やる気・心

試験が終わって結果待ち。不安で次の勉強が手につかない。どう過ごす?自己採点をくり返さない・没頭できることを選ぶ(結果待ちの研究と限界)

約7分で読めます

赤と白の壁と青い飾り
Photo: Dietmar Rabich / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

試験は終わったのに、気持ちが休まらない。解答速報を何度も見て点数を数え直し、「受かったかも」「やっぱりだめかも」を行き来する。次の勉強を始めようとしても手につかない。結果を待つ時間がつらいのは、気が弱いからではありません。司法試験の結果を待つ人を追った研究から、待つつらさには波があること、そして待ち方の工夫がわかってきました。

3行でわかる

  1. 米カリフォルニア州の司法試験を受けた人を約4か月の結果待ちの間追った研究では、待つつらさは待ち始めと発表の直前に強くなる傾向があった。別の研究では、合格の見込みを何度も変えた人ほど、心配や嫌な気分が大きかった。
  2. 没頭できる活動(フロー)をしていた人ほど、心配や嫌な気分が少なかった。瞑想を練習した人は「最悪の場合」への身構えを発表の直前まで先送りでき、うまく対処できていると感じていた。
  3. 立て直しは「自己採点は1回で終える」「情報を見る時間を決める」「少し難しい勉強に没頭する」「落ちた場合のよかった探しを先に書く」。ただし研究はほぼ1つの研究チームによるもので、勉強の成果までは測っていない。

01 悩みの正体結果待ちがこんなにつらいのはなぜ?

結果がまだ決まらず、自分ではもう何も変えられない状態が続くためです。待つつらさは待ち始めと発表の直前に強くなり、その間はやや落ち着く傾向がありました。

試験の前なら、不安は「もう1問解く」という行動に変えられます。ところが試験が終わると、結果を変えるためにできることはありません。それでも結果は自分にとって大事なので、頭は答えを探し続けます。

司法試験の結果を待つ50人を、試験の直前から結果発表の直後まで6回調べた研究では、待つことがいちばんつらいのは待ち始めと終わりの時期でした[1]。一方で、多くの人は待っている間も希望や楽観を保っていました[1]。もともと楽観的な人は不安や考えこみが少なめで、「あいまいな状態が苦手」な人は多めでした[1]。

つまり、試験直後に何も手につかないのは、多くの人に起こる自然な反応です。そして発表が近づくと、もう一度つらくなる時期が来ると考えておくと、慌てずにすみます。

02 科学的にわかっていること結果待ちの間、どう過ごすと楽になる?

見込みを何度も変えない、没頭できることをする、瞑想を練習する、落ちた場合のよかった探しを先にしておく。この4つで、待つ間の気分が楽になった研究があります。

WilsonとSweeny(2024)[4]

司法試験の結果を待つ248人に、2週間ごとに合格の見込みを答えてもらった。見込みが変わる回数が多い人ほど、待つ間の心配や嫌な気分が大きかった。2020年の米大統領選の結果を待つ444人の研究では、この結果は一部だけ再現され、見込みを一定に保つ方が、くるくる変えるより心配が少ないという因果関係も示された。

対象: 米国の司法試験の受験者と、大統領選の支持者 / 限界: 2つめの研究は試験ではなく選挙の結果待ち。一部しか再現されなかった点もある。

HowellとSweeny(2025)[5]

試験から合格発表までの17週間、司法試験の受験者を追った研究などで、心配の強い人ほど結果に関する情報を多く探していた。心配がいちばん強い時期に、情報を探す回数も増えていた。著者らは、心配が「ときに役に立たない」情報探しを後押ししているようだとまとめている。

対象: 米国の有権者、司法試験の受験者、大学教員の職を探す人の3つの研究 / 限界: 調査の研究で、情報探しが心配を増やすかどうかの因果は調べていない。

Rankinら(2019)[6]

司法試験の結果を待つ125人では、待つ間にフロー(時間を忘れて没頭する状態)を多く経験した人ほど、心配や嫌な気分が少なく、よい気分が多かった。大学教員の職を探す博士課程の学生141人でも、同じ結果が再現された。ただし多くの人は、自分がどんな活動で没頭できるかを正しく言い当てられなかった。

対象: 受験者125人、博士課程の学生141人、大学生309人 / 限界: 大学生309人に難しさが自動で変わるテトリスをさせた実験では、気分はよくなったが、心配は減らなかった。

SweenyとHowell(2017)[7]

司法試験の結果を待つ人で、もともとマインドフルネス(今この瞬間に注意を向ける心の持ち方)の傾向が高い人(150人)や、瞑想を練習するよう指示された人(90人)を調べた。こうした人は、「最悪の場合」への身構えを待ち期間の後半まで先送りでき、自分はうまく対処できていると感じていた。楽観的でない人や、あいまいな状態が苦手な人ほど、瞑想の効果が大きかった。

対象: 米国の司法試験の受験者 / 限界: 効果は本人の感じ方で測っている。瞑想の練習の比較は、別の種類の瞑想をした人とのもの。

RankinとSweeny(2022)[8]

4つの研究で、悪い知らせの「よい面」を知らせが来る前に探しておくこと(先回りのよかった探し)を調べた。待つ間のよい気分が多くなり(研究3と4)、悪い知らせを受けた後のよい気分も保たれた(研究2〜4)。よい知らせだった場合に、喜びが減るといった逆効果は見られなかった(研究1・3・4)。

対象: 司法試験の結果、選挙の結果、架空の健康診断の結果を待つ人 / 限界: 測ったのは気分で、その後の行動や次の試験の成績ではない。

もう1つ、心強い結果もあります。司法試験の結果を待った230人の研究では、人々が使った対処法は、待つ間のつらさを減らすのにほとんど役立たず、逆効果に見える場合もありました[3]。ところが、不安や考えこみ、悲観の強い待ち方をした人ほど、不合格のときには前向きに対処し、合格のときにはより喜んでいました[3]。不安なまま待つことが、そのまま失敗ではないということです。

また、不合格だった受験者では、不安は結果を知る直前の方が知った後より強く、がっかりや後悔などの気持ちは知った後の方が強い結果でした[2]。待つのと悪い結果を聞くのと、どちらがつらいかは一概に言えません。

ここで紹介した研究は、ほとんどが米国の同じ研究チーム(Sweenyら)によるもので、対象の多くは司法試験の受験者です。気分や心配を本人の答えで測っており、待つ間の勉強がはかどるか、次の試験の点数が上がるかは調べていません。日本の資格試験の受験者や、働きながら学ぶ人に同じ結果が当てはまるかは、まだ確かめられていません。

03 今日からできる小さな一歩結果待ちの不安から、どう勉強に戻る?

自己採点は1回で終えて見込みを書き留め、情報を見る時間を決めます。そのうえで、少し難しい勉強に没頭する時間をつくり、落ちた場合のよかった探しを先にしておきます。

1

自己採点は1回で終え、見込みを1行で書き留める

解答速報で採点するなら1回だけにし、「合格の見込みは五分五分」のように1行書いて終わりにします。見込みを何度も変える人ほど心配が大きく、見込みを一定に保つと心配が少なかった研究があります[4]。新しい情報が出ても、書いた見込みはすぐには書き換えません。

所要 自己採点1回+1分

2

解答速報・掲示板・SNSを見る時間を決める

心配が強いときほど、情報を探す回数が増えていました[5]。「見るのは夜の10分だけ」と決め、それ以外の時間はアプリの通知を切ります。見ない時間をつくるのが目的で、まったく見ないと我慢する必要はありません。

所要 1日10分まで

3

「少し難しい」勉強に、25分だけ没頭する

没頭した人ほど心配や嫌な気分が少ない結果でした[6]。読むだけの勉強より、手が止まらない程度に難しい問題演習の方が没頭しやすいとされます(フローの研究)。内容は、合否どちらでも使う分野にします。

所要 25分

4

没頭できることを、勉強以外にも2つ試す

多くの人は、自分が没頭できる活動を正しく言い当てられませんでした[6]。料理、楽器、運動、パズルなど、勉強以外も含めて試し、終わった後に「時間を忘れたか」を5段階でメモします。点の高いものを待つ間の定番にします。

所要 1回30分×2つ

5

1日に1回、短い瞑想をする

瞑想を練習した受験者は、最悪の場合への身構えを後半まで先送りでき、うまく対処できていると感じていました[7]。あいまいな状態が苦手な人ほど効果が大きかった点も、結果待ちに向いています。時間は研究の条件ではなく目安です。やり方は勉強前のマインドフルネス練習表で紹介しています。

目安 1日5〜10分

6

「もし落ちたら」のよかった探しと、次の一手を先に書く

「落ちたら苦手な科目を半年かけて固められる」のように、よい面を1〜2行書きます。先回りのよかった探しは、待つ間と悪い知らせの後の気分を支え、合格だった場合の逆効果も見られませんでした[8]。落ちたときの立て直しは試験に落ちた後の直し方と再受験するかの決め方を、先に読んでおくのも手です。

所要 5分

04 続けるためのコツ発表が近づいて、またつらくなったら?

発表の直前に不安が強まるのは、研究でも見られた自然な波です。その時期は勉強の量を減らし、短く没頭できる作業だけを残します。

  • カレンダーの発表日の前の週に「つらくなる時期」と書いておく。待つつらさは始めと終わりに強まる傾向がありました[1]。予想していれば、「急に弱くなった」と自分を責めずにすみます。
  • 発表の前後は、勉強の目標を「1日25分」など小さくする。崩れても戻しやすい量に決め直す方法は、「毎日2時間」が守れなかったときの立て直しで紹介しています。
  • 夜、結果のことが気になって眠れないときは、試験が気になって眠れないときの立て直し方が使えます。
  • 不安な気持ちを無理に消そうとしない。不安や悲観の強い待ち方をした人も、結果が出た後にはうまく対処していました[3]。
  • 眠れない日が続く、食欲がないなど、つらさが長引くときは一人で抱えずに相談してください(こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556)。

05よくある質問

結果待ちで不安になるのは、自信がないから?

自信の有無だけでは決まりません。司法試験の結果を待つ人を追った研究では、待つつらさは待ち始めと発表の直前に強くなる傾向がありました。もともと楽観的な人は不安が低めでしたが、それでも多くの人が不安を感じていました。待つことそのものがつらい体験だと考えてよいでしょう。

解答速報で自己採点したほうが、気持ちは落ち着く?

1回の自己採点で見通しが立つなら役に立ちます。ただ、心配が強い人ほど情報を探し、心配がいちばん強い時期に探す回数が増えていました。合格の見込みを何度も変える人ほど心配が大きかった研究もあります。自己採点は1回で終え、見込みは書き留めて固定するのがおすすめです。

不安なまま待つのは、時間のむだ?

むだとは言い切れません。司法試験の結果を待った230人の研究では、不安や悲観の強い待ち方をした人ほど、不合格のときは前向きに対処し、合格のときはより喜んでいました。一方で、その人たちが使った対処法は、待つ間のつらさを減らすのにはほとんど役立っていませんでした。

結果待ちの間に、次の勉強を始めてもいい?

始めてかまいません。結果待ちの間に勉強を再開した場合の効果を直接調べた研究は見当たりませんが、没頭できる活動をした人ほど心配や嫌な気分が少ない傾向がありました。合否どちらでも使う内容を、少し難しいと感じるくらいの問題演習で進めるのが一つの方法です。

出典

  1. Sweeny, K., & Andrews, S. E. (2014). Mapping individual differences in the experience of a waiting period. Journal of Personality and Social Psychology, 106(6), 1015-1030. https://doi.org/10.1037/a0036031
  2. Sweeny, K., & Falkenstein, A. (2015). Is waiting the hardest part? Comparing the emotional experiences of awaiting and receiving bad news. Personality and Social Psychology Bulletin, 41(11), 1551-1559. https://doi.org/10.1177/0146167215601407
  3. Sweeny, K., Reynolds, C. A., Falkenstein, A., Andrews, S. E., & Dooley, M. D. (2016). Two definitions of waiting well. Emotion, 16(1), 129-143. https://doi.org/10.1037/emo0000117
  4. Wilson, M., & Sweeny, K. (2024). Volatility in expectations while awaiting important news. Personality and Social Psychology Bulletin, 50(7), 1040-1050. https://doi.org/10.1177/01461672231158883
  5. Howell, J. L., & Sweeny, K. (2025). Information-management behavior during stressful waiting periods. Emotion, 25(7), 1774-1783. https://doi.org/10.1037/emo0001529
  6. Rankin, K., Walsh, L. C., & Sweeny, K. (2019). A better distraction: Exploring the benefits of flow during uncertain waiting periods. Emotion, 19(5), 818-828. https://doi.org/10.1037/emo0000479
  7. Sweeny, K., & Howell, J. L. (2017). Bracing later and coping better: Benefits of mindfulness during a stressful waiting period. Personality and Social Psychology Bulletin, 43(10), 1399-1414. https://doi.org/10.1177/0146167217713490
  8. Rankin, K., & Sweeny, K. (2022). Preparing silver linings for a cloudy day: The consequences of preemptive benefit finding. Personality and Social Psychology Bulletin, 48(8), 1255-1268. https://doi.org/10.1177/01461672211037863