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英語のリスニングが聞き取れず、挫折しそう。どう立て直す?「予想して2回聞き、書き取って確かめる」6つの手順(リスニングの研究)

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木の上に置かれたヘッドホン
Photo: Corey Blaz / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

英語の音声を毎日聞いているのに、いつまでたっても聞き取れない。何を言っているのかわからないまま流れていき、「自分には向いていない」とやめたくなる。リスニングは、独学で挫折しやすい場面のひとつです。結論から言うと、聞き取りの成績を強く予測したのは、耳で聞いてわかる単語の量でした。そして、ただ聞くより「予想する・2回聞く・書き取ってスクリプトで確かめる・ふり返る」を回す練習で、聞き取りが伸びた研究があります。この記事では、聞き取れずに止まった後の立て直し方を6つの手順にまとめました。

3行でわかる

  1. 日本の高校生209人の研究では、リスニングの成績を予測したのは耳で聞いてわかる単語の量だけで、頭の働き(記憶を更新する力・注意を切りかえる力)は予測していなかった。
  2. 中国の大学生89人が14週間、字幕なしの3〜5分の動画で「予想→2回聞く→書き取り→ふり返り」を一人で回した群は、ふつうの聞く練習の群よりリスニングの点が伸びた。ただし同じ型の指導で差が出なかった研究もある。
  3. 立て直しは、①つまずきの種類を分ける ②素材を短く易しくする ③聞く前に予想する ④2回聞いてメモを足す ⑤書き取ってスクリプトで確かめる ⑥3行でふり返る、の6つ。

01 悩みの正体英語のリスニングで挫折するのは、なぜ?

多くの場合、耳や集中力の問題というより、聞いてすぐわかる単語が足りないことと、自分に合わない長さ・速さの素材で「聞き流す」だけになっていることが原因です。

リスニングでは、音はどんどん流れていき、読むときのように戻って確かめられません。知らない単語が続くと、そこで理解が止まり、次の文も聞き逃します。わからない時間が長いほど「やっても意味がない」と感じやすくなります。

もうひとつの原因は、知っている単語なのに音が崩れて聞こえることです。会話では音が短くなったり、つながったりします。この仕組みは知っている単語なのに聞き取れない理由の記事で詳しく紹介しています。この記事では、止まってしまった後に何をするかに絞ります。

02 科学的にわかっていること聞き取れるようになるには、何が効く?

聞き取りを強く予測したのは、耳で聞いてわかる単語の量でした。練習の方法では、予想・確認・書き取り・ふり返りを組み合わせた練習で伸びた研究がありますが、差が出なかった研究もあります。

Wallace・Lee(2020)[1]

東京の私立高校の生徒209人に、英語のリスニングテスト、耳で聞く単語のテスト、頭の働き(記憶を更新する力・注意を切りかえる力)のテストを受けてもらった。リスニングの成績を予測したのは、耳で聞いてわかる単語の量だけだった。頭の働きは、短い問題でも長い問題でも、成績を予測しなかった。

対象: 15〜16歳の高校1・2年生 / 限界: 一時点の相関の研究で、単語を増やせば聞き取りが伸びることを直接確かめた実験ではない。文法の知識などは測っていない。参加者は基本の2000語の約81%しか知らず、著者らが引用した基準(十分に聞き取るには単語の90〜95%を知っている必要がある)を下回っていた。

Peiら(2023)[2]

中国の大学1年生89人(英語は中級)を2クラスに分け、一方は14週間、週2回、オンラインで一人で「聞く前に予想する→1回目で予想を確かめる→2回目で抜けを足して問題に答える→3回目に1文ずつ書き取ってスクリプトで確かめる→ふり返る」練習をした。もう一方はふつうの聞く練習をした。リスニングの点は、この練習の群で平均13.13点から15.27点に上がり、ふつうの群は14.11点から13.67点だった。差は統計的に意味があり、効果は中くらいだった(η²=0.09)。

対象: 中国の大学生89人、素材は字幕なしの3〜5分のニュースや講義動画(1分あたり約140語) / 限界: クラス単位で分けており、一人ずつくじ引きで分けた実験ではない。練習は授業の成績に関わる課題だった。聞き取りへの自信は、2つの群で差がなかった。

Vandergrift・Tafaghodtari(2010)、Wang(2016)[3][2]

同じ「予想→確認→ふり返り」の型の指導を試した先行研究では、指導を受けた群がふつうの指導の群より聞き取りで上回り、もともと聞き取りが苦手だった人でも、指導を受けた群が上回ったと報告されている[3]。一方、中国の大学生を対象にした別の研究では、ふつうの指導より優れているという結果は出なかった[2]。

対象: [3]は第二言語を学ぶ学習者、[2]で紹介されたWangの研究は中国の大学生 / 限界: どちらの研究も、Peiら[2]の論文の紹介で内容を確認した(原文は読めていない)。Peiらは、この型の指導の効果について、これまでの結果は一致していないと述べている。

Biら(2022)[4]

音がつながったり崩れたりする「会話の音」の聞き取りと発音を調べた128本の論文を整理した体系的レビュー。聞き取りやすさには、話す速さ、意味、単語のよく使われる度合い、音を聞き分ける力が関係していた。音に絞った練習や聞く練習で、外国語の学習者の聞き取りと発音がよくなったという介入研究が紹介されていた。

対象: 母語話者・学習者などを対象にした128本 / 限界: 効果の大きさをまとめた分析ではない。長く追いかけた研究はほとんど無いと著者らは述べている。

紹介した研究は、主に学校や大学の授業の中で行われたものです。仕事をしながら一人で英語を学ぶ社会人で同じ効果があるかは、確かめられていません。

03 今日からできる小さな一歩聞き取れなくて止まったら、何から立て直す?

原因を「単語を知らない」か「知っているのに聞き取れない」かに分け、素材を3〜5分に短くします。予想してから2回聞き、3回目に書き取ってスクリプトで確かめ、3行でふり返ります。1回25分ほどです。

1

つまずきの種類を分ける

いつもの音声のスクリプトを1分ぶん読み、知らない単語に印をつけます。読んでも意味がわからない文が多いなら「単語不足」、読めばわかるのに聞くとわからないなら「音の問題」です。単語の量は聞き取りの成績をいちばんよく予測していました[1]。

所要 5分

2

素材を「3〜5分・読めばほぼわかる」に下げる

単語不足なら、読んで知らない単語がほとんど無い素材に替えます。研究で使われたのは、字幕なしの3〜5分の動画でした[2]。長い音声を聞き流すのをやめ、短い1本をくり返し使います。

所要 5分(素材選び)

3

聞く前に、内容と出てきそうな単語を予想する

タイトルを見て「何の話か」「出てきそうな単語」を3つずつメモします。研究の練習は、この予想から始まっていました[2]。

所要 2分

4

2回聞いて、わかったことをメモに足す

1回目は予想が合っていたかを確かめ、わかったことを書きます。2回目は1回目で抜けたところを足し、最後に内容を2〜3文で要約します。字幕は消したままにします。

所要 10分

5

3回目は1文ずつ書き取り、スクリプトで確かめる

聞き取れなかった部分の1〜3文を、止めながら書き取ります。スクリプトと見比べ、書けなかった所が「知らない単語」か「知っているのに音が崩れていた所」かを分けて印をつけます。知らない単語は単語帳に足します。

所要 5分

6

3行でふり返り、次の作戦を決める

「難しかったこと」「うまくいった工夫」「次に試すこと」を1行ずつ書きます。研究の練習では、毎回のふり返りに加えて、2週間に1回、聞き取りの変化をまとめていました[2]。

所要 3分

04 続けるためのコツ聞き取れない時期を、やめずに続けるには?

週2回・1回25分ほどを目安に、数か月単位で見ます。点数や手応えは急には変わりません。研究でも、伸びを見たのは14週間後でした。

  • 研究の練習は週2回、14週間でした[2]。1回で聞き取れるようになることを目標にせず、「書き取れた文の数」を記録して比べる。
  • 聞き取りへの自信は、点が伸びた群でも変わらなかった[2]。手応えが無くても、記録で伸びを確かめる。
  • 手順5で見つけた「知らない単語」は、英単語の覚え方の記事の方法で、思い出す練習にする。単語が増えると、聞き取れる部分も増えやすい。
  • 「音の問題」が多い人は、くだけた発音の記事やLとRの聞き分け練習表も役に立つ。動画で練習するなら字幕の使い分けの記事を参考に。

05よくある質問

リスニングが聞き取れないのは、耳が悪いから?

多くの場合、そうではありません。日本の高校生209人の研究では、聞き取りの成績を予測したのは耳で聞いてわかる単語の量で、頭の働き(記憶を更新する力・切りかえる力)は予測していませんでした。単語を知らない、または知っている単語の音を覚えていないことが、つまずきの大きな原因と考えられます。

同じ音声を何回も聞くと、ずるい気がする。初見で聞くべき?

練習では何回聞いても構いません。研究で聞き取りが伸びた練習は、予想してから2回聞き、3回目に書き取ってスクリプトで確かめる、という同じ音声のくり返しでした。初見の力は、模試などで別に確かめれば十分です。

スクリプトや字幕を見たら、練習にならない?

見るタイミングしだいです。研究の練習では、字幕なしで2回聞いたあと、書き取りの答え合わせとしてスクリプトを確かめていました。最初から文字を見ながら聞くのではなく、自分で聞き取ろうとした後に答え合わせとして使うのがおすすめです。

聞き流しを続けていれば、そのうち聞き取れるようになる?

この記事で紹介した研究は、聞き流しだけの効果を調べたものではありません。研究で伸びたのは、予想・確認・書き取り・ふり返りを組み合わせた、手を動かす練習でした。通勤中などに耳で学ぶ工夫は耳で学ぶやり方の記事で紹介しています。

出典

  1. Wallace, M. P., & Lee, K. (2020). Examining second language listening, vocabulary, and executive functioning. Frontiers in Psychology, 11, 1122. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.01122
  2. Pei, T., Suwanthep, J., & Lu, H. (2023). The effect of self-directed online metacognitive listening practice on Chinese EFL learners' listening ability, metacognition, and self-efficacy. Frontiers in Psychology, 14, 1285059. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.1285059
  3. Vandergrift, L., & Tafaghodtari, M. H. (2010). Teaching L2 learners how to listen does make a difference: An empirical study. Language Learning, 60(2), 470–497.(Peiら[2]の紹介で内容を確認) https://doi.org/10.1111/j.1467-9922.2009.00559.x
  4. Bi, H., Zare, S., Kania, U., & Yan, R. (2022). A systematic review of studies on connected speech processing: Trends, key findings, and implications. Frontiers in Psychology, 13, 1056827. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.1056827