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試験や勉強のことが気になって、夜なかなか眠れない。どう立て直す?寝る前の書き出し・寝床の使い方・音楽の研究

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本棚に置かれた古い目覚まし時計
Photo: Nenad Stojkovic / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

布団に入ると、明日の範囲や試験の日までの残り日数が頭をめぐって眠れない。眠れないと焦り、焦るとますます目がさえる。試験が近づくと、こんな夜が続く人は少なくありません。結論から言うと、立て直しの中心は「考えごとを寝床の外で片づける」ことです。寝る前に明日やることを書き出す、眠れないときは寝床を離れる、起きる時刻をそろえる。どれも研究や睡眠の専門学会の指針に支えられています。この記事では、勉強の心配で眠れなくなったときの立て直し方を、手順にして紹介します。

3行でわかる

  1. ドイツの大学生88人の日誌研究では、ストレスの多い日ほど寝る前の考えごとが増え、睡眠が短く、寝つきが遅くなっていた。
  2. 寝る前に5分、明日やることを具体的に書いた人は、終わったことを書いた人より平均で約9分早く寝ついた(57人の実験)。
  3. 立て直しは、①勉強を寝る1時間前に切り上げる ②明日やることを5分で書く ③眠れないときは寝床を離れる ④起きる時刻をそろえる ⑤寝る前の音楽を控える ⑥1晩の寝不足で慌てない、の6つ。

01 悩みの正体試験前に勉強のことを考えると、なぜ眠れなくなる?

ストレスがかかると、寝る前に頭の中で考えごとが続きやすくなります。この「寝る前の頭の高ぶり」が、寝つきを遅らせ、睡眠を短くする一因と考えられています。

眠る前に、心配や計画が頭の中で回り続ける状態を、研究では「寝る前の認知的な高ぶり」と呼びます。体は疲れていても、頭が働き続けている状態です。

ドイツの大学生を14日間追った研究では、ストレスの多い日ほど、この高ぶりが強くなっていました。そして高ぶりが強い日ほど、睡眠が短く、眠りの質が下がっていました[1]。試験前に眠れなくなるのは、意志が弱いからではありません。ストレスへの、ごく自然な反応です。

ただし、1晩の高ぶりがその夜の睡眠を必ず悪くするとは限りません。スイスの若い成人の研究では、毎晩の変動よりも、「ふだんから寝る前に考えごとが多い人」かどうかの方が、睡眠の質と関係していました[2]。眠れない夜が1回あっただけなら、慌てなくて大丈夫です。気をつけたいのは、それが続いて習慣になることです。

02 科学的にわかっていること勉強の心配で眠れない夜は、何をすると寝つきやすい?

寝る前に「明日やること」を具体的に書くと、寝つきが早くなった実験があります。眠れないときに寝床を離れる方法は、睡眠の専門学会が不眠の治療として勧めています。寝る前の音楽は、かえって眠りを妨げることがあります。

Haussmannら(2026)[1]

大学生に活動量計をつけてもらい、14日間、毎日の睡眠とストレス、寝る前の考えごとを記録した。ストレスの多い日は、睡眠時間が短く、眠りの質が低く、寝つきまでの時間が長かった。その一部は、寝る前の考えごとの増加で説明された。完璧主義の強さは、睡眠と関係していなかった。

対象: ドイツの大学生88人(平均22.5歳) / 限界: 観察研究で、因果は確かめていない。著者らは、統計モデルの当てはまりが十分でなく、結果は慎重に解釈すべきとしている。

Ariuら(2026)[2]

若い成人に7日間、毎晩スマホで寝る前の考えごと・反すう(同じことをくり返し考えること)・明日へのストレスを、毎朝その夜の睡眠を答えてもらった。1週間を通して考えごとが多い人ほど、睡眠の質が低く、睡眠時間が短かった。一方、同じ人の中で「考えごとが多かった夜」と「その夜の睡眠」の間には関係が見られなかった。

対象: スイスの若い成人166人(平均20.4歳、8割が女性) / 限界: 自己申告の睡眠で、7日間の観察研究。上のドイツの研究とは、日ごとの結果が一致していない。

Scullinら(2018)[3]

睡眠検査室で、寝る前に5分間、「これから数日でやること」か「最近の数日でやり終えたこと」のどちらかを書いてもらった。脳波で測った寝つきまでの時間は、やることを書いた人が平均15.8分、やり終えたことを書いた人が平均25.1分だった。やることを具体的に書いた人ほど、早く寝ついた。

対象: 米国の18〜30歳の健康な若い成人57人 / 限界: 検査室での1晩の実験。不眠に悩む人を対象にした実験ではなく、不安の強さも測っていない。著者らも人数が少ないと述べている。

米国睡眠医学会(Edingerら、2021)[4]

大人の慢性的な不眠への心理・行動療法の診療指針。もっとも強く勧めるのは、複数の方法を組み合わせた不眠の認知行動療法。単独の方法としては、刺激制御法(眠いときだけ寝床に入る、眠れないときは寝床を離れる、寝床は睡眠以外に使わない、毎朝同じ時刻に起きる、昼寝をしない)などを条件つきで勧めている。一方、睡眠衛生の指導(カフェインや環境の注意など)だけを行うことは勧めていない。

対象: 慢性の不眠症と診断された大人の治療 / 限界: 試験前の一時的な寝つきの悪さを対象にした指針ではない。この記事では、その考え方を参考にしている。

Scullinら(2021)[5]

寝る前に人気曲を聴いてもらう実験で、歌詞なし版を聴いた人は、歌詞あり版を聴いた人より寝つきにくく、眠りの効率が悪かった。夜中に曲が頭の中で鳴り続ける「イヤーワーム」を経験した人は、歌詞なし版で52%、歌詞あり版で28%だった(この差は統計的にぎりぎりで、はっきりした差とは言えない)。別の199人の調査でも、音楽をよく聴く人ほど夜のイヤーワームが多く、睡眠の質が低い傾向があった。

対象: 実験は米国の若い成人48人(平均21.2歳)、調査は199人 / 限界: 実験は少人数で、使った曲は3曲だけ。事前登録はされていない。

Scullin(2019)[6]

睡眠の授業を受ける大学生に、期末試験の週に平均8時間以上眠れたら加点する「8時間睡眠チャレンジ」を行った。参加した24人の平均睡眠は8.5時間で、7時間未満の短い夜は11%だけだった(学期初めは51%)。8時間以上眠れた学生は、それ以前の成績を考慮しても、期末試験の点が高かった。

対象: 米国の大学の2つの授業の学生34人 / 限界: 参加は自分で選んでおり、くじ引きで分けた実験ではない。著者も、参加者の選ばれ方の偏りが結果に影響している可能性を認めている。

ここで紹介した研究の多くは、若い大学生を対象にした短期間の研究です。社会人が仕事と勉強を両立しながら眠れない場合に、同じ効果が出るかはわかっていません。

03 今日からできる小さな一歩勉強の心配で眠れなくなったら、どう立て直す?

勉強を寝る1時間前に切り上げ、明日やることを5分で書き出します。眠れないときは寝床を離れ、起きる時刻は毎朝そろえます。1晩眠れなくても、翌日の勉強は予定どおり始めます。

1

勉強は、寝る1時間前に切り上げる

寝る直前まで問題集を解いていると、頭が高ぶったまま布団に入ることになります。寝る1時間前に勉強を終え、残りは明日のメモに回します(1時間はこのサイトの目安です)。

所要 1分

2

明日やることを、5分で具体的に書く

「英語をやる」ではなく、「単語帳の120〜150番を思い出す」のように書きます。具体的に書いた人ほど早く寝ついた実験があります[3]。心配も、「〇日の朝に計画を見直す」のように、いつ考えるかを書いて紙に預けます。

所要 5分

3

寝る前の音楽は、いったんやめてみる

寝る前に聴いた曲が頭の中で鳴り続け、眠りを妨げることがあります[5]。歌詞のない曲の方がかえって寝つきが悪かった実験もあるので、眠れない夜が続くあいだは、寝る前の音楽を控えてみます。

所要 0分

4

眠れないまま長く横になっていたら、寝床を離れる

寝床で考えごとを続けると、寝床が「考える場所」になってしまいます。眠れないと感じたら、別の部屋で明かりを落とし、静かなことをして、眠くなってから戻ります[4]。このとき、問題集やスマホでの勉強はしません。

所要 必要なときだけ

5

翌朝は、いつもと同じ時刻に起きる

眠れなかった分を朝寝坊で取り返すと、次の夜にまた眠くなりにくくなります。不眠の指針でも、毎朝同じ時刻に起きることが勧められています[4]。

所要 0分

6

1晩眠れなくても、慌てずに予定どおり始める

1晩の考えごとと、その夜の睡眠に関係が見られなかった研究もあります[2]。試験前の1晩の睡眠と点数に関係が見られなかった研究は、試験前夜と当日の朝のチェック表で紹介しています。眠れなかった翌日の過ごし方は寝不足の後の立て直し方にまとめました。

所要 0分

04 続けるためのコツ試験期間も、睡眠時間を守るにはどうする?

寝る時刻と起きる時刻を先に決め、勉強の予定はその間に入れます。試験の週も8時間眠った学生の点は下がらず、むしろ高かったという報告があります。

  • 試験の週も睡眠を削らない。8時間睡眠チャレンジに成功した学生は、ほかの学生より期末試験の点が高かった[6](自分で参加を選んだ学生の結果である点に注意)。
  • コーヒーなどのカフェインを夕方以降にとっている人は、時間の区切り方をカフェインと睡眠の記事で確認する。
  • 寝る時刻・起きた時刻・寝つけたかを2週間記録すると、眠れない夜の前に何があったかが見えてくる。睡眠チェック表と記録表が使える。
  • 勉強中にも心配が浮かんで集中できない人は、「いつやるか」を書いて頭から下ろす方法も参考になる。

眠れない日が何週間も続く、日中の生活に支障が出ている、不安で気持ちがつらい、というときは、自分で工夫するより先に医療機関に相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)でも相談できます。

05よくある質問

試験前に眠れないと、勉強したことを忘れてしまう?

1晩眠れなかっただけで、覚えたことがすべて失われるわけではありません。試験前の1晩の睡眠と点数に関係が見られなかった研究もあります。大切なのは、眠れない夜が続かないように、起きる時刻をそろえて生活のリズムを戻すことです。

眠れないとき、布団の中で単語を覚えるのはいい?

おすすめしません。不眠の治療で使われる刺激制御法では、寝床を睡眠以外に使わないことが勧められています。寝床で勉強すると、寝床が考えごとの場所になりやすいためです。眠れないときは寝床を離れ、勉強以外の静かなことをします。

寝る前に心配ごとを書くと、かえって考えてしまわない?

心配を書き出すと、かえって気になる人もいます。寝る前5分の実験では、終わったことを書くより「明日やること」を具体的に書いた方が早く寝つきました。心配そのものより、「次に何をするか」を書く形にすると、紙に預けやすくなります。

出典

  1. Haussmann, A., Schilling, N., Alfter, M., Yahja, J., Mertens, A., & Schmidt, L. I. (2026). What role do perfectionism and cognitive pre-sleep arousal play in the link between stress and sleep? A daily diary study in university students. Stress and Health, 42(1), e70136. https://doi.org/10.1002/smi.70136
  2. Ariu, A., Meyer, A. H., Munsch, S., & Messerli-Bürgy, N. (2026). Understanding poor sleep in emerging adulthood: The role of pre-sleep cognitive processes in daily life. Sleep Advances, 7(3), zpag057. https://doi.org/10.1093/sleepadvances/zpag057
  3. Scullin, M. K., Krueger, M. L., Ballard, H. K., Pruett, N., & Bliwise, D. L. (2018). The effects of bedtime writing on difficulty falling asleep: A polysomnographic study comparing to-do lists and completed activity lists. Journal of Experimental Psychology: General, 147(1), 139-146. https://doi.org/10.1037/xge0000374
  4. Edinger, J. D., Arnedt, J. T., Bertisch, S. M., Carney, C. E., Harrington, J. J., Lichstein, K. L., Sateia, M. J., Troxel, W. M., Zhou, E. S., Kazmi, U., Heald, J. L., & Martin, J. L. (2021). Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: An American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine, 17(2), 255-262. https://doi.org/10.5664/jcsm.8986
  5. Scullin, M. K., Gao, C., & Fillmore, P. (2021). Bedtime music, involuntary musical imagery, and sleep. Psychological Science, 32(7), 985-997. https://doi.org/10.1177/0956797621989724
  6. Scullin, M. K. (2019). The eight hour sleep challenge during final exams week. Teaching of Psychology, 46(1), 55-63. https://doi.org/10.1177/0098628318816142