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ベッドで勉強してもいい?机とベッドの「使い分け表」と2週間の記録表。ワンルームでもできる場所の分け方(寝床と眠り・場所と習慣の研究から)

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枕が2つ並び、両わきに明かりのついたベッド
Photo: Ounfs Robmmy 238 / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

机がない部屋や、ワンルームで机とベッドが近い部屋では、ベッドの上で参考書を開くこともあると思います。ベッドで勉強すると成績が下がるかを直接調べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。ただ、不眠の治療で使われる「寝床は眠るために使う」という方法と、場所と習慣・記憶の研究から、使い分けの手がかりは得られます。この記事は、その手がかりを机とベッドの使い分け表と、2週間の記録表にまとめたものです。

3行でわかる

  1. ベッドで勉強すると成績が下がるかを、直接確かめた研究は見つからなかった。手がかりになるのは、不眠の治療の研究と、場所と習慣・記憶の研究。
  2. 米国睡眠医学会の診療指針(2021年)は、寝床を眠り以外に使わないなどの「刺激制御法」を、慢性の不眠がある大人に「条件つき」で勧めている。ただ、8件の試験をまとめた証拠の質は「低い」とされた。
  3. 表1で「机でやる勉強・ベッドでやらないこと」を決め、表2で机がない部屋の代わりの場所を選び、表3で2週間、勉強の進みと寝つきを記録する。

01 悩みの正体ベッドで勉強するのは、何が問題になりうる?

心配されるのは成績より、寝つきです。不眠の治療では、寝床を眠り以外に使わないことで「寝床=眠る場所」という結びつきを取り戻す方法が使われています。

不眠の治療で使われる刺激制御法(寝床と眠りの結びつきを作り直すための決まりごと)では、眠いときだけ寝床に入る、眠れないときは寝床を出る、寝床は眠り(と性生活)以外に使わない、毎朝同じ時刻に起きる、昼寝をしない、という指示を出します[1]。指針は、寝床で本を読むことやテレビを見ることも避ける例に挙げています。

勉強の側から見ると、もう1つの手がかりがあります。習慣は、それをいつも行う場面に呼び出されるという研究です[4]。「机に向かう」が勉強を始める合図になっているなら、その合図を守る方が始めやすいと考えられます。仕組みの話はここまでにして、03の表を中心に使ってください。

02 科学的にわかっていること寝床の使い方と眠り、場所と習慣の研究では?

刺激制御法は慢性不眠の大人に条件つきで勧められていますが、証拠の質は低めです。ベッドでのパソコン・スマホは不眠の症状と結びつき、習慣は同じ場面で続きやすいことがわかっています。

Edingerら(2021)米国睡眠医学会の診療指針[1]

慢性の不眠がある大人への行動療法・心理療法の指針。複数の方法を組み合わせた不眠の認知行動療法を「強く」勧めた。刺激制御法は、単独で使う方法として「条件つき」で勧めた。一方、睡眠衛生(生活習慣の注意)だけを単独で使うことは勧めない、とした。

対象: 慢性の不眠と診断された大人 / 限界: 眠りに困っていない人や、勉強の成績を調べた指針ではない。

Edingerら(2021)指針のもとになったシステマティックレビュー[2]

刺激制御法を調べたランダム化比較試験(くじで組を分ける試験)は8件あった。1件の試験では、不眠が治まった人の割合が19%高かった。一方、睡眠日誌で測った寝つくまでの時間は4件の統合で約10.5分短かったが、臨床的に意味のある差の基準には届かなかった。証拠の質は全体として「低い」と評価された。

対象: 慢性の不眠がある大人の試験 / 限界: 試験の数も人数も少なく、結果の幅が広い。著者らも、単独の方法の一部は試験の規模が小さいことを限界に挙げている。

Fossumら(2014)[3]

ノルウェー・ベルゲンの18〜39歳の学生532人に、寝る前にベッドで使う機器と、不眠の症状を尋ねた。ベッドでの機器の使用は1晩平均46.6分。パソコンでゲーム・ネット・読みものをする人、スマホでゲーム・ネット・メッセージをする人ほど、不眠の症状が多かった。テレビや音楽プレーヤーなど、ほかの機器は関係がなかった。昼間の眠気とは、どの機器も関係がなかった。

対象: ノルウェーの大学などの学生 / 限界: 一時点のアンケートで、機器のせいで眠れないのか、眠れないから機器を使うのかは区別できない。勉強そのものは尋ねていない。

Woodら(2005)[4]

別の大学へ移った学生の、運動・新聞を読む・テレビを見る習慣を、移る前と後で調べた。習慣が移った後も続いたのは、それを行う場面の一部が変わらなかったとき(たとえば前と同じように人と一緒に新聞を読む)だけだった。習慣が崩れた人の中には、その時点の「やりたい」に沿って行動するようになった人もいた。

対象: 大学を移った学生 / 限界: 勉強の習慣を直接調べた研究ではない。ここから言えるのは「同じ場面が習慣を呼び出す」という仕組みまで。

SmithとVela(2001)[5]

覚えた場所と思い出す場所の関係を調べた研究をまとめたメタ分析(多くの研究を統計でまとめる方法)。覚えた場所と同じ場所の方が思い出しやすい効果は確かにあった。ただし、思い出すときに覚えた場所を頭に思い浮かべるなどすると、その効果は小さくなった。

対象: 主に単語などを覚える実験室の研究 / 限界: 何か月もかける資格の勉強で同じ差が出るかは確かめられていない。

ここで紹介した研究は、どれも「ベッドで勉強すると成績や眠りがどうなるか」を直接調べたものではありません。下の表は、研究の考え方を独学向けにこのサイトがまとめた提案です。寝つきに困っていない人は、厳しく守る必要はありません。

03 使える表机とベッドを、どう使い分ける?

表1で、勉強の種類ごとに机でやるか、ベッドでやらないかを決めます。机がなければ表2で代わりの場所を選び、表3で2週間、進みと寝つきを記録します。

表1 机とベッドの使い分け表。○は「ここでやる」、×は「ここではやらない」です。

やること机・テーブルベッド・布団理由
過去問・時間を計る問題演習○×試験は机で受ける。覚えた場所と近い場所の方が思い出しやすい効果がある(差は小さめ)[5]
新しい単元を読む・ノートをとる○×「机に向かう」を勉強を始める合図にする。習慣は同じ場面で続きやすい[4]
パソコン・スマホで講義動画や調べもの○×(特に寝る前)ベッドでパソコンやスマホを使う学生ほど不眠の症状が多かった[3]
寝る前の単語カード・暗記の見直し○(済ませてから布団へ)×刺激制御法では寝床を眠り以外に使わない[1]
眠れないときの「ついでに暗記」―×(いったん布団を出る)刺激制御法では、眠れないときは寝床を出る[1]
勉強の合間に横になって休む―休むだけなら可。教材は持ち込まないこのサイトの提案。休憩に寝床を使うかは、寝つきの記録(表3)を見て決める

表2 机がない部屋の「勉強の場所」の選び方(このサイトの提案)。上から順に検討します。どれを選んでも、毎回同じ場所・同じ道具で始めるのがポイントです[4]。

候補向いている勉強始めるときの合図の例
食卓・台所のテーブル問題演習、ノートをとる食器を片付け、勉強道具を入れた箱を置いたら始める
床に置く折りたたみ机読む、問題演習机を広げたら始め、終わったらたたんで片付ける
図書館・自習室など外の場所時間を計る過去問、長い勉強家を出る時刻を決める。図書館がはかどる理由の記事も参考に
ベッドの端に座る(最後の手段)短い見直し布団には入らない。終わったら教材をベッドの外に片付ける

表3 2週間の記録表(1日1行・1分)。勉強した場所と、その夜の寝つきを書きます。

日付勉強した場所時間と内容進み(○・△・×)布団でスマホ・勉強をした?寝つき(すぐ・30分以上)
例 月例 食卓例 40分 過去問例 ○例 しなかった例 すぐ
例 火例 ベッドの上例 30分 単語例 △例 スマホで動画例 30分以上

2週間たったら、場所ごとに「進み」が○の日の数と、「寝つき30分以上」の日の数をくらべます。ベッドで勉強した日に寝つきが悪い日が多ければ、表1の×を守る日を増やします。差がなければ、無理に変えなくてかまいません。音や時間帯もくらべたいときは、勉強する場所と時間帯の記録表を使ってください。

04 続けるためのコツワンルームで、完全に分けられないときは?

全部を分けなくてかまいません。まず「布団に入ったら勉強もスマホもしない」の1つだけ守ります。部屋の分け方より、寝床の使い方を1つ決める方が始めやすいです。

  • まず1つだけ決める。「布団に入ったら教材とスマホを持ち込まない」から始めます。寝る前のスマホの置き場所は、寝る前のスマホを離す記事にまとめています。
  • 見た目で分ける。勉強道具は箱やトレーにまとめ、終わったらベッドから見えない所に置きます。机まわりの整え方は家の勉強場所の整え方を参考にしてください。
  • 本番の前は机で練習する。試験直前の過去問は、本番に近い机と時間帯で解きます。場所の効果は小さめなので、ほかの場所で勉強した日を気にしすぎる必要はありません[5]。
  • 眠れない日が続くときは相談する。試験の心配で眠れないときは眠れない夜の記事も読んでみてください。不眠が何週間も続くときは、医療機関に相談できます。気分の落ち込みもつらいときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)があります。

05よくある質問

ベッドで勉強すると成績が下がるの?

下がると確かめた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。わかっているのは、不眠の治療で寝床を眠り以外に使わない方法が勧められていることと、ベッドでパソコンやスマホを使う学生ほど不眠の症状が多いという調査結果です。成績より、寝つきへの影響に気をつける方が、研究に沿った考え方です。

寝る前の暗記は、布団の中でしてもいい?

寝る前に覚えること自体は悪くありません。ただ、布団の中ではなく、机やテーブルで済ませてから布団に入るのがおすすめです。不眠の治療で使われる刺激制御法では、寝床を眠り以外に使わないことが勧められています。寝つきに困っていない人に同じ効果があるかは、わかっていません。

机がない部屋では、どこで勉強すればいい?

食卓、床に置いた折りたたみ机、図書館などが候補です。どうしてもベッドの上しかないときは、布団に入らず、ベッドの端に座って勉強し、終わったら道具を片付けて「勉強の場所」と「眠る場所」を見た目で分けます。これは研究から考えたこのサイトの提案で、効果が確かめられた方法ではありません。

出典

  1. Edinger, J. D., Arnedt, J. T., Bertisch, S. M., Carney, C. E., Harrington, J. J., Lichstein, K. L., Sateia, M. J., Troxel, W. M., Zhou, E. S., Kazmi, U., Heald, J. L., & Martin, J. L. (2021). Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine, 17(2), 255–262. https://doi.org/10.5664/jcsm.8986
  2. Edinger, J. D., Arnedt, J. T., Bertisch, S. M., Carney, C. E., Harrington, J. J., Lichstein, K. L., Sateia, M. J., Troxel, W. M., Zhou, E. S., Kazmi, U., Heald, J. L., & Martin, J. L. (2021). Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine systematic review, meta-analysis, and GRADE assessment. Journal of Clinical Sleep Medicine, 17(2), 263–298. https://doi.org/10.5664/jcsm.8988
  3. Fossum, I. N., Nordnes, L. T., Storemark, S. S., Bjorvatn, B., & Pallesen, S. (2014). The association between use of electronic media in bed before going to sleep and insomnia symptoms, daytime sleepiness, morningness, and chronotype. Behavioral Sleep Medicine, 12(5), 343–357. https://doi.org/10.1080/15402002.2013.819468
  4. Wood, W., Tam, L., & Witt, M. G. (2005). Changing circumstances, disrupting habits. Journal of Personality and Social Psychology, 88(6), 918–933. https://doi.org/10.1037/0022-3514.88.6.918
  5. Smith, S. M., & Vela, E. (2001). Environmental context-dependent memory: A review and meta-analysis. Psychonomic Bulletin & Review, 8(2), 203–220. https://doi.org/10.3758/BF03196157