勉強法

目的別・勉強法の選び方表。覚える・見分ける・解く・理解するで、最初に選ぶ方法を決める(10の勉強法の研究から)

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積み重ねた本
Photo: S.M.M.Musabbir Uddin / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

勉強法はたくさん紹介されていて、どれを選べばいいか迷います。研究をまとめると、どんな目的にも強い方法は2つだけで、残りは「何を学ぶか」で効き方が変わりました。この記事では、目的ごとに最初に選ぶ方法を表にしました。

3行でわかる

  1. 10の勉強法を調べたレビューで、目的を問わず評価が高かったのは「思い出す練習(小テスト)」と「間をあけた復習」の2つだけだった。
  2. まぜて練習するやり方は、絵や数学ではよく効いたが(g=0.67、0.34)、単語では逆効果だった(g=−0.39)。方法は学ぶものに合わせて選ぶ。
  3. 表2で目的から最初の方法を選び、表3で今のやり方を点検する。

01 この表でできること勉強法は、何を基準に選べばいい?

「何を、いつまでに、どんな形でできるようになりたいか」で選びます。研究では、多くの場面で効く方法と、学ぶものによって効き方が変わる方法がはっきり分かれていました。

勉強法ひとつずつの効き方は、勉強法の効く・効かない早見表にまとめています。この記事はその使い方編です。自分の目的から逆にたどって、最初の1つを決めるための表を作りました。

「自分は目で見て覚えるタイプ」のような学習スタイルで選ぶ方法は、研究で支持されていません(学習スタイルの記事)。選ぶ基準は、自分のタイプではなく学ぶものの種類です。

02 表の根拠になった研究どの勉強法が、どんな目的に効く?

思い出す練習と間をあけた復習は、年齢や学ぶものを問わず効くと評価されました。まぜて練習する方法は、見分ける練習には効く一方、単語の暗記では逆効果でした。

Dunloskyら(2013)[1]

10の勉強法の研究を検討し、役立ち度を3段階で評価したレビュー。「高い」は思い出す練習と間をあけた復習の2つ。「中くらい」は、なぜかを考える(精緻化質問)、自分に説明する(自己説明)、まぜて練習するの3つ。要約・線を引く・語呂合わせ(キーワード法)・文章のイメージ化・読み直しの5つは「低い」だった。

対象: これまでの実験室と授業での研究のレビュー / 限界: 効果量を数えたメタ分析ではない。著者らは、精緻化質問と自己説明は授業の場ではまだ十分に調べられていないと書いている。

Donoghue・Hattie(2021)[2]

上のレビューが引用した研究242件(効果1,619件)を数え直したメタ分析。全体の効果はd=0.56。間をあけた復習d=0.85、思い出す練習d=0.74が最も大きく、読み直しd=0.47、線を引くd=0.44、要約d=0.44も効果ゼロではなかった。事実を覚える浅い学びではd=0.60、関係を理解する深い学びではd=0.26と、効果に差があった。

対象: 1929〜2014年の研究で、85.6%が北米 / 限界: 研究の多くが事実の暗記を測ったもので、深い理解に当てはめるには注意が要ると著者らは書いている。2015年以降の研究は入っていない。

Brunmair・Richter(2019)[3]

まぜて練習する方法(インターリーブ)の研究59件をまとめた。全体ではg=0.42で効いた。絵の画風を見分ける練習ではg=0.67、数学の問題ではg=0.34。一方、単語の学習ではg=−0.39で、同じ種類をまとめて練習する方がよかった。説明文の学習でははっきりした差がなかった。

対象: 158のグループ、効果238件 / 限界: 似たもの同士を見分ける必要がある材料ほど効きやすく、著者らは「材料の種類を考えて慎重に使うべき」としている。

Cepedaら(2006)[4]

言葉を思い出す課題で、間をあけた復習を調べた317の実験をまとめ、復習の間隔とテストまでの期間の関係を分析した。最もよく残る復習の間隔は、テストまでの期間が長いほど長くなった。

対象: 184本の論文の839の比較 / 限界: 単語や事実を思い出す課題が中心で、問題を解く力について調べたものではない。

ここで紹介した研究の多くは、大学生などが実験室で短い期間に学んだものです。社会人が何か月もかけて独学する場合に、同じ大きさの効果が出るとは限りません。表は「最初に試す順番」として使ってください。

03 使える表目的ごとに、最初に選ぶ勉強法は?

どの目的でも、思い出す練習と間をあけた復習を土台にします。そのうえで、見分ける力や解き方が必要ならまぜて練習し、理解が必要なら自分に説明する方法を足します。

表1 10の勉強法の評価。役立ち度はDunloskyら(2013)[1]、効果の大きさ(d)はDonoghue・Hattie(2021)[2]の数字です。dは0.2が小さい、0.5が中くらい、0.8が大きいの目安です。

勉強法役立ち度[1]効果の大きさ[2]
間をあけた復習(分散学習)高いd=0.85
思い出す練習(小テスト)高いd=0.74
なぜかを考える(精緻化質問)中くらいd=0.56
自分に説明する(自己説明)中くらいd=0.54
まぜて練習する(インターリーブ)中くらいd=0.47
文章をイメージにする低いd=0.56
語呂合わせ(キーワード法)低いd=0.50
読み直し低いd=0.47
線を引く低いd=0.44
要約する低いd=0.44

「低い」の方法も、効果がゼロだったわけではありません。Donoghue・Hattieは、3段階の評価の境目は恣意的で、読み直しやまぜて練習する方法を「効かない」と切り捨てるべきではないと書いています[2]。ただ、同じ時間を使うなら、上の2つを先にする方が効果が大きいという読み方になります。

表2 目的別の選び方。研究の結果をもとに、このサイトが「最初に試す順番」としてまとめたものです。

目的最初に選ぶ次に足す気をつけること
単語・用語・年号を覚える思い出す練習+間をあけた復習語呂合わせ(覚えにくいものだけ)単語はまぜるより、まとめて練習した方がよかった[3]
似たものを見分ける(分類・判別問題)まぜて練習する思い出す練習見分ける必要がある材料ほど、まぜる効果が大きかった[3]
計算・解き方を身につける解き方の例を読んでから解く→種類をまぜて解く間をあけた復習例の使い方は解き方の例の記事へ
文章の内容・仕組みを理解する自分に説明する・なぜかを考える読んだ後に何も見ずに書き出す深い理解を測った研究は少なく、効果も小さめだった[2]
試験日までに覚えたものを保つ間をあけた復習試験形式の小テスト試験が先なら、復習の間隔も長めにする[4]
1

今の勉強を目的で分ける

「覚える」「見分ける」「解く」「理解する」のどれかに、今日の勉強を1つずつ当てはめます。1冊の教材でも、章ごとに目的が違うことがあります。

所要 5分

2

表2で最初の方法を1つ選ぶ

いきなり全部を変えず、1つの目的につき1つの方法から始めます。迷ったら、どの目的でも土台になる「思い出す練習」を選びます。

所要 2分

3

2週間使ったら、表3で点検する

選んだ方法で勉強した範囲を、何も見ずに小テストします。点数の変化は勉強法の計画と実際のチェック表に残せます。

所要 10分

表3 今のやり方の点検チェック表。「いいえ」が付いた行が、次に変えるところです。

点検することはい・いいえ「いいえ」のときの一手
勉強時間のうち、何も見ずに思い出す時間がある読む時間の最後の5分を、閉じて書き出す時間にする
同じ範囲を、日をあけて2回以上やっている1日後・1週間後の復習を予定に入れる
見分ける問題は、種類をまぜて解いている章末問題を2〜3章分まぜて解く
単語は、似たものをまぜすぎていないまとめて覚えてから、思い出す練習でまぜる
読み直しや線を引くことが、勉強時間の大半ではない読み直す前に、まず思い出せるかを試す

思い出す練習のやり方は、思い出す練習と読み直しの記事にくわしく書いています。

04 続けるためのコツ選んだ勉強法を続けるには?

方法は一度に1つだけ変え、2週間は同じやり方で続けます。効いたかどうかは「わかった気がする」ではなく、何も見ずに解けるかで確かめます。

  • 楽に感じる方法を疑う。読み直しはすらすら進むので「わかった」と感じやすいですが、表1では思い出す練習より効果が小さい方法でした。
  • 難しく感じても、すぐやめない。思い出す練習やまぜて練習する方法は、やっている最中は手ごたえが少ないことがあります。
  • 目的が変わったら、表2を見直す。暗記の段階から問題演習の段階に進んだら、選ぶ方法も変わります。

05よくある質問

結局、一番効く勉強法はどれ?

1つ選ぶなら、思い出す練習か間をあけた復習です。10の勉強法を調べたレビューで、この2つだけが「役立ち度が高い」と評価されました。研究を数え直したメタ分析でも、間をあけた復習がd=0.85、思い出す練習がd=0.74で、10の方法のうち最も大きい2つでした。

線を引く・要約するのは、やめた方がいい?

やめなくてもかまいませんが、それだけに頼らないことがすすめられます。メタ分析では、線を引くd=0.44、要約d=0.44と効果はゼロではありませんでした。ただ、同じ時間なら思い出す練習の方が効果が大きかったので、線を引いた後に「閉じて思い出す」時間を足すのが現実的です。

英単語は、まぜて練習した方がいい?

研究からはすすめにくいです。まぜて練習する方法の研究59件をまとめた分析では、単語の学習ではg=−0.39で、同じ種類をまとめて練習した方がよい結果でした。まぜる方法がよく効いたのは、絵の画風や数学の問題のように、似たもの同士を見分ける必要がある材料でした。

自分に合う勉強法は、性格やタイプで決まる?

研究では、タイプに合わせて勉強法を選ぶと成績が上がるという考え(学習スタイル)は支持されていません。選ぶ基準は、自分のタイプより「何を、どんな形でできるようになりたいか」です。

出典

  1. Dunlosky J, Rawson KA, Marsh EJ, Nathan MJ, Willingham DT (2013). Improving students' learning with effective learning techniques: Promising directions from cognitive and educational psychology. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. https://doi.org/10.1177/1529100612453266
  2. Donoghue GM, Hattie JAC (2021). A meta-analysis of ten learning techniques. Frontiers in Education, 6, 581216. https://doi.org/10.3389/feduc.2021.581216
  3. Brunmair M, Richter T (2019). Similarity matters: A meta-analysis of interleaved learning and its moderators. Psychological Bulletin, 145(11), 1029-1052. https://doi.org/10.1037/bul0000209
  4. Cepeda NJ, Pashler H, Vul E, Wixted JT, Rohrer D (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354-380. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354