慣づくりの20本の研究(合計2,601人)をまとめたシステマティックレビュー。習慣になるまでの日数を報告した4本では、中央値が59〜66日、平均が106〜154日で、人によって4〜335日の幅があった。著者らは、健康の習慣は2〜5か月かかるのがふつうだと結論づけた。

対象: 健康行動(運動・食事など)の20本の研究 / 限界: 多くの研究で偏りのリスクが高いと評価された。勉強の習慣についての研究ではない。

Wohlら(2010)[4]

カナダの大学1年生(心理学入門の受講者)を、1回目と2回目の中間試験にわたって追った。1回目の試験前に先延ばしした自分を許せた学生ほど、試験の間に嫌な気分が少なく、2回目の試験前の先延ばしが少なかった。

対象: カナダの1つの大学の1年生 / 限界: 学生に質問紙で聞いた調査で、許すことが先延ばしを減らした原因だとは言い切れない。ここでの「許す」は、先延ばしを失敗と認めたうえで自分を責めるのをやめること。

SilvermanとBarasch(2023)[5]

3回以上続けた行動の記録(連続記録)を使った7つの研究。実際の行動の回数が同じでも、記録の上で連続が途切れて見えると、その後に続ける人が減った。自分のせいで途切れたと感じるときほど影響は強く、途切れた記録を埋め直せるときは弱かった。

対象: 運動などの記録を使った実験 / 限界: 勉強の記録で確かめた研究ではない。数週間以上の長い影響は調べていない。

Daiら(2014・2015・2017)[6][7][8]

新しい週・月・年の始まりなどの「区切りの日」の後は、ダイエットの検索やジムの利用が増えていた(2014年)。実験でも、区切りを意識させると目標を始める気持ちが高まった。過去の不完全な自分と距離を置けるためと考えられている(2015年)。一方、区切りの日に合わせて薬の飲み忘れを防ぐ手紙を送ったランダム化試験では、飲み続ける割合は上がらなかった(2017年)。

対象: 米国の検索データ・大学のジム・実験参加者・医療保険の加入者 / 限界: 区切りは「始める気持ち」を後押ししても、行動が続くかは別の問題。

休んだ後に浮かびやすい考えと、研究から言えることを並べました。

休んだ後に浮かぶ考え研究から言えること
1日休んだから、もう台なし1回の抜けは習慣づくりにほぼ影響しなかった[1][2]
3週間続けたのに習慣にならない習慣になるまで平均2か月以上、4〜335日の幅[3]
怠けた自分を反省しないと自分を許せた学生ほど、次の先延ばしが少なかった[4]
連続記録が切れたから、やる気が出ない途切れた記録は続ける人を減らす。埋め直せると影響は弱い[5]
来週の月曜からやり直そう区切りは始める気持ちを高めるが、続くかは別[6][8]

ここで紹介した研究の多くは、運動や食事など健康に関わる行動や、大学生を対象にしたものです。社会人の独学で同じ大きさの効果が出るかは、まだ確かめられていません。

03 今日からできる小さな一歩休んだ勉強を、今日どう再開すればいい?

月曜や月初めを待たず、今日、前と同じ場面で5分だけ再開します。休んだことは1行で認めて責めず、記録は連続日数ではなく合計日数で数えます。

1

前に勉強していたのと同じ場面で、5分だけやる

「朝のコーヒーの後」「帰りの電車」など、前に勉強していた場面に戻ります。習慣は同じ場面でくり返すことで身につくためです。量は少なくてかまいません。場面の決め方はif-thenプランの記事で扱っています。

所要 5分

2

休んだことを1行で書き、責める言葉は書かない

「10月1日〜7日は休んだ。残業が続いたため」のように、事実と理由だけを書きます。「自分はだめだ」とは書きません。失敗と認めたうえで責めるのをやめることが、研究でいう「自分を許す」に近い形です。

所要 1分

3

記録の数え方を「連続日数」から「今月の合計日数」に変える

連続日数は1日休むとゼロに戻り、途切れた見た目がやる気を下げます。合計日数なら、休んだ後も数字は減りません。勉強の記録シートや紙の記録表で、今月何日やったかを数えます。

所要 2分

4

再開後の1週間は、休む前の半分の量にする

いきなり休んだ分を取り戻そうとすると、また続かなくなりがちです。まずは同じ場面で毎回始めることを優先し、量は2週目から戻します。

所要 1週間

5

次に休みそうな日を、先に決めておく

繁忙期や旅行など、休みそうな日を書き出し、「その日は単語5問だけ」のような最小限のやり方を決めておきます。休む日があっても、記録の上で「途切れた」と感じにくくなります。

所要 5分

04 続けるためのコツまた三日坊主にならないためには?

休む日が出るのは前提にして、休んだ翌日に戻れる仕組みを作ります。習慣になるには2か月以上かかるのがふつうなので、最初の数週間で判断しないことも大切です。

  • 「1日休んだら、翌日は5分だけでも戻る」と決めておく。1回の抜けは習慣づくりにほとんど影響しない。
  • 記録は合計日数で数え、休んだ日は「休み」と書く。空白のままにしない方が、記録を埋め直した形になる。
  • 「何日で習慣になるか」は人によって大きく違う。3週間で自動的にならなくても、失敗ではない。
  • 記録をつけること自体が続ける助けになることは勉強の記録の研究で紹介しています。

05よくある質問

勉強を1週間休んでしまいました。最初からやり直すべきですか?

最初からやり直す必要はありません。習慣づくりの研究では、1回やらなかった日があっても習慣が身につく流れはほとんど崩れませんでした(Lallyら 2010)。1週間の休みの影響を直接調べた研究は見当たりませんが、前と同じ場面で、少ない量から再開するのが研究に沿ったやり方です。内容を忘れていたら、休む前の範囲を何も見ずに思い出してみるところから始めます。

習慣になるまで何日かかりますか?

人によって大きく違います。Lallyら(2010)では18〜254日、健康の習慣についての研究をまとめたSinghら(2024)では、中央値59〜66日、個人差は4〜335日でした。「21日で習慣になる」といった決まった日数は、これらの研究では支持されていません。

月曜日や月初めから再開した方がいいですか?

区切りの日は「始めよう」という気持ちを高めることがわかっています(Daiら 2014・2015)。ただ、区切りの日に合わせて働きかけても、行動が続く割合は上がらなかった試験もあります(Daiら 2017)。待っている間に再開が遠のくなら、今日5分だけ始める方が確実です。

連続記録が途切れると、やる気がなくなります。記録はやめた方がいいですか?

記録をやめるより、数え方を変えるのがおすすめです。途切れた連続記録は続ける人を減らしますが、途切れた記録を埋め直せる場合は影響が弱くなりました(SilvermanとBarasch 2023)。連続日数ではなく、今月の合計日数で数えると、休んだ後も数字が減りません。

出典

  1. Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009. https://doi.org/10.1002/ejsp.674
  2. Gardner, B., Lally, P., & Wardle, J. (2012). Making health habitual: The psychology of 'habit-formation' and general practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664–666. https://doi.org/10.3399/bjgp12X659466
  3. Singh, B., Murphy, A., Maher, C., & Smith, A. E. (2024). Time to form a habit: A systematic review and meta-analysis of health behaviour habit formation and its determinants. Healthcare, 12(23), 2488. https://doi.org/10.3390/healthcare12232488
  4. Wohl, M. J. A., Pychyl, T. A., & Bennett, S. H. (2010). I forgive myself, now I can study: How self-forgiveness for procrastinating can reduce future procrastination. Personality and Individual Differences, 48(7), 803–808. https://doi.org/10.1016/j.paid.2010.01.029
  5. Silverman, J., & Barasch, A. (2023). On or off track: How (broken) streaks affect consumer decisions. Journal of Consumer Research, 49(6), 1095–1117. https://doi.org/10.1093/jcr/ucac029
  6. Dai, H., Milkman, K. L., & Riis, J. (2014). The fresh start effect: Temporal landmarks motivate aspirational behavior. Management Science, 60(10), 2563–2582. https://doi.org/10.1287/mnsc.2014.1901
  7. Dai, H., Milkman, K. L., & Riis, J. (2015). Put your imperfections behind you: Temporal landmarks spur goal initiation when they signal new beginnings. Psychological Science, 26(12), 1927–1936. https://doi.org/10.1177/0956797615605818
  8. Dai, H., Mao, D., Riis, J., Volpp, K. G., Relish, M. J., Lawnicki, V. F., & Milkman, K. L. (2017). Effectiveness of medication adherence reminders tied to "fresh start" dates: A randomized clinical trial. JAMA Cardiology, 2(4), 453–455. https://doi.org/10.1001/jamacardio.2016.5794