勉強の休憩プラン表。何分ごとに何分休み、休憩に何をするか(休憩の研究から作った使い方)

休憩は何分ごとにとればいいのか。休憩中は何をすればいいのか。決めないまま勉強すると、気づけば2時間座りっぱなし、あるいは5分のつもりのスマホが30分、ということが起きがちです。研究では、10分以内の短い休憩は疲れを減らしますが、成績への効果は休憩の長さと中身で変わりました。この記事では、研究をもとに作った「勉強の休憩プラン表」を載せます。区切り方を選び、休憩の中身を決め、1週間記録して自分に合う形に直すための表です。
3行でわかる
- 22の研究サンプル(2,335人)のメタ分析で、10分以内の休憩は元気さを高め、疲れを減らした。ただし成績への効果ははっきりせず、休憩が長いほど伸びる傾向だった。
- 区切り方に1つの正解はない。24分+6分で区切ると疲れが少なかった研究と、12分+3分では流れが切れると感じた研究がある。
- 休憩の中身も大事。スマホで休憩した大学生は、紙やパソコンで同じ休憩をした人より後半に解けた問題が少なかった。表で中身まで決めておく。
01 悩みの正体勉強の休憩がうまくとれないのはなぜ?
休憩の長さも中身も、その場の気分で決めているからです。疲れていても区切りがないと休まず、休んだら休んだで戻るきっかけがありません。先に表で決めておくと迷いが減ります。
休憩の失敗には2つの型があります。1つは休まなすぎです。区切りがないまま続け、後半ほど頭に入らなくなります。もう1つは休みすぎ・休み方の失敗です。休憩のつもりで動画やSNSを開き、勉強に戻れなくなります。
どちらも、休憩を「その場で決める」と起きやすくなります。この記事の表は、勉強を始める前に「何分ごとに、何分、何をするか」を決めておくためのものです。ポモドーロ・テクニックが効くかどうかの判定はポモドーロ・テクニックは効くのかに、外を歩く休憩のやり方は緑の中を歩く休憩のやり方にまとめています。
02 科学的にわかっていること勉強の休憩は、何分ごとに何をすればいい?
短い休憩は疲れを減らしますが、頭を強く使う作業の成績を戻すには10分では足りないことがあります。時間で区切る方法は、疲れが減った研究と流れが切れた研究があります。休憩にスマホを使うと回復しにくいという実験があります。
Albulescuら(2022)[1]
10分以内の短い休憩の効果を、19本の論文・22の研究サンプル(合計2,335人)でまとめたメタ分析(多くの研究を統計でまとめる方法)。短い休憩は元気さを高め(d = 0.36)、疲れを減らした(d = 0.35)。どちらも小さめの効果だった。成績への効果は統計的にはっきりしなかった(d = 0.16)。効果が見られたのは事務的な作業や発想の作業で、頭を強く使う作業では見られなかった。休憩が長いほど、成績の伸びは大きい傾向だった。
対象: 学生と社会人(平均31.2歳)、多くは実験室の研究 / 限界: 勉強に限った分析ではない。著者は、頭を強く使う作業からの回復には10分より長い休憩が要るかもしれないと述べている。
Biwerら(2023)[2]
オランダの大学生87人が、ふだんの自習を1日、3つのやり方で行った。24分勉強+6分休憩、12分勉強+3分休憩、自分で休憩を決める、の3つ。自分で決めた人は勉強も休憩も長くなり、疲れや気の散りが強く、集中ややる気は低めだった。課題を終えた量には差がなかった。時間で区切った人は、より短い時間で同じだけ終えたように見えた。
対象: オランダの大学の学部生・大学院生87人(自分で決める35人、24分+6分が25人、12分+3分が27人) / 限界: 1日だけの自習で、テストの成績は測っていない。
Göksuら(2026)[3]
オランダの大学生176人が気候変動についての文章を読み、理解度テストを受けた。12分ごとに3分休む組(90人)と、自分で休憩を決める組(86人)を比べた。テストの点に有意な差はなかった。気分は逆に、自分で決めた組の方がエネルギー・集中・やる気が高く、気の散りが少なかった。12分+3分の組からは「理解し始めたところで時間が来て、流れが切れる」という声が多く出た。
対象: マーストリヒト大学の学生176人 / 限界: 1回の読解課題での結果。著者自身が、12分+3分という短い区切り方が結果に影響した可能性と、テストの感度の低さを限界に挙げている。
KangとKurtzberg(2019)[4]
米国の大学生414人が、難しい文字並べ替え問題を10問ずつ2回解いた。間に「予算内で買い物を3つ選ぶ」休憩をはさみ、その休憩をスマホ・パソコン・紙のどれで行うかをくじで分けた。休憩なしの組も作った。スマホで休憩した組は、他の休憩の組より後半に解けた数が少なかった(平均6.38問対8.13問)。後半にかかった時間は、休憩なしの組と統計的に差がなかった。
対象: 米国ラトガース大学の学部生414人(平均22歳) / 限界: 実験室での1回の結果。休憩の中身は買い物選びで、SNSや動画を見る休憩を調べたものではない。
Sievertsenら(2016)[5]
デンマークの公立学校で4年間に行われた約200万件の学力テスト(8〜15歳)を分析した。テストの時刻が1時間遅くなるごとに、点は標準偏差の0.9%下がった。一方、20〜30分の休憩の直後は、点が標準偏差の1.7%上がった。休憩の効果は、成績が下の方の子どもで大きかった。
対象: デンマークの児童・生徒(約57万人) / 限界: 子どもの学校のテストでの結果で、効果の大きさは小さい。大人の独学にそのまま当てはまるかはわからない。
ここで紹介した研究の多くは、大学生が1日や1回の課題で試したものです。働きながら何か月も続ける独学とは条件が違います。表の数字は「出発点」として使い、1週間の記録で自分に合う形に直してください。
03 使える表休憩プランは、どう決めて記録する?
表1で今日の勉強に合う区切り方を選び、表2で休憩にすることを決め、表3に1日の予定と実際を書きます。1週間後に表3を見て、区切りの長さを直します。
表1 区切り方の選び方。今日の勉強の種類に近い行を選びます。数字は研究で試された組み合わせをもとにした出発点で、決まった正解ではありません。
| 今日の勉強 | 区切り方の出発点 | もとにした研究 |
|---|---|---|
| 単語カード・計算練習など、短く区切れる作業 | 25分勉強+5分休憩(研究で試されたのは24分+6分) | 24分+6分の組は、自分で決めた組より疲れや気の散りが少なかった[2] |
| 長い文章を読む・難しい問題を考える | キリのよいところまで続け、10分休む(40〜50分は研究の数字ではなく目安) | 12分+3分では流れが切れると感じる人が多かった[3]。頭を強く使う作業には長めの休憩が要るかもしれない[1] |
| 気が散りやすく、休憩が長引きがちな日 | タイマーで決まった時間に区切る | 自分で決めた組は休憩が長くなり、疲れや気の散りが強かった[2] |
| 2時間以上続けて勉強する日 | 上の区切りに加え、2時間ごとに20〜30分の長い休憩 | 20〜30分の休憩の直後に、テストの点が上がった[5] |
表2 休憩にすること・避けること。休憩の前に、左の列から1つ選んでおきます。迷ったら一番上の行です。
| 休憩にすること | 理由 |
|---|---|
| □ 立って歩く・ストレッチする | 座りっぱなしを区切れる。やり方は休憩に体を動かすやり方へ |
| □ 窓の外や緑を眺める・外を少し歩く | 自然の中を歩く休憩の研究がある。詳しくはこちら |
| □ 水を飲む・お茶をいれる | 机から離れるきっかけになる(この行は研究ではなく実用上の工夫) |
| □ 目を閉じて座っている | 短い休憩は、何をしても疲れを減らす傾向があった[1] |
| 避けたいこと | 理由 |
|---|---|
| スマホでの調べもの・買い物・SNS | スマホで休憩した組は、他の休憩より後半に解けた問題が少なかった[4] |
| 終わりの時刻を決めない休憩 | 自分で決めると休憩が長くなりやすかった[2] |
表3 1日の休憩プラン記入表。勉強を始める前に左の3列を書き、終わったら右の2列を書きます。紙でもメモアプリでもかまいません。
| 区切り | 勉強(分) | 休憩(分)と中身 | 実際の休憩(分) | 戻った時の調子 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 例 25 | 例 5・立って歩く | 例 7 | 例 ○ |
| 2 | 例 25 | 例 5・お茶をいれる | 例 15(スマホを見た) | 例 △ |
| 3 | ||||
| 4 | ||||
| 長い休憩 | — | 例 20・外を歩く |
「戻った時の調子」は、○(すぐ戻れた)・△(少し時間がかかった)・×(戻れなかった)の3つで十分です。
表4 1週間後の見直し。表3を1週間分並べ、当てはまる行の対策を1つだけ試します。
| 記録に見えたこと | 次の1週間に試すこと |
|---|---|
| 勉強の途中で区切りが来て、流れが切れる | 勉強の時間を10分のばす(25分→35分など) |
| 後半の区切りほど調子が×になる | 休憩を5分→10分にのばすか、2時間ごとの長い休憩を入れる[1][5] |
| 実際の休憩が予定より長い日が多い | 休憩の前にタイマーをかけ、スマホを机から離す[2][4] |
| ○が多く、予定どおり進んでいる | 今の区切り方を続ける |
表の項目は、出典の研究をもとにこのサイトが独学向けにまとめたものです。表そのものを研究で試したわけではありません。
04 続けるためのコツ休憩プランを毎日続けるには?
表を毎日書き切ろうとせず、「区切り」と「休憩の中身」の2つだけ守れば十分です。1週間で1回だけ見直します。
- 勉強を始める前に、タイマーを区切りの時間にセットする。休憩の終わりにも鳴らす。
- 休憩中はスマホを机に置いたまま、立って離れる。
- 疲れた夜は、区切りを短くするより、勉強する量を減らす。夜の組み直しは仕事のあとの夜の勉強の立て直し方へ。
- 見直しは週1回、変えるのは1か所だけにする。
05よくある質問
勉強の休憩は、25分ごとに5分が正解?
決まった正解はありません。24分勉強+6分休憩で区切った大学生は、自分で休憩を決めた人より疲れや気の散りが少なかった研究があります[2]。一方、12分+3分で区切ると流れが切れると感じ、気分は自分で決めた人の方が良かった研究もあります[3]。表1から始め、1週間の記録で合う長さに直してください。
休憩中にスマホを見るのはだめ?
避ける価値はあります。難しい問題の途中でスマホで休憩した大学生は、紙やパソコンで同じ休憩をした人より、後半に解けた問題が少なくなりました[4]。ただし1回の実験の結果です。自分の表3の記録でも、戻った時の調子を確かめてください。
休憩をとると、勉強時間が減ってもったいなくない?
減るとは限りません。時間で区切って休んだ大学生は、自分で決めた人より短い時間で同じだけ課題を終えていました[2]。デンマークの約200万件の学力テストでは、20〜30分の休憩の直後に点が上がり、その上がり幅は1時間分の下がり幅より大きいものでした[5]。
出典
- Albulescu, P., Macsinga, I., Rusu, A., Sulea, C., Bodnaru, A., & Tulbure, B. T. (2022). "Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLOS ONE, 17(8), e0272460. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0272460
- Biwer, F., Wiradhany, W., oude Egbrink, M. G. A., & de Bruin, A. B. H. (2023). Understanding effort regulation: Comparing 'Pomodoro' breaks and self-regulated breaks. British Journal of Educational Psychology, 93(S2), 353–367. https://doi.org/10.1111/bjep.12593
- Göksu, A., Wiradhany, W., & de Bruin, A. B. H. (2026). When to Take a Break: Comparing Effects of Systematic Short (Pomodoro) and Self-Regulated Breaks on Subjective Experience and Actual Learning. Behavioral Sciences, 16(7), 1158. https://doi.org/10.3390/bs16071158
- Kang, S., & Kurtzberg, T. R. (2019). Reach for your cell phone at your own risk: The cognitive costs of media choice for breaks. Journal of Behavioral Addictions, 8(3), 395–403. https://doi.org/10.1556/2006.8.2019.21
- Sievertsen, H. H., Gino, F., & Piovesan, M. (2016). Cognitive fatigue influences students' performance on standardized tests. PNAS, 113(10), 2621–2624. https://doi.org/10.1073/pnas.1516947113


