集中・環境

勉強中のスマホ通知の「仕分け表」と記録表。残す通知・休憩にまとめて見る通知・切る通知を決める(通知と中断の研究から)

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机の上のノートパソコンとマウスとスマートフォン
Photo: Enoch Leung / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

問題を解いている途中で、スマホが短く震える。見なかったとしても、頭のどこかが「何だろう」と気にしている。そんな経験はありませんか。通知を全部切るのは不安だけれど、全部オンのままでも集中できない。この記事では、通知を「残す」「休憩にまとめて見る」「切る」に分ける仕分け表と、効いたかどうかを確かめる記録表を、研究をもとに作りました。

3行でわかる

  1. 注意を使う課題の最中に通知が届くと、スマホに触れなくても成績がはっきり下がった実験がある。ただし、振動音だけの実験では反応が約3ミリ秒遅れる程度で、影響の大きさは研究で違う。
  2. 247人が1日だけ通知をできるだけ切った実験では、中断が減り、中断が少ないほど自己評価の仕事のはかどりがよかった。代わりに、自分からスマホを確かめる回数は増えた。
  3. 表1で通知を3つに仕分け、表2でふだんの日と仕分けた日を記録して比べる。表3で次に変えることを1つ選ぶ。

01 この表でできること勉強中の通知は、どれを切ればいい?

全部を同じに扱わず、通知の種類ごとに「残す」「休憩にまとめて見る」「切る」を決めます。どれを切ると自分の勉強が進むかは、記録して比べるとわかります。

通知には、急ぎの連絡もあれば、あとで見ても困らないものもあります。全部を切ると、大事な連絡を逃さないか不安になり、かえって自分から確かめに行くことがあります。

そこでこの記事では、先に通知を仕分けてから勉強を始め、ふだんの日と比べます。置き場所の工夫は勉強中のスマホはどこに置く?に、中断した後の戻り方はスマホを見て集中が切れた後の立て直し方にまとめています。

02 表の根拠になった研究通知は、どのくらい勉強の邪魔になる?

通知だけで注意課題の成績が下がった実験がある一方、影響がとても小さかった実験もあります。通知を減らすと中断が減ることは、職場と大学の実験で示されています。

Stothartら(2015) [1]

注意を使う課題の最中に、参加者のスマホへ電話やメッセージの通知を送った。スマホに触れなくても、通知だけで課題の成績ははっきり下がった。下がり方は、通話やメッセージで実際にスマホを使ったときと同じくらいだった。

対象: 実験室で注意課題を行った参加者 / 限界: 短い注意課題での結果で、教科書を読む・問題を解くといった勉強で同じ大きさになるかはわからない。

Upshawら(2022) [2]

文字を見分ける課題の直前に、スマホの振動音か、似た長さと大きさの電子音を聞かせた。振動音のときの反応は平均433ミリ秒で、電子音(430ミリ秒)より約3ミリ秒遅かった。差は統計的には意味があったが、効果量はd=0.04ととても小さかった。脳波では、振動音のときに注意をより強く働かせている様子も見られた。

対象: 米国の大学生(行動の分析は69人) / 限界: 自分のスマホではなく録音した音を使った実験。著者らも、効果が小さく解釈は慎重にすべきだと書いている。

OhlyとBastin(2023) [3]

ドイツの247人を2組にくじで分け、片方(124人)には1日だけ、パソコン・スマホのメールやメッセージ、SNSの通知をできるだけ切ってもらった。大事な通知は残してよいことにした。通知を切った組では中断の回数が減り、中断が少ないほど、その日の仕事や勉強のはかどりを高く評価し、いらだちも少なかった。一方で、自分からスマホやメールを確かめる回数は、通知を切った組の方が多くなった。

対象: 会社員と学生(会社員は44.5%、平均28歳) / 限界: 1日だけの実験で、はかどりや中断の回数はすべて本人の申告。

Stachら(2024) [4]

Androidスマホの利用者922人の、約989万件の通知の記録を調べた。通知の54%はメッセージとメールのアプリからで、通知が消されるまでの時間の中央値は0.33分(約20秒)と短かった。学習アプリの通知は8.98分だった。

対象: 研究用アプリを入れた利用者 / 限界: 通知が通知欄から消えるまでの時間を測ったもので、本人が中身を読んだかどうかはわからない。勉強中に限った記録でもない。

実験室の結果(大学生・数分〜1時間ほどの課題)や1日だけの実験と、何か月も続ける独学とでは条件が違います。下の表は「必ず集中できる設定」ではなく、自分に合う通知の扱いを見つけるための道具として使ってください。

03 使える表通知の仕分け表と記録表は、どう使う?

表1で通知を3つに分けて設定を変え、表2にふだんの日と仕分けた日を記録します。数日分たまったら、表3で次に変えることを1つ選びます。

1

通知が来るアプリを書き出す

スマホの通知の設定を開き、通知がオンになっているアプリを紙に書き出します。パソコンのメールやメッセージの通知も入れます。

所要 5分

2

表1で3つに仕分けて設定を変える

「残す」は、勉強中でもすぐ出たい相手からの電話など、1〜2件に絞ります。それ以外は「休憩にまとめて見る」か「切る」にします。

所要 10分

3

休憩の時間に、まとめて見る

勉強を始める前に「次に見るのは何分後の休憩か」を決めます。決めておくと、途中で確かめに行きたくなっても「休憩で見る」と戻りやすくなります。

所要 1分

4

ふだんの日と仕分けた日を、表2に記録する

中断したら「正」の字を1画つけます。通知で中断したのか、自分から見に行ったのかを分けて数えます。最後に、進んだ量(ページ数や問題数)を書きます。

所要 1回5秒

5

表3で見直し、変えることを1つだけ選ぶ

ふだんの日と仕分けた日を3日ずつ記録したら、表3で当てはまる行を探します。一度に1つだけ変えると、何が効いたかがわかります。

所要 5分

表1 通知の仕分け表(勉強を始める前に)。研究の結果をもとに、このサイトが独学向けにまとめた目安です。どこに入れるかは、自分の生活に合わせて変えてください。

通知の種類勉強中の扱い理由・もとになった研究
家族・職場など、急ぎの連絡が来る相手からの電話残す(1〜2件だけ)通知を減らした実験でも、大事な通知は残してよいことにしていた[3]。残すと決めれば、確かめに行く不安が減る
メッセージアプリ・メール休憩にまとめて見る通知の半分以上を占め、消されるまでの中央値は約20秒と、すぐ反応しやすい[4]
SNSの「いいね」・コメント・おすすめ切るあとで見ても困らない。通知だけで課題の成績が下がった実験がある[1]
ニュース・動画・ゲーム・買い物のお知らせ切る勉強と関係なく、届くたびに注意がそれる[1]
勉強の予定のリマインダー・カレンダー勉強を始める合図だけ残す勉強の途中ではなく、始める前に鳴るように時刻を合わせる
勉強仲間のグループ休憩にまとめて見る勉強の話でも、途中で届けば中断になる[3]

表2 通知の記録表(1日1行)。紙に書き写すか、メモに同じ列を作ります。記入例は架空の数字です。

日仕分けをしたか勉強した時間通知で中断した回数自分から見に行った回数進んだ量連絡が気になった度合い(1〜5)
例 1日目例 しない例 60分例 正(5回)例 3回例 問題12問例 2
例 2日目例 した例 60分例 1回例 4回例 問題16問例 3
3日目
…
6日目

表3 見直し表。研究の数字ではなく、記録の読み方の目安です。

記録に出ていること次に変えること
仕分けた日の方が、中断が少なく、進んだ量も多い仕分けを勉強の決まりにする
通知の中断は減ったが、自分から見に行く回数が増えた休憩の間隔を短くし、見る時間を先に決める。通知を減らした実験でも、自分から確かめる回数は増えていた[3]
連絡が気になる度合いが高く、落ち着かない「残す」に入れる相手を1人増やす
通知の中断は減ったのに、進んだ量が変わらない通知以外の原因を探す。集中を切らすものチェック表で、ほかの中断を数える
自分から見に行く回数が、そもそも多いスマホを別の部屋に置くなど、手の届かない場所に移す

04 続けるためのコツ通知の仕分けを、面倒にせず続けるには?

仕分けは一度設定すれば毎回やり直す必要はありません。記録は数日だけ続け、変えるのは一度に1つにします。

  • 勉強の時間だけ通知を止める設定(多くのスマホにある、決めた相手の通知だけを通す機能)を使うと、毎回の切り替えが要りません。
  • 記録は3日ずつで十分です。ずっと続ける必要はありません。
  • 自分から見に行ってしまっても、責めずに「正」の字をつけて戻ります。数えること自体が、自分のくせを知る材料になります。
  • 仕事や家族の事情で通知を切れない日は、「残す」を増やした日として記録し、無理に切らないでください。

05よくある質問

通知は全部切るのが一番いい?

全部切ることが一番とは言い切れません。通知を1日減らした実験でも、大事な通知は残してよいことにしていました。その実験では、通知を減らした組で、自分からスマホを確かめに行く回数が増えていました。見る時間を休憩に決めておく方が続けやすいと考えられます。

通知音や振動だけで、そんなに集中が乱れる?

研究で結果の大きさが違います。注意を使う課題では、通知だけで成績がはっきり下がった実験があります。一方、振動の音を聞かせた別の実験では、反応が約3ミリ秒遅れただけで、効果はとても小さいものでした。自分の場合を表2の記録で確かめるのが確実です。

勉強仲間とのグループの通知はどうする?

勉強の中身のやりとりでも、勉強中に届くと中断になります。表1では「休憩でまとめて見る」に入れています。急ぎの連絡が来る相手だけ「残す」に入れてください。

出典

  1. Stothart, C., Mitchum, A., & Yehnert, C. (2015). The attentional cost of receiving a cell phone notification. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 41(4), 893–897. https://doi.org/10.1037/xhp0000100
  2. Upshaw, J. D., Stevens, C. E., Jr., Ganis, G., & Zabelina, D. L. (2022). The hidden cost of a smartphone: The effects of smartphone notifications on cognitive control from a behavioral and electrophysiological perspective. PLOS ONE, 17(11), e0277220. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0277220
  3. Ohly, S., & Bastin, L. (2023). Effects of task interruptions caused by notifications from communication applications on strain and performance. Journal of Occupational Health, 65(1), e12408. https://doi.org/10.1002/1348-9585.12408
  4. Stach, M., Mulansky, L., Reichert, M., Pryss, R., & Beierle, F. (2024). Call to action: Investigating interaction delay in smartphone notifications. Sensors, 24(8), 2612. https://doi.org/10.3390/s24082612