続け方・習慣

勉強を習慣にする「きっかけ表」と毎日のチェック表。いつもの行動の後に置き、週1回「考えずに始められたか」を4問で確かめる(習慣づくりの研究から)

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机の上の小さな目覚まし時計
Photo: Solise / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

「毎日勉強する」と決めても、気づけば三日坊主。習慣は気合いで作るものではありません。研究では、いつも同じ場面で同じ行動をくり返すと、だんだん考えなくても始められるようになっていました。この記事では、その結果を「きっかけ選び表」「毎日のチェック表」「週1回の自動化チェック」の3つの表にしました。

3行でわかる

  1. 習慣は「同じ場面で、同じ小さな行動をくり返す」とできていく。考えなくてもできるようになるまでの中央値は59〜66日で、人によって4〜335日と大きく違った。
  2. 新しい行動は、毎日必ずある行動の「後」に置く方が習慣になりやすかった(歯みがきとデンタルフロスの実験、50人)。1日休んでも、習慣づくりは大きくは崩れなかった。
  3. 表1でいつもの行動を選び、表2に毎日チェックし、表3で週に1回「考えずにできているか」を4つの質問で確かめる。

01 この表でできること勉強を習慣にするための表は、何を記録する?

記録するのは「きっかけの後に勉強を始めたか」と、週に1回の「考えずに始められたか」の2つです。勉強時間の長さではなく、同じ場面でくり返せたかを見ます。

習慣がどれくらいでできるかの研究は、勉強が習慣にならない理由の記事で紹介しました。この記事はその続きで、研究を自分で使える表にしたものです。

もとにしたのは、イギリスの研究者が一般の診療所向けにまとめた「新しい習慣をつくるコツ」です[1]。そこでは、毎日出会う時間と場所を選び、そのたびに同じ行動をし、毎日チェックをつける表が紹介されています。週の終わりに「どれくらい自動的に感じるか」を付けると、楽になっていく様子が見える、とも書かれています。

02 表の根拠になった研究勉強の習慣は、どうすればできやすい?

同じ場面でくり返すこと、毎日ある行動の後に置くこと、週4回以上のペースで続けることが、習慣のできやすさと関係していました。ただし、どれも勉強ではなく健康の行動の研究です。

Singhら(2024)[2]

健康の習慣づくりの研究20件(2,601人)をまとめた。習慣ができるまでの時間を報告した4件では、中央値が59〜66日、平均が106〜154日で、人による差は4〜335日と大きかった。習慣の強さは、介入の前後で大きくなっていた(標準化平均差0.69)。

対象: 運動・食事・水を飲む・デンタルフロスなど。平均年齢21.5〜73.5歳の研究 / 限界: 研究の数が少なく、20件中11件は偏りのおそれが高いと評価された。

Judahら(2013)[3]

50人にデンタルフロスを始めてもらい、半分は歯みがきの前、半分は歯みがきの後に行うよう指示した。歯みがきの後に行った人の方が、習慣が強くなる傾向があり、8か月後も習慣が強く、フロスを使う回数も多かった。

対象: 50人 / 限界: 著者ら自身が「探索的な研究」と位置づけ、より厳密な方法での確認が必要だと書いている。

KaushalとRhodes(2015)[4]

ジムに入会したばかりの111人を12週間追った。運動の習慣ができるには、少なくとも週4回を6週間続けることが必要だった。習慣が強まることと関係していたのは、続け方の一貫性(β=.21)、行動の簡単さ(β=.19)、環境(β=.17)、楽しさ(β=.13)だった。

対象: ジムの新規会員111人 / 限界: 質問紙による調査で、運動の習慣の研究。勉強に同じ数字が当てはまるとは限らない。

Gardnerら(2012)[5]

習慣の強さを測る12問の質問紙から、「自動的にしている」かどうかを表す4問を選び出した(SRBAI)。4問だけでも、習慣と行動の関係をとらえられることを、過去の研究の再分析で確かめた。

対象: 過去の研究の再分析と、4つのデータ(移動手段・間食・飲酒など) / 限界: 自分で答える質問紙で、多くは一時点の調査にもとづく。

Gardner、Lally、Wardle(2012)[1]

習慣の研究を、診療所で使える形にまとめた論文。ある研究では、考えなくてもできる感覚は、毎日続け始めてから平均で約66日で頭打ちになった。ときどき1回休んでも、習慣づくりは大きくは損なわれなかった。

対象: 習慣の研究のまとめ / 限界: 健康の行動を前提にした助言で、勉強で確かめたものではない。

ここで紹介した研究は、運動・食事・デンタルフロスなど、1回が短く簡単な行動のものです。勉強は内容が日によって変わり、1回も長くなりがちです。だから表では、きっかけの後にする行動を「テキストを開いて1問解く」のように小さく決めます。

03 使える表勉強のきっかけは、どう選ぶ?

毎日必ずあり、時間と場所がほぼ同じで、終わりがはっきりしている行動を選び、その「後」に勉強を置きます。表1の3つの条件をすべて満たすものを1つだけ選びます。

表1 きっかけ選び表。候補を書き出し、3つの条件に○を付けます。記入例は架空のものです。

いつもの行動(の後)毎日ある時間と場所がほぼ同じ終わりがはっきりその後にする小さな勉強
例 朝のコーヒーをいれた後例 ○例 ○(台所の机)例 ○例 単語カードを10枚めくる
例 通勤電車で座った後例 △(休日はない)例 △例 ○例 問題を1問解く
例 夕食の片付けが終わった後例 ○例 ○例 ○例 テキストを開いて前回の続きを1ページ
1

候補を3〜5個書き出す

朝起きてから寝るまでの、毎日している行動を書きます。休日にないものは△にします。

所要 5分

2

3つとも○のものを1つ選ぶ

きっかけは1つに絞ります。研究では、同じ場面でくり返すほど習慣ができやすくなっていました。

所要 2分

3

その後にする勉強を「1分で始められる量」にする

ジムの研究では、行動が簡単なほど習慣が強まっていました。続けて長く勉強できる日は、そのまま続けてかまいません。

所要 1分

4

「〇〇の後に、△△する」と表の上に書く

「いつ・どこで」を前もって決める方法は、if-thenプランの記事で紹介しています。

所要 1分

03 つづき毎日のチェックは、どうつける?

きっかけの後に勉強を始めたら○、始めなかったら空欄にします。時間の長さは書かなくてかまいません。1日空いても、次の日にまた○を付ければ大丈夫です。

表2 毎日のチェック表(10週分のうちの2週)。記入例は架空のものです。用紙やノートに10週分を作ります。

週月火水木金土日○の数
例 1週目○○○○○5
例 2週目○○○○○○6
3週目
4週目

10週としたのは、診療所向けのコツ[1]が「10週ほどで、考えなくてもできるようになっているはず」としているためです。ただし、まとめの研究[2]では人による差が大きく、10週で終わらない人もいます。

03 つづき習慣になったかは、どう確かめる?

週に1回、表3の4つの質問に1〜7で答え、合計を記録します。研究で使われている「自動的にしているか」の4問を、勉強向けに言い換えたものです。合計が週ごとに上がっていれば、習慣ができてきています。

表3 週1回の自動化チェック。「きっかけの後の勉強は、私にとって……」に続けて答えます。1=まったく当てはまらない、7=とても当てはまる。段階の数はこの表で決めたものです。

質問(もとの4問[5])1週目2週目3週目4週目
自動的にしている(I do automatically)例 2例 3
意識して思い出さなくてもしている(without having to consciously remember)例 1例 3
考えずにしている(without thinking)例 2例 2
気づく前に始めている(start doing before I realize I'm doing it)例 1例 2
合計(4〜28)例 6例 10

表4 4週ごとの見直し表。研究の数字ではなく、このサイトが表の使い方としてまとめた目安です。

表2・表3に出ていること次の4週にすること
○が週4回未満の週が続くきっかけが毎日あるか見直す。表1で休日にもある行動に替える
○は多いのに、表3の合計が上がらないきっかけの時間や場所が日によってずれていないか確かめる。勉強の始め方も毎回同じにする
始めるのがつらい日が多いきっかけの後の勉強をさらに小さくする(1問、5分など)
表3の合計が上がってきたきっかけはそのままにして、勉強の量を少しずつ増やす

04 続けるためのコツチェックが途切れたら、どうする?

1日空いても、次のきっかけで再開すれば大丈夫です。研究では、ときどき1回休んでも習慣づくりは大きく損なわれませんでした。何日も空いたときは、表1のきっかけから選び直します。

  • 空欄は「失敗」ではなく記録。空いた日が多い曜日がわかれば、その曜日だけ別のきっかけを決められます。
  • きっかけは何度も変えない。4週は同じきっかけで続けてから、表4で見直します。
  • 長く休んでしまったら、勉強を休んだ後の再開の記事の手順で戻ります。
  • 思い出せずに忘れる日が多いなら、予定を思い出す仕掛けの記事の目印を足します。

05よくある質問

勉強は、いつもの行動の前と後、どちらに置くといい?

後をおすすめします。50人の実験では、デンタルフロスを歯みがきの後にした人の方が習慣が強くなる傾向があり、8か月後も習慣が強く、使う回数も多くなりました。ただし勉強で確かめた研究ではなく、著者らも探索的な研究としています。

毎日できなかった日があると、習慣は最初からやり直し?

やり直しにはなりません。習慣の研究では、ときどき1回休んでも、考えずにできる感覚は再び伸びていきました。空いた日の次のきっかけで、また始めれば大丈夫です。

何日続ければ勉強が習慣になる?

決まった日数はありません。健康の習慣の研究をまとめた分析では、中央値が59〜66日で、人によって4〜335日と大きく違いました。日数よりも、表3の合計が週ごとに上がっているかで確かめます。

出典

  1. Gardner, B., Lally, P., & Wardle, J. (2012). Making health habitual: The psychology of 'habit-formation' and general practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664–666. https://doi.org/10.3399/bjgp12X659466
  2. Singh, B., Murphy, A., Maher, C., & Smith, A. E. (2024). Time to form a habit: A systematic review and meta-analysis of health behaviour habit formation and its determinants. Healthcare, 12(23), 2488. https://doi.org/10.3390/healthcare12232488
  3. Judah, G., Gardner, B., & Aunger, R. (2013). Forming a flossing habit: An exploratory study of the psychological determinants of habit formation. British Journal of Health Psychology, 18(2), 338–353. https://doi.org/10.1111/j.2044-8287.2012.02086.x
  4. Kaushal, N., & Rhodes, R. E. (2015). Exercise habit formation in new gym members: A longitudinal study. Journal of Behavioral Medicine, 38(4), 652–663. https://doi.org/10.1007/s10865-015-9640-7
  5. Gardner, B., Abraham, C., Lally, P., & de Bruijn, G.-J. (2012). Towards parsimony in habit measurement: Testing the convergent and predictive validity of an automaticity subscale of the Self-Report Habit Index. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 9, 102. https://doi.org/10.1186/1479-5868-9-102