勉強法

試験に落ちた・模試が悪かった後、どう立て直す?間違えた問題の直し方の研究

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鉛筆用の消しゴム
Photo: Willis Lam / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

試験に落ちた。模試の点数が思ったより低かった。結果を見た日は、問題用紙を開く気にもなれないかもしれません。研究の答えは「間違えた問題は、正しい答えとその理由で直せば、むしろ覚え直しのチャンスになる」です。ただし直した間違いは1週間ほどで戻ることがあるので、日をあけて解き直すところまでが一組です。

3行でわかる

  1. 間違えた後に正しい答えを見ると、覚えている量が大きく増える。258人の実験では、1週間後の成績が正解を見なかった場合より494%高かった。
  2. 「絶対合っている」と思って間違えた問題ほど直りやすい。ただし1週間たつと同じ間違いに戻ることもある。
  3. 結果を見たら、①正解と理由を書く ②自信のあった間違いに印 ③1週間後に間違えた問題だけ解き直す、の3つで立て直す。

01 悩みの正体試験に落ちた後、何から手をつければいい?

最初に手をつけるのは、全部の勉強のやり直しではなく、今回間違えた問題です。間違いは「次に何を覚え直せばいいか」を示す、いちばん正確な一覧になります。

落ちた直後は「全部やり直さないと」と考えがちです。けれど、教科書を最初から読み返すのは時間がかかるわりに、記憶には残りにくいやり方です(読み返すより思い出す練習の研究)。

一方、本番や模試で間違えた問題は、自分が「思い出せなかったもの」「勘違いしていたもの」そのものです。Metcalfe(2017)のレビューは、間違えたあとに正しい答えを返してもらう学び方は、記憶にとってむしろ良いと結論づけています[1]。

つまり、間違えたこと自体は損ではありません。損になるのは、点数だけ見て問題用紙をしまうことです。

02 科学的にわかっていること間違えた問題は、どう直すと身につく?

正しい答えを確かめ、なぜ間違えたかまで考えると身につきます。○×だけを見るのでは足りません。自信のあった間違いは直りやすい一方、日がたつと戻ることがあります。

Pashlerら(2005)[2]

258人がアフリカの言語(ルガンダ語)と英語の単語の組を覚え、何度かテストを受けた。間違えた後に正しい答えを見せると、その場の成績が上がっただけでなく、1週間後のテストの成績が494%高くなった。一方、正解した問題に答えを見せても、ほとんど差はなかった。

対象: 258人(実験室での単語の組の学習) / 限界: 覚えるのは単語の組で、計算や記述の問題ではない。494%は「増えた割合」で、元の正答数は要旨に書かれていない。

Metcalfe(2017)[1]

間違いから学ぶ研究をまとめたレビュー。間違えた後に正しい答えを返してもらう学び方は学習に役立つと結論づけた。とくに、本人が強く「正しい」と信じていた間違いほど直りやすい(自信の高い間違いが直りやすいこの現象は「過剰修正効果」と呼ばれる)。正しい答えに加え、間違いに至った考え方を振り返ることが重要だとしている。

対象: 主に実験室の研究のまとめ / 限界: 著者自身が「少なくとも神経学的に典型的な学習者では」と条件をつけている。大事な本番より、間違えても困らない練習の場で間違えることを勧めている。

Butlerら(2011)[3]

科学の一般知識の問題に答え、自信の度合いをつけてから正しい答えを見た。すぐ解き直した場合も、1週間後に解き直した場合も、自信のあった間違いほど直っていた。ただし1週間後は直る割合が下がり、同じ間違いに戻ることもあった。自信のあった間違いほど、戻りやすくもあった。

対象: 米国の大学で行われた実験 / 限界: 一般知識の短い問題での実験。資格試験のような広い範囲で同じ結果になるかは確かめられていない。

Eichら(2013)[4]

若い大人と高齢の大人で、自信の高い間違いが直りやすい現象を比べた。若い大人では現象が出たが、高齢の大人では弱く、自信の高さと直りやすさの関係は統計的に意味のある大きさではなかった。

対象: 米国の若い大人と高齢の大人 / 限界: 一般知識の問題での実験。年齢が高いと間違いから学べないという意味ではなく、自信の高さによる差が出なかったということ。

Metcalfeら(2025)[5]

米国ニューヨーク州の、成績に関わる数学(代数)の統一試験に向けて、2年間、約88人ずつの2学年の生徒で比べた。4回は授業の代わりに小テストを受け、間違えた問題を4回の授業で先生と一緒に振り返った組は、8回とも普通に教わった組より、先生と過ごした時間あたりの伸びが大きかった。ただし効果は先生によってばらついた。正解を説明するより、間違いの理由を一緒に考える教え方の方が伸びやすかった。

対象: 米国の数学(代数)の授業を受ける生徒、約88人×2学年 / 限界: 先生がいる授業での研究。独学で一人で振り返る場合の効果は調べていない。

Hallら(2004)[6]

大学生203人が、1学期目に3つの条件(考え直しなし・書く形式・テスト形式)のどれかに分かれた。成績の原因を、努力など自分で変えられるものとして考え直す練習(原因の考え直し)を受けた学生は、学年末に「自分でなんとかできる」という感覚、気持ち、科目の成績と全体の成績が良くなった。内容を自分の言葉で深く考えて学ぶ学生ほど、これらの値が高かった。

対象: 大学生203人 / 限界: 1つの大学の学生での研究。社会人の資格試験で同じ効果が出るか、効果がどれだけ続くかは確かめられていない。

研究を、試験後の作業に当てはめて整理しました。

やること研究でわかっていること
間違えた問題の正解を見る1週間後の成績が大きく上がった[2]
正解した問題の解説を読み込むほとんど差がなかった[2]
なぜ間違えたかを考える正解を聞くだけより伸びやすかった[1][5]
自信のあった間違い直りやすいが、1週間後に戻ることもある[3]
落ちた原因を「やり方」に置く大学生で成績と「なんとかできる」感覚が上がった報告[6]

ここで紹介した研究の多くは、実験室で短い問題を覚えた大学生のものです。社会人が何か月もかけて資格試験の広い範囲を立て直す場合に、同じ大きさの効果が出るとは限りません。

03 今日からできる小さな一歩落ちた試験の答案は、どう見直せばいい?

間違えた問題だけを選び、正しい答えとその理由を書き、自信のあった間違いに印をつけます。1週間後に、間違えた問題だけを解き直します。

1

結果を見た日は、間違えた問題に印をつけるだけにする

落ち込んだ日に全部やろうとしなくてかまいません。問題番号に印をつけて、どれを直すかを決めるだけで十分です。点数の公表だけで問題が手元にない試験は、模試や過去問で同じ分野の問題を選びます。

所要 10分

2

間違えた問題ごとに「正しい答え」と「なぜ間違えたか」を1行ずつ書く

「知らなかった」「覚えたはずが思い出せなかった」「問題文を読み違えた」のどれかを書くと、次に何をすればいいかが見えます。正解した問題の解説は、さっと確かめる程度で十分です。

所要 1問2〜3分

3

「自信があったのに間違えた問題」に別の印をつける

自信のあった間違いは、正解を見ると直りやすい一方、日がたつと同じ間違いに戻りやすいことがわかっています。この印の問題を、解き直しで優先します。

所要 1分

4

1週間後に、印の問題だけを何も見ずに解き直す

答えを隠して、思い出して書きます。間違えたらまた正解を確かめ、さらに日をあけてもう一度。日をあける復習の効果は分散学習の研究で、復習日は復習日の計算機で決められます。

所要 15〜30分

5

次の試験までは、過去問を「仕上げ」でなく「練習」に使う

本番で初めて間違えるより、練習で間違えて直す回数を増やす方が、研究の勧める形に近くなります。過去問の使い方は資格試験は過去問から解くべきかの記事で扱っています。

所要 次の勉強から

04 続けるためのコツ落ちた後、気持ちを立て直すには?

落ちた原因を「頭が悪いから」ではなく「やり方と量」の言葉で書き直します。変えられる原因に置くと、次に何をするかが決まり、学生の研究では成績も上がった報告があります。

  • 「向いていない」と書きたくなったら、「〇〇分野の覚え直しが足りなかった」のように、変えられることで書き直す。
  • 間違えた問題の数は、次に伸ばせる問題の数でもある。直した問題の数を記録すると、前に進んでいることが見える(勉強の記録の研究)。
  • 本番で頭が真っ白になった人は、不安と注意の研究も参考になる(試験不安の記事)。
  • 落ち込みが何週間も続き、眠れない・食べられないなどがあるときは、一人で抱えずに相談する(こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556)。

05よくある質問

試験に落ちたら、もう一度テキストを最初から読み直すべきですか?

最初から読み直すより、間違えた問題から手をつける方が研究に沿っています。読み返しは時間がかかるわりに記憶に残りにくく、間違えた問題に正しい答えを返す学び方は、1週間後の成績を大きく上げた実験があります(Pashlerら 2005、258人)。テキストは、間違えた問題に関係する部分だけ開けば十分です。

間違えた問題は何回解き直せばいいですか?

研究で決まった回数はありません。目安は、1週間後に何も見ずに解き直し、また間違えたら正解を確かめて、さらに日をあけてもう一度です。自信があったのに間違えた問題は、1週間後に同じ間違いに戻りやすいことがわかっているので、優先して解き直します。

正解した問題の解説も全部読むべきですか?

全部を読み込む必要はありません。Pashlerら(2005)の実験では、正解した後に答えを見せても、その場でも1週間後でもほとんど差がありませんでした。勘で当たった問題だけ、解説で理由を確かめると効率的です。

年齢が高いと、間違いから学びにくいのですか?

学べないわけではありません。Eichら(2013)では、自信の高い間違いほど直りやすい現象が、高齢の大人では弱く出ました。自信の有無に関係なく、間違えた問題はすべて同じように解き直す、という形にしておくと安心です。

勉強法の早見表で「間違えた問題を正解と理由で直す」の判定を見る
ほかの勉強法も41種類、研究で「効く・条件しだい・当てにならない」に分けています。

出典

  1. Metcalfe, J. (2017). Learning from errors. Annual Review of Psychology, 68, 465–489. https://doi.org/10.1146/annurev-psych-010416-044022
  2. Pashler, H., Cepeda, N. J., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2005). When does feedback facilitate learning of words? Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 31(1), 3–8. https://doi.org/10.1037/0278-7393.31.1.3
  3. Butler, A. C., Fazio, L. K., & Marsh, E. J. (2011). The hypercorrection effect persists over a week, but high-confidence errors return. Psychonomic Bulletin & Review, 18(6), 1238–1244. https://doi.org/10.3758/s13423-011-0173-y
  4. Eich, T. S., Stern, Y., & Metcalfe, J. (2013). The hypercorrection effect in younger and older adults. Aging, Neuropsychology, and Cognition, 20(5), 511–521. https://doi.org/10.1080/13825585.2012.754399
  5. Metcalfe, J., Xu, J., Vuorre, M., Siegler, R., Wiliam, D., & Bjork, R. A. (2025). Learning from errors versus explicit instruction in preparation for a test that counts. British Journal of Educational Psychology, 95(1), 11–25. https://doi.org/10.1111/bjep.12651
  6. Hall, N. C., Hladkyj, S., Perry, R. P., & Ruthig, J. C. (2004). The role of attributional retraining and elaborative learning in college students' academic development. The Journal of Social Psychology, 144(6), 591–612. https://doi.org/10.3200/SOCP.144.6.591-612