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昼過ぎの勉強で眠くなるのはなぜ?昼食のせいだけではない、午後の眠気と体内時計の研究

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窓のそばに机といすが置かれた部屋
Photo: cogdogblog / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

昼ごはんの後、テキストを開くとまぶたが重くなる。「食べすぎたせい」「気がゆるんでいるせい」と思いがちです。研究では、午後の早い時間の眠気は、昼食を食べなくても起きることがわかっています。原因の中心は体内時計のリズムで、食事はそれを強めることがある、という位置づけです。

3行でわかる

  1. 午後の早い時間に眠くなる「ポスト・ランチ・ディップ」は、昼食を食べなくても起きる。体のリズムに根がある、と研究のまとめは述べている。
  2. 食事の影響は人によって違う。15人の実験では食事の有無で全体の差はなく、食後に寝つきが早くなったのは5人だった。
  3. 前の晩4時間しか眠れなかった学生12人でも、昼食後に15分の昼寝の機会をとると、午後の眠気が軽くなった。

01 悩みの正体昼過ぎに眠くなるのは、昼食のせい?

昼食だけのせいではありません。午後の早い時間に眠気が強まるのは、体内時計がつくる1日のリズムによるもので、昼食を食べなくても起きます。食事はそれを強めることがあります。

眠気は、主に2つの力で説明されます。1つは、起きている時間が長いほどたまる「眠りの圧力」です。もう1つは、体内時計がつくる1日のリズムです。

この2つを組み合わせると、眠りやすさの山は夜だけではありません。昼過ぎにも、小さな2つ目の山が出ます。これが「ポスト・ランチ・ディップ(昼食後の落ち込み)」と呼ばれる時間帯です。名前に「昼食」と入っていますが、昼食が原因という意味ではありません。

夕方の眠気や、難しい本での眠気は、また別の理由も関わります。本の難しさと眠気については専門書を読むとすぐ眠くなるのはなぜ?にまとめています。

02 科学的にわかっていること午後の眠気について、研究で何がわかっている?

午後の眠気は昼食なしでも起き、食事の影響は人や食事の形で違います。食事の中身の影響は研究で結果が分かれます。短い昼寝は午後の眠気を軽くし、明るい光にも一部で効果が見られました。

Monk(2005)[1]

午後の中ごろに一部の作業成績が落ちる「ポスト・ランチ・ディップ」をまとめた総説。この落ち込みは、その時間帯に眠りやすさが高まることと結びついている。昼食をとっておらず、時刻がわからない状況でも起きる本物の現象で、人の体のリズムに根があるとした。炭水化物の多い昼食で強まり、極端な朝型の人で起きやすい可能性も挙げている。

種類: 研究のまとめ(総説) / 限界: 著者自身が「一部の作業で、一部の人に」起きると書いている。誰でも同じように眠くなるわけではない。

Besら(2009)[2]

睡眠の実験データをもとに、24時間の眠りやすさを計算で再現したモデル。夜の大きな山のほかに、昼過ぎに2つ目の山が出た。夜の睡眠の時間帯が遅くずれると昼過ぎの山は弱まるか消え、早くずれると日中の眠りやすさが増すと予測された。

種類: 数理モデル / 限界: 実際の人で新たに測った結果ではなく、モデルによる予測。

Stahlら(1983)[3]

健康な15人で、食事をした日としない日を比べ、脳波で寝つくまでの時間を測った。全体では、食事の有無で寝つくまでの時間に差がなかった。食後に寝つきが早くなったのは5人(1〜11分)だった。著者らは、食後の眠気は食事で必ず起きるものではなく、空腹の度合いや食事の量・中身に左右されるとした。

対象: 健康なボランティア15人 / 限界: 人数が少なく、古い研究。

Orrら(1997)[4]

男性10人ずつの2つの実験。固形の食事は、同じ量の水と比べて、食後の寝つきを早めた。一方、脂肪の多い食事・炭水化物の多い食事・その中間の食事の間では、寝つきに差がなかった。

対象: 健康な男性(各10人) / 限界: 食事は17時で、昼食後の時間帯ではない。朝食で比べた別の実験では、脂肪が多く炭水化物が少ない食事の2〜3時間後の方が眠く感じやすかった[5]。食事の中身の影響は、研究によって結果が分かれている。

TakahashiとArito(2000)[6]

前の晩に4時間しか眠っていない学生12人で、昼食後に15分の昼寝の機会(12:30〜12:45)をとる日ととらない日を比べた。実際に眠ったのは平均10.2分だった。昼寝をした日は、13:15と14:45の眠気が低く、13:15の論理的な推理の正確さが高かった。ほかの作業成績には差がなかった。

対象: 健康な学生12人 / 限界: 睡眠不足の条件での少人数の実験。普段から十分眠っている人で同じ効果があるかはわからない。

Zhouら(2021)[7]

昼寝の習慣がある中国の大学生17人の実験。昼寝をしないと、眠気と嫌な気分が増え、注意と作業記憶(頭の中で一時的に覚えて処理する力)の課題の成績が下がった。昼寝の代わりに明るい青白い光(1,000ルクス)を浴びると、眠気・気分・作業記憶の課題は改善した。注意の課題など、改善しなかった指標もあった。

対象: 平均20.5歳の大学生17人 / 限界: 少人数の実験室研究で、昼寝の習慣がある人だけが対象。

午後の眠気と関わるもの(研究[1]〜[7]をもとに整理)

関わるもの研究でわかっていること
時間帯(昼過ぎ)昼食なしでも眠りやすさが上がる[1][2]
食事をとること影響は人による[3]。固形の食事は水より寝つきを早めた[4]
食事の中身炭水化物で強まるとする総説[1]と、差がない[4]・脂肪で眠い[5]という実験があり、分かれる
前の晩の睡眠時間モデルでは夜の睡眠の時間帯で昼過ぎの山が変わる[2]。睡眠不足の翌日でも、15分の昼寝で午後の眠気が軽くなった[6]
明るい光眠気や一部の課題で改善が見られた[7]

ここで紹介した実験は、少人数・実験室での結果が中心です。毎日の独学で同じだけの差が出るとは限りません。自分の眠気の出方を知る手がかりとして使ってください。

03 今日からできる小さな一歩昼過ぎの眠い時間、勉強はどう組む?

眠くなる時間帯があることを前提に予定を組みます。まず1週間、昼過ぎの眠気を記録し、眠い時間には手を動かす勉強を置き、強い眠気には短い昼寝か明るい場所への移動を試します。

1

1週間、13〜16時の眠気を3段階で記録する

1時間ごとに「眠くない・少し眠い・とても眠い」に印をつけ、昼食の量と前の晩の睡眠時間も1行書きます。食後の眠気は人によって違う[3]ので、自分の山の時間を知るのが先です。

所要 1日3分

2

眠い時間帯に、手を動かす勉強を置く

新しい章を読むのは午前や夕方に回し、昼過ぎは問題演習や、本を閉じて書き出す復習にします。これは研究から考えた工夫で、効果を直接確かめたものではありません。

所要 予定を組み替えるだけ

3

強い眠気には、15分ほどの昼寝を試す

昼食後に15分の昼寝の機会をとると、午後の眠気が軽くなった実験があります[6]。長さとタイミングの詳しい研究は勉強の合間の昼寝は記憶に効く?にまとめています。

所要 15〜20分

4

昼寝ができないときは、明るい場所で勉強する

明るい光で眠気が軽くなった実験があります[7]。窓際や明るい部屋に移ります。ただし改善しなかった指標もあり、昼寝の代わりになるとまでは言えません。

所要 1分

04 続けるためのコツ午後の眠気が毎日ひどいときは、どうする?

毎日強い眠気が続くなら、勉強のやり方より夜の睡眠を見直します。眠気は意志の弱さではなく体のリズムなので、自分を責めずに予定の方を合わせます。

  • 夜の睡眠時間を記録と並べて見る。睡眠が短かった日ほど午後が眠いなら、昼の工夫より夜の睡眠を優先します。睡眠と記憶の関係は眠ると記憶が整理されるのはなぜ?にまとめています。
  • コーヒーは時間に気をつける。夕方以降のカフェインで夜に眠れなくなると、翌日の昼がまた眠くなります。付き合い方は勉強とカフェインの付き合い方を参考にしてください。
  • 昼食を抜いて我慢しない。午後の眠気は昼食なしでも起きます[1]。空腹のまま勉強するより、眠い時間帯を予定に組み込む方が続けやすくなります。

十分に眠っているのに日中の強い眠気が毎日続く、勉強中に突然眠り込んでしまうといったときは、睡眠の問題の可能性もあります。医療機関に相談してください。

05よくある質問

昼食を抜けば、午後に眠くならない?

そうとは限りません。午後の早い時間の眠気は、昼食をとらず時刻もわからない状況でも起きると、研究のまとめは述べています。15人の実験でも、食事の有無で寝つくまでの時間に全体としての差はありませんでした。昼食を抜くより、眠くなる時間帯を前提に予定を組む方が現実的です。

炭水化物を控えると、午後の眠気は減る?

はっきりしていません。炭水化物の多い昼食で眠気が強まるとする総説がある一方、男性10人の実験では食事の中身で寝つきに差がなく、朝食で比べた実験では脂肪の多い食事の方が眠く感じやすい結果でした。自分の食後の眠気を記録して確かめるのが確実です。

昼寝は何分くらいがいい?

前夜4時間しか眠っていない学生12人の実験では、昼食後に15分の昼寝の機会をとると、午後の眠気が軽くなりました。実際に眠ったのは平均10.2分でした。長さと時間帯の詳しい研究は、昼寝と記憶の記事にまとめています。

出典

  1. Monk, T. H. (2005). The post-lunch dip in performance. Clinics in Sports Medicine, 24(2), e15–e23. https://doi.org/10.1016/j.csm.2004.12.002
  2. Bes, F., Jobert, M., & Schulz, H. (2009). Modeling napping, post-lunch dip, and other variations in human sleep propensity. Sleep, 32(3), 392–398. https://doi.org/10.1093/sleep/32.3.392
  3. Stahl, M. L., Orr, W. C., & Bollinger, C. (1983). Postprandial sleepiness: Objective documentation via polysomnography. Sleep, 6(1), 29–35. https://doi.org/10.1093/sleep/6.1.29
  4. Orr, W. C., Shadid, G., Harnish, M. J., & Elsenbruch, S. (1997). Meal composition and its effect on postprandial sleepiness. Physiology & Behavior, 62(4), 709–712. https://doi.org/10.1016/s0031-9384(97)00012-7
  5. Wells, A. S., Read, N. W., Uvnas-Moberg, K., & Alster, P. (1997). Influences of fat and carbohydrate on postprandial sleepiness, mood, and hormones. Physiology & Behavior, 61(5), 679–686. https://doi.org/10.1016/s0031-9384(96)00519-7
  6. Takahashi, M., & Arito, H. (2000). Maintenance of alertness and performance by a brief nap after lunch under prior sleep deficit. Sleep, 23(6), 813–819. https://doi.org/10.1093/sleep/23.6.1h
  7. Zhou, Y., Chen, Q., Luo, X., Li, L., Ru, T., & Zhou, G. (2021). Does bright light counteract the post-lunch dip in subjective states and cognitive performance among undergraduate students? Frontiers in Public Health, 9, 652849. https://doi.org/10.3389/fpubh.2021.652849