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勉強部屋の明かりはどうする?昼は明るく、寝る前は暗くするやり方(光と眠気の研究と、効果がはっきりしない点)

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窓ぎわの机に置かれたスタンドと本
Photo: chuttersnap chuttersnap / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

夕方、薄暗い部屋で問題集を開くと、なんだか眠くなる。夜遅くまで明るい画面で勉強すると、寝つけない。勉強部屋の明かりは毎日のことなのに、どうすればいいかはあまり語られません。光は物を見るためだけでなく、眠気や体内時計(1日のリズムを決める体のしくみ)にも働きかけます。結論から言うと、昼は部屋全体を明るく、寝る3時間前からは暗くするのが、専門家の提言に沿ったやり方です。ただし、明るくすれば成績が上がるとまでは、研究では確かめられていません。この記事では、光の研究でわかっていることと、まだはっきりしないことを分けて、勉強部屋の明かりの整え方を紹介します。

3行でわかる

  1. 睡眠と体内時計の専門家による提言は、昼は目に届く光を多く、寝る3時間前からは暗く、寝室はできるだけ暗く、とまとめている。
  2. 明るい白い光で眠気が減ったという研究は多い。昼の研究19件のうち14件で眠気の自己評価が改善した。ただし注意力の課題では半分しか効果が出ず、成績の向上ははっきりしない。
  3. 整え方は、①昼は窓の近くで勉強する ②手元だけでなく部屋全体を明るく ③眠い時間帯こそ明るい所へ ④寝る3時間前から明かりを落とす ⑤夜の画面は暗く短く、の5つ。

01 悩みの正体暗い部屋で勉強すると、なぜ眠くなる?

目には、物を見るのとは別に、光の量を体内時計や眠気の調整に伝えるしくみがあります。昼に光が少ないと覚醒の合図が弱く、夜に光が多いと眠る準備が遅れます。

目の奥には、明るさを体内時計や眠気、ホルモンの調整に伝える特別な細胞があります。2022年に18人の専門家がまとめた提言は、光がこの細胞を通して、体内時計や睡眠、目の覚め方に影響すると説明しています[1]。

この細胞は、青っぽい光(波長480ナノメートル前後)に最も敏感です[1]。家庭や職場の照明は、見た目の明るさは十分でも、このしくみを動かす力は昼の太陽光より弱いことが多いと提言は指摘しています[1]。手元のスタンドだけが明るく、部屋全体が暗い状態では、目に届く光は意外と少ないのです。

逆に夜は、明るい光が眠る準備を遅らせます。勉強部屋の明かりは「昼」と「夜」で、目指す方向が反対になります。

02 科学的にわかっていること明るい部屋で勉強すると、集中できる?

明るい光で「眠気が減った」と感じる研究は多くあります。一方、注意力や頭の働きを測る課題では、効果が出た研究と出なかった研究が分かれます。夜の明るい画面は、寝つきを遅らせました。

Brownら(2022)[1]

睡眠と体内時計の専門家18人による、室内の光についての提言。昼は目の高さで一定以上の光を受ける(専門の単位で250ルクス以上)、寝る3時間前からは光を減らす(同10ルクス以下)、寝ている部屋はできるだけ暗く(同1ルクス以下)とした。ある検討では、各国の基準どおりの照明でこの昼の目安を満たすには、照明を5割ほど明るくする必要があったと紹介している。

対象: 光と体内時計・睡眠・覚醒の研究のまとめ(健康な大人) / 限界: 専門家の合意による目安で、勉強の成績を測った研究ではない。ここでの単位は体内時計への効き方で重みをつけた特別なもので、ふつうの照度計の数字とは違う。

Lokら(2018)[2]

昼に白い光の明るさを変えた19件の研究を整理した。眠気の自己評価を測った18件のうち14件で、明るい光の効果が出た。注意を保つ課題では10件中5件で効果が出て、5件では出なかった。判断や切り替えの課題は、良い3件、差なし4件、混在1件、悪い4件とばらばらだった。著者らは、昼の明るい光の効果は「はっきりしない」と結論した。

対象: 昼の光の実験19件の整理(文献のまとめ) / 限界: 研究ごとに光の強さや時間、測り方が違う。数値でまとめたメタ分析ではない。

Soumanら(2018)[3]

光が目の覚め方にすぐ与える効果を調べた68件の研究のシステマティック・レビュー(決まった手順で研究を集めて評価する方法)。白い光を明るくすると、眠気の自己評価が改善した研究が多かったが、効果が出なかった研究も少なくなかった。光の色(青白いか、黄色っぽいか)の効果ははっきりせず、反応の速さを測った研究では効果が出たものはごく少なかった。

対象: 昼と夜の光の実験68件 / 限界: 多くの研究の人数が少なく、著者らは「はっきりした結論は出しにくい」としている。論文の要旨で確認。

Lokら(2022)[4]

実験室で、薄暗い光(6ルクス)と明るい光(1300ルクス)の中で何日か過ごしてもらった。明るい光では、注意を保つ課題と、反応をこらえる課題で反応が速くなったが、本人が感じる眠気の改善は、起きている時間の長さによって変わった。著者らは、昼の明るい室内照明は、本人が気づかなくても頭の働きに役立つかもしれないと述べている。

対象: 20〜30歳の健康な男性8人 / 限界: 人数がとても少ない実験室の研究。勉強の成績は測っていない。

Changら(2015)[5]

寝る前の数時間に、光る画面の電子書籍で読んだときと、紙の本で読んだときを比べた。画面で読んだときは、寝つくまでの時間が長く、夜の眠気が弱く、眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌が減り、体内時計が遅れ、翌朝の目覚めも悪かった。

対象: 実験室での、画面と紙の本の比較 / 限界: 実験室の条件で、ふだんの勉強での画面の使い方とは違う。論文の要旨で確認。

まとめると、「明るい部屋にすれば成績が上がる」とまでは言えません。言えるのは、昼に光が少ないと眠気を感じやすく、夜に光が多いと眠りが遅れやすい、ということです。勉強する人を対象に明かりを変えた研究は、今回は見つかりませんでした。下の手順は、わかっていることを勉強部屋に当てはめた目安です。

03 今日からできる小さな一歩勉強部屋の明かりは、どう整えればいい?

昼は窓の近くで、部屋全体を明るくして勉強します。眠い時間帯は明るい場所へ移ります。夜は寝る3時間前から部屋の明かりを落とし、手元だけを照らします。

1

昼の勉強は、窓の近くでする

机を窓の近くに置くか、昼の勉強だけ窓ぎわでします。太陽の光は、家庭の照明よりも体内時計や覚醒に働く力が強いとされています[1]。まぶしいときは、窓を横に置いて直接目に入らないようにします。

所要 10分

2

手元のスタンドだけでなく、部屋の明かりもつける

昼の目安は「目に届く光」で決められていて、机の上の明るさではありません[1]。スタンドだけで勉強していると、顔に届く光は少なくなります。昼や夕方は、天井の照明もつけて部屋全体を明るくします。

所要 1分

3

眠くなる時間帯こそ、明るい所へ移る

明るい白い光で眠気が減ったという研究は多くあります[2][3]。昼食の後や夕方に眠くなったら、窓ぎわや明るい部屋に移ります。ただし、注意力や成績まで上がるかははっきりしないので[2]、眠気が強いときは短い休憩や仮眠も考えます。昼寝のとり方は昼寝の記事にまとめました。

所要 3分

4

寝る3時間前から、部屋の明かりを落とす

提言は、寝る3時間前から目に届く光をできるだけ減らすよう勧めています[1]。夜の勉強では、天井の照明を暗めにするか消し、手元だけをスタンドで照らします。文字が読みにくいほど暗くする必要はありません。

所要 1分

5

夜の画面の勉強は、明るさを下げて短くする

寝る前に光る画面で読むと、紙の本より寝つきが遅れ、翌朝の目覚めも悪くなりました[5]。寝る前1時間の勉強は、紙の教材で思い出す練習をするなど、画面を使わない内容にします。画面を使うときは明るさを下げます[1]。

所要 1分

04 続けるためのコツ明かりを変えたら、効いたかどうかはどう確かめる?

「昼の勉強の場所」と「夜の明かりを落とす時刻」を決め、眠気と寝つきを1週間記録します。光の効き方には個人差があるので、自分の記録で判断します。

  • 勉強の記録に、場所(窓ぎわ・部屋)と、勉強中の眠気(なし・少し・強い)を1語書く。場所と時間帯の記録は勉強する場所と時間帯の記録表が使える。
  • 夜の明かりを落とす時刻をスマホのアラームにする。「寝る3時間前」を毎日思い出さなくてすむ。
  • 夜に勉強すると疲れて頭に入らない人は、時間帯の組み直しもあわせて考える。夜の疲れの記事で紹介しています。
  • 部屋が暑い・空気がこもっているなど、明かり以外の原因もある。室温・換気のチェック表もあわせてどうぞ。

まぶしさで目が痛む、光に敏感で頭痛が出る、昼間の眠気が強く日常生活に支障がある、といったときは、明かりで工夫するより先に、医療機関で相談してください。

05よくある質問

勉強部屋は、明るければ明るいほど集中できますか?

そうとは言い切れません。明るい白い光で眠気が減ったという研究は多いものの、注意力の課題で効果が出たのは昼の研究10件中5件で、判断や切り替えの課題では悪くなった研究もありました。まぶしくない範囲で部屋全体を明るくし、眠気の変化を自分で確かめるのが現実的です。

青白い光(昼光色)の方が勉強に向いていますか?

はっきりしません。68件の研究をまとめたレビューでは、白い光の色の違いが眠気に与える効果は、研究によって結果が分かれていました。夜に強い光を浴びると眠りが遅れやすいので、夜は色よりも、明かり全体を落とすことを優先します。

夜に勉強するとき、部屋を真っ暗にして手元だけ照らすのはよくないですか?

専門家の提言は、寝る3時間前から目に届く光を減らすよう勧めています。手元のスタンドで文字を読める明るさを保ち、天井の照明を落とすやり方は、この目安に沿っています。目が疲れるほど暗くする必要はありません。

出典

  1. Brown, T. M., Brainard, G. C., Cajochen, C., Czeisler, C. A., Hanifin, J. P., Lockley, S. W., Lucas, R. J., Münch, M., O'Hagan, J. B., Peirson, S. N., Price, L. L. A., Roenneberg, T., Schlangen, L. J. M., Skene, D. J., Spitschan, M., Vetter, C., Zee, P. C., & Wright, K. P., Jr. (2022). Recommendations for daytime, evening, and nighttime indoor light exposure to best support physiology, sleep, and wakefulness in healthy adults. PLOS Biology, 20(3), e3001571. https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3001571
  2. Lok, R., Smolders, K. C. H. J., Beersma, D. G. M., & de Kort, Y. A. W. (2018). Light, alertness, and alerting effects of white light: A literature overview. Journal of Biological Rhythms, 33(6), 589-601. https://doi.org/10.1177/0748730418796443
  3. Souman, J. L., Tinga, A. M., te Pas, S. F., van Ee, R., & Vlaskamp, B. N. S. (2018). Acute alerting effects of light: A systematic literature review. Behavioural Brain Research, 337, 228-239. https://doi.org/10.1016/j.bbr.2017.09.016
  4. Lok, R., Woelders, T., van Koningsveld, M. J., Oberman, K., Fuhler, S. G., Beersma, D. G. M., & Hut, R. A. (2022). Bright light increases alertness and not cortisol in healthy men: A forced desynchrony study under dim and bright light (I). Journal of Biological Rhythms, 37(4), 403-416. https://doi.org/10.1177/07487304221096945
  5. Chang, A.-M., Aeschbach, D., Duffy, J. F., & Czeisler, C. A. (2015). Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(4), 1232-1237. https://doi.org/10.1073/pnas.1418490112