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英語の発音を独学で練習するには?聞き分けから始めて、録音を「どっちに聞こえるか」で確かめる6つの手順(発音訓練の研究と、聞き流しで変わらなかった実験)

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机の上のヘッドホン
Photo: Alex Holyoake stairhopper / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

英語の発音を直したいけれど、何から練習すればいいかわからない。聞き流しやまねを続けても、通じているのか自信が持てない。研究では、発音の練習は全体として効果が大きく、特に「聞き分ける練習」から入ると、話す方まで良くなった実験があります。一方で、聞き流すだけでは変わりにくいこともわかってきました。

3行でわかる

  1. 発音訓練の65研究(学習者2,793人)をまとめた分析では、効果は「大きい」と判定された。聞き分ける練習の方が、話す練習より効果が大きかった。
  2. 日本の大学生が英語のLとRを聞き分ける練習だけをした実験では、11人中7人の発音までアメリカ人に聞き取られやすくなった。逆に、朗読を6週間聞き流しただけでは、はっきりした差が出なかった。
  3. 独学では、直す音を2〜3つに絞り、聞き分け練習から始め、自分の録音を日をあけて「どっちに聞こえるか」で確かめる。伸びには停滞も後戻りもある。

01 悩みの正体発音の練習が空回りしやすいのはなぜ?

発音の練習が空回りしやすいのは、聞き分けられない音は自分の声でも違いに気づけず、何が通じていないのかがわからないまま、まねをくり返しがちだからです。

日本語にない音(LとR、「ア」に近い3つの母音など)は、大人になってから聞き分けるのが難しい音です。理由はLとRが聞き分けられない理由の記事と、大人の発音になまりが残る理由の記事で説明しています。

この記事では仕組みは短くし、独学でできる練習の順番に絞ります。

02 科学的にわかっていること発音の練習は、どのやり方が効く?

発音訓練の効果は全体として大きく、特に聞き分ける練習が効きました。聞き分け練習だけで話す発音まで良くなった実験がある一方、朗読を聞き流すだけでは、はっきりした差が出ませんでした。

数字で見ると:65研究・2,793人のまとめで効果の大きさ d = 0.762(大きい)[1]。LとRの聞き分けの正答率は 65% → 81%(45回の練習)[2]。

Yaoら(2025)[1]

第二言語の発音訓練を調べた65の研究(学習者2,793人、223の比較)をまとめた分析。訓練の効果は d = 0.762 で「大きい」と判定された。聞き分ける練習は、話す練習や両方を組み合わせた練習より効果が大きかった。どちらの練習も、話す力より聞き分ける力の方を大きく伸ばした。

対象: 65研究の第二言語の学習者 / 限界: 論文の要旨で確認した。研究どうしのばらつきが大きいと著者ら自身が述べている。音を機械で測ったときの効果は最も小さかった。

Bradlowら(1997)[2]

同志社大学の学生11人(19〜22歳)が、3〜4週間で45回、英語のLとRの単語を聞いて2択で答え、正解を教えてもらう練習をした。5人の話者の声を使った。聞き分けの正答率は65%から81%に上がり、新しい単語や新しい話者でも80%前後を保った。話す練習はしていないのに、練習後の発音はアメリカ人の聞き手により良いと判定され、11人中7人はLとRを正しく聞き取られる率が上がった。

対象: 留学経験のない日本の大学生11人(比べる群は12人) / 限界: 少人数で、LとRだけの結果。もともと発音できていた2人と、聞き分けがほとんど伸びなかった1人では、発音の改善は見られなかった。

Munro・Derwing・Saito(2025)[3]

カナダに移住した大人24人(ロシア語などが母語、平均39歳)の英語の/p/の発音を10年追った研究。正しく聞き取られる率は最初の平均70%から7年後に88%へ上がったが、伸びは主に最初の約6か月で、その後は横ばいだった。音の長さはネイティブの平均に届かなかったのに、多くは正しく聞き取られていた。伸び方は人によって大きく違い、上がっては下がる人もいた。

対象: 発音の授業を特に受けていない大人 / 限界: 途中でやめた人が多く、7年後は18人、10年後は12人。日本語が母語の人の研究ではない。

AlmalkiとAlgethami(2022)[4]

サウジアラビアの英語学習者90人を、朗読音声を聞くだけ・文字を見ながら聞く・何もしない、の3群に分けた実験。6週間で12回、やさしい本の朗読を聞いた。ネイティブがなまりの強さを判定すると、聞いた2群は少し良くなったが、統計的にはっきりした差にはならなかった。

対象: 中級の英語学習者90人 / 限界: 期間が短く、話す練習を含めていない。著者らは、話す練習と組み合わせた検証が必要としている。

Suemitsuら(2026)[5]

日本人の男性7人が、舌の位置を画面で見ながら英語の母音/æ/(catの母音)を練習した。発音が良くなっただけでなく、/æ/を含む音の聞き分けも良くなった。話す練習が聞き分けにも役立つことを示す結果。

対象: 日本人の男性7人 / 限界: 舌の動きを測る特別な装置を使った実験で、人数も少ない。反応の個人差は大きかった。

ここで紹介した研究は、実験室や授業で数週間練習した結果が中心です。社会人が自分のペースで何か月も続ける独学で、同じ大きさの効果が出るとは限りません。

研究をもとに、練習の種類ごとにわかっていることを整理しました。

練習のしかた研究でわかったこと判定
2択で聞き分け、正解を確かめるまとめの分析で効果が最も大きい。話す発音まで良くなった実験も[1][2]効く
口や舌の動きを確かめて話す効果はあるが、まとめでは聞き分け練習より小さい。少人数の実験で聞き分けにも効いた[1][5]条件しだい
朗読や英語を聞き流すだけ6週間・12回では、なまりの強さにはっきりした差が出なかった[4]当てにならない(それだけでは)
特に練習せず、英語の中で暮らす最初の半年ほどは伸びたが、その後は横ばい。7年後も聞き取りにくい音が残る人がいた[3]条件しだい

03 今日からできる小さな一歩独学で発音を練習するには、何から始める?

直す音を2〜3つに絞り、まず2択の聞き分け練習を10分します。次に口の動きを確かめて単語のペアを録音し、日をあけて「どっちに聞こえるか」で確かめます。聞き流しだけで終わらせないことが大切です。

1

直す音を2〜3つに絞る

「light と right」「hat と hut」のように、取り違えると意味が変わる音から選びます。音の長さがネイティブと違っても、聞き取られることはありました[3]。目標は「ネイティブと同じ」ではなく「取り違えられない」にします。絞り方はこの記事からの提案です。

所要 10分

2

2択の聞き分け練習を、1日10分

単語のペアの音声を聞いて、どちらかを答え、すぐ正解を確かめます。男性・女性など何人かの声で練習すると、新しい声でも聞き分けやすくなりました[2]。記録にはLとRの聞き分け練習の記録表が使えます。

所要 1回10分

3

口と舌の動きを確かめて、ゆっくり言う

辞書や教材の発音の説明で、舌や唇の位置を確かめます。鏡で口の形を見ながら、単語のペアを交互にゆっくり言います。研究では特別な装置で舌の位置を見せましたが[5]、鏡や説明で代える方法は確かめられていません。

所要 5分

4

単語のペアを順番を変えて録音する

「light・right・right・light…」のように、どちらを言ったかをメモしながら10語ほど録音します。メモは見えない所に置きます。

所要 5分

5

日をあけて「どっちに聞こえるか」を当てる

翌日以降に録音を聞き、どちらの単語に聞こえるかを2択で書いてからメモと比べます。研究でも、発音は聞き手が2択で当てられるかで確かめていました[2][3]。人に聞いてもらえるなら、その方が確かです。

所要 5分

6

聞いたら、声に出す

英語を聞く時間は、聞き流しで終わらせず、聞いた単語や文を声に出す時間とセットにします。聞くだけの6週間では、はっきりした差が出ませんでした[4]。耳で学ぶ時間の使い方は通勤中に耳で学ぶ記事も参考に。

所要 毎回

04 続けるためのコツ発音の練習が伸び悩んだら、どうする?

発音の伸びは一直線ではなく、停滞や後戻りをくり返す人が多いことがわかっています。週に1回だけ「2択で当てられた数」を記録し、上がり下がりを長い目で見ます。

  • 毎日の出来ではなく、週1回の録音テスト(手順5)の正答数だけを記録する。10年追った研究でも、上がっては下がる人がいました[3]。
  • 聞き分けが伸びない音は、発音より先に聞き分け練習を増やす。聞き分けがほとんど伸びなかった人は、発音も変わりませんでした[2]。
  • 話すこと自体が不安なときは、英語を話すと頭が真っ白になる記事や、話す練習の記録表も組み合わせます。

05よくある質問

大人になってからでも、英語の発音はよくなりますか?

よくなる人は多いと考えられます。日本の大学生11人が3〜4週間で45回の聞き分け練習をした実験では、話す練習をしていないのに、7人の発音がアメリカ人に聞き取られやすくなりました。ただし伸び方には大きな個人差があり、カナダに住む大人を7年追った研究でも、上がり下がりをくり返す人がいました。

英語を聞き流していれば、発音も自然によくなりますか?

聞き流しだけでは変わりにくいと考えられます。英語学習者90人を分けた実験では、6週間で12回、朗読音声を聞いたグループの発音は、少し良くなったものの統計的にはっきりした差になりませんでした。著者らは、話す練習を含めていなかった点を限界に挙げています。

ネイティブのような発音を目指すべきですか?

まずは「通じる」発音を目標にするのが現実的です。カナダの大人の研究では、/p/の音の長さはネイティブの平均に届かなかったのに、7年後には88%の確率で正しく聞き取られていました。ネイティブと同じでなくても、聞き手に正しく伝わることはあります。

シャドーイング(音声のすぐ後を追って言う練習)は発音に効きますか?

この記事では、シャドーイングの効果を直接調べた査読論文を確認できていません。そのため効く・効かないは判定していません。手順のように、聞き分け練習と、録音して2択で確かめる練習を組み合わせる方が、研究で確かめられたやり方に近くなります。

出典

  1. Yao, Y., He, M., Chen, F., & Zhu, J. (2025). A meta-analysis of second language phonetic training: Exploring overall effect and moderating factors. Journal of Speech, Language, and Hearing Research, 68(4), 1784-1802. https://doi.org/10.1044/2024_JSLHR-24-00432
  2. Bradlow, A. R., Pisoni, D. B., Akahane-Yamada, R., & Tohkura, Y. (1997). Training Japanese listeners to identify English /r/ and /l/: IV. Some effects of perceptual learning on speech production. The Journal of the Acoustical Society of America, 101(4), 2299-2310. https://doi.org/10.1121/1.418276
  3. Munro, M. J., Derwing, T. M., & Saito, K. (2025). Aspiring to aspirate: L2 acquisition of English word-initial /p/ over 10 years. Language and Speech, 68(2), 247-261. https://doi.org/10.1177/00238309241264296
  4. Almalki, N., & Algethami, G. (2022). An exploration of the potential benefit of extensive listening along with orthography for improving EFL learners’ pronunciation. Asian-Pacific Journal of Second and Foreign Language Education, 7, 3. https://doi.org/10.1186/s40862-022-00132-x
  5. Suemitsu, A., Ito, T., Dang, J., Nota, Y., Maekawa, K., & Tiede, M. (2026). Improvement of speech perception following articulatory-target based production training for second language acquisition. Frontiers in Human Neuroscience, 20, 1743034. https://doi.org/10.3389/fnhum.2026.1743034