記憶・覚え方

ノートを見返しても覚えられない人の「ノート見直し表」。読み返すより、書き足して・隠して思い出す(ノートと復習の研究)

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机の上のノートとペン
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

講義や本の内容を、時間をかけてノートにまとめた。試験前には何度も読み返した。それでも、問題を前にすると思い出せない。ノートの取り方が悪いのではなく、見直し方が「読み返すだけ」になっているのかもしれません。この記事では、ノートを書き足し、問いに変え、本文を隠して思い出すための見直し表を、研究をもとに用意しました。

3行でわかる

  1. ノートを取ってから読み返すより、ノートを取ってから自分をテストした方が、2週間後の成績が高かった(実験)。
  2. 内容を要約したノートは、書き写しただけのノートより成績が良い傾向だった。一方、みんなで見直してノートの要点が増えても、テストの成績は上がらなかった。
  3. 使い方は、①当日に書き足して3行で要約 ②左の余白に問いを書く ③2〜3日後と1週間後に本文を隠して答える、の3つ。

01 悩みの正体ノートを見返しても覚えられないのはなぜ?

見返している間は、答えがずっと目の前にあるからです。読めることと、何も見ずに思い出せることは別です。ノートは「取る」だけでなく、「直す」「隠して思い出す」まで使うと役に立ちます。

講義や本の内容をきれいにノートにまとめた。試験前に何度も読み返した。それなのに、問題を前にすると思い出せない。よくあることです。

ノートを読み返すと、書いてある言葉はすぐに「知っている」と感じます。けれど、それは見ればわかる状態で、見ずに取り出せる状態とは違います。この「わかったつもり」は「わかったつもり」の記事でくわしく紹介しています。

ノートの研究では、ノートを「記録する」「直す(書き足す)」「見直す」の3段階で考える見方が提案されています[5]。多くの人は1段階目で止まり、見直しも読み返すだけになりがちです。この記事の表は、2段階目と3段階目を毎回の勉強に組み込むための道具です。

02 科学的にわかっていることノートは、どう見直すと身につく?

2週間後の成績は、ノートを読み返すより、ノートを取った後に自分をテストした方が高くなりました。要約したノートは、写しただけのノートより成績が良い傾向でした。一方、みんなで見直してノートが充実しても、テストの点は上がりませんでした。

Rummerら(2017)[1]

学習内容を、読み返す・テストを受ける・ノートを取る、のどれかで学び、5分後・1週間後・2週間後にテストした。5分後はノートを取った組が最もよく、2週間後はテストを受けた組が最もよかった。2つ目の実験では、「ノートを取ってから読み返す」より「ノートを取ってからテストを受ける」方が、2週間後の成績が高かった。

対象: 実験室での学習課題 / 限界: この記事では論文の要旨で確認した。参加者の人数や学習内容の詳細は要旨に書かれていない。

SlotteとLonka(1999)[2]

哲学の文章を読みながら、自由にノートを取ってもらった。内容を要約してノートにした人は、文章の順に書き写した人や、そのまま書き写した人より、すべての課題で成績が良かった。ノートを多く取った人ほど理解も良かった。答えるときにノートを見直せた組は、深い理解を問う問題で良い成績だったが、その効果は主に細かい内容についてで、自分で推論する問題では限られていた。

対象: 高校卒業生226人 / 限界: この記事では論文の要旨で確認した。1回の読解課題で、何週間も後の記憶は調べていない。

Weiら(2025)[3]

学生が2本の講義を見てノートを取り、少し後か長く時間をおいてから、1人で、またはグループでノートを見直して書き足した。グループで見直した方が、ノートに書き足した要点が多く、時間をおいた後ほどその差は大きかった。しかし、書き足しが多くても、最後のテストの成績は良くならなかった。

対象: 学生(人数は要旨に記載なし) / 限界: この記事では論文の要旨で確認した。著者らは、ノートの充実とテストの成績の関係には、ほかの要因も考える必要があるとしている。

Yıldırım(2026)[4]

教員をめざす大学2年生134人を、4つのノートの取り方に分けて5週間学んだ。その中の「コーネル式」は、ページを分けて、左にキーワードや問い、右にノート、下に要約を書く方法。終了直後のテストでは差がなかったが、4週間後のテストでは、コーネル式の組だけが、文章で書き連ねる組より高かった。ほかの組どうしでは差がなかった。

対象: トルコの大学の教育学の授業 / 限界: 差が出たのは1組の比較だけ。成績には、ノートの方法より学ぶ意欲の方が一貫して関係していた。ノートの質は分析していない。

Hoffmann(2025)[5]

大学などの大人の学習者を対象にした、デジタルのノートの取り方の研究25件を整理したレビュー。グループでのノート、アウトライン、マインドマップなどの図にまとめる方法が、効果が報告された工夫として挙がった。ノートを「記録・修正・見直し」の3段階で考える見方を紹介し、授業の外で思い出す練習と組み合わせることを勧めている。

対象: 検索で見つかった330件から選んだ25件の研究 / 限界: 効果の大きさをまとめて計算したメタ分析ではなく、テーマごとに整理したレビュー。

ここで紹介した研究の多くは、学生が1回の講義や文章で学んだ実験です。社会人が何か月もかけて資格の勉強をするときに、同じ大きさの効果が出るかは確かめられていません。下の表は、これらの研究を組み合わせた、この記事の提案です。

03 使える表ノートの見直しは、いつ何をすればいい?

当日は書き足しと要約、問いづくりまで。2〜3日後と1週間後に、ノートの本文を隠して問いに答えます。答えられなかった問いだけ、本文を読んで印をつけます。

表1 ノート見直し表(1回の講義・1章ごとに使う)

いつやること所要研究との関係
当日(学んだ直後)抜けている所を書き足し、ページの下に自分の言葉で3行の要約を書く10分要約したノートは、書き写しより成績が良い傾向[2]
当日ページの左の余白に、本文が答えになる問いを3〜5個書く5分左に問い・右にノートのコーネル式で、4週間後の成績が高かった報告[4]
2〜3日後本文を紙で隠し、左の問いに口で答える。答えられない問いに印10分ノートを取ってからテストすると、読み返しより2週間後の成績が高い[1]
1週間後印のついた問いだけ、もう一度隠して答える5分思い出せなかった所に時間を回す
試験の2週間前全部の問いに隠して答え、まだ答えられない問いを一覧にする20分読み返しだけで試験に臨まない

所要時間と日数は、この記事で決めた目安で、研究で決まった数字ではありません。間をあけて復習する理由は分散学習の記事で紹介しています。

表2 ノート見直しの記録表(隠して答えた日に1行)

日付ノート(講義・章)問いの数答えられた数印をつけた問い次に見直す日
(記入例)10/21第3章 減価償却53定率法の計算、残存価額10/27
(記入例)10/27第3章 減価償却2(印のみ)2なし試験2週間前

表3 よくある見直し方と、研究でわかっていること

見直し方研究でわかっていること
ノートを読み返す2週間後の成績は、ノートを取ってからテストする方が高かった[1]
ノートを書き写して清書する文章の順に写したノートは、要約したノートより成績が低い傾向[2]
自分の言葉で要約するすべての課題で、書き写しより成績が良い傾向[2]
みんなでノートを見せ合って書き足すノートの要点は増えたが、テストの成績は上がらなかった[3]
問いを作り、本文を隠して答えるノートと思い出す練習を組み合わせる方法。テストの効果[1]とコーネル式[4]にもとづく提案

04 続けるためのコツ毎回ノートを見直す時間がないときは?

全部のページを見直す必要はありません。問いに答えられなかったページだけを見直します。表1の5つのうち、「問いを書く」と「隠して答える」の2つだけでも続けます。

  • 問いは「〜とは何か」「なぜ〜か」「〜と〜の違いは」の3つの型から作ると早い。「なぜ」と問う勉強法は「なぜ?」と問う勉強法の記事で紹介している。
  • きれいに清書する時間は、問いに答える時間に回す。ノートの見た目より、思い出せるかどうかで確かめる。
  • 本を読むときの手順は3Rシート、講義動画の見方は講義動画の見方の記事と組み合わせて使える。
  • 答えられなかった問いが多い日は、失敗ではなく、見直す場所が見つかった日と考える。

05よくある質問

ノートは見返すだけでは意味がないの?

意味がないわけではありませんが、読み返すだけより、ノートを取った後に自分をテストする方が、2週間後の成績が高かったという実験があります。ノートの本文を隠して、問いに答えてから読み直すと、読み返しの時間を思い出す練習に変えられます。

ノートはきれいにまとめ直した方がいい?

研究では、文章の順にそのまま書き写したノートより、内容を自分の言葉で要約したノートの方が成績が良い傾向でした。清書に時間をかけるより、要約を3行書き、問いを作って答える時間に回す方が、研究に沿った使い方です。

コーネル式ノートは効果がありますか?

大学2年生134人を5週間比べた研究では、終了直後は差がなく、4週間後のテストでコーネル式の組だけが、文章で書き連ねる組より高い点でした。ただし差が出たのはこの1組の比較だけで、成績には学ぶ意欲の方が一貫して関係していました。決定的な証拠とまでは言えません。

出典

  1. Rummer, R., Schweppe, J., Gerst, K., & Wagner, S. (2017). Is testing a more effective learning strategy than note-taking? Journal of Experimental Psychology: Applied, 23(3), 293–300. https://doi.org/10.1037/xap0000134
  2. Slotte, V., & Lonka, K. (1999). Review and process effects of spontaneous note-taking on text comprehension. Contemporary Educational Psychology, 24(1), 1–20. https://doi.org/10.1006/ceps.1998.0980
  3. Wei, Y., Meade, M. L., & Soderstrom, N. C. (2025). Collaborative review enhances note-taking, especially after a longer delay, but does not boost test performance. Memory, 33, 1293–1305. https://doi.org/10.1080/09658211.2025.2573272
  4. Yıldırım, M. (2026). The effects of note-taking methods on lasting learning: The role of motivation and cognitive load. Frontiers in Psychology, 16, 1697151. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1697151
  5. Hoffmann, C. (2025). Three proven strategies to supercharge digital note-taking in physician assistant/associate education. Journal of Physician Assistant Education, 36(4), 439. https://doi.org/10.1097/jpa.0000000000000682