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試験の見直しで答えを変えていい?「最初の直感を信じろ」の研究と、点につながる見直しのやり方

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ナイフで削った色鉛筆
Photo: PoetVeches / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

マークシートの試験で、見直しのときに答えを変えようか迷う。「最初の直感が正しいから、変えない方がいい」と聞いたことがある人も多いでしょう。研究の答えは「根拠があって変えた答えは、誤りから正解になる方が多い。変えたら損をするという感覚は、記憶のかたよりから来ている」です。この記事では、点につながる見直しのやり方を手順にします。

3行でわかる

  1. 医学生79人の試験では、変えた答えの48.2%が誤りから正解、21.6%が正解から誤りだった。答えを変えた学生は平均1.4点(2.5%)上がった。
  2. 「変えると損」と感じるのは、変えて間違えたときの後悔の方が記憶に残りやすいため、と説明されている。米国の医師国家試験2万7,830人のデータでも、変えた結果は得の方が多かった。
  3. ただし2回目以降の変更では点は上がらなかった。迷った問題に印をつけ、見直しで根拠が見つかったら1回だけ変えるのが研究に沿ったやり方。

01 悩みの正体「最初の答えが正しい」は本当?

研究では支持されていません。答えを変えると、誤りから正解になる方が多いことがくり返し確かめられています。「変えると損」という感覚の方に、かたよりがあります。

Krugerら(2005)は、多くの人が「選択式の試験では最初の答えを変えない方がいい」と信じている一方で、この分野のほぼすべての研究が逆の結果を示していると述べています[1]。

なぜ信じられ続けるのか。著者らの説明はこうです。正しかった答えを変えて間違えると「変えなければよかった」と強く悔やみます。変えずに間違えたときより、この後悔の方が記憶に残ります。そのため「変えて損をした」場面ばかり思い出され、直感を信じるべきだという思い込みが強まる、というものです[1]。

つまり、「変えて失敗した」という自分の経験は、本当の損得を正しく映していない可能性があります。

02 科学的にわかっていること見直しで答えを変えると点は上がる?

平均すると少し上がります。ただし上がる幅は数点で、2回目以降の変更や、成績が下位の人の変更では得が小さくなります。

Bauerら(2007)[2]

ドイツの医学生79人の期末試験(選択式78問)の答案を調べた。1回だけ変えた答えは全体の5.2%(323問)。79人中72人が少なくとも1問変えていた。変えた答えは平均で48.2%が誤りから正解、21.6%が正解から誤り、30.2%が誤りから別の誤りだった。変えた学生は平均1.4点(2.5%)上がった。一方、同じ問題を2回以上変えた場合は、誤りから正解が18.4%にとどまり、点はほとんど上がらなかった。

対象: ドイツ・ミュンヘン大学の医学部3年生79人 / 限界: 1つの試験だけ。学生には変更を書き残すよう指示したが、書き漏らしがあれば変更の数は少なめに出ている可能性がある。

Ouyangら(2019)[3]

米国の医師国家試験(USMLE Step 2 CK、コンピューターで受ける試験)を受けた27,830人を調べた。68%が少なくとも1問の答えを変えたが、1人あたり平均1.4問(3.2%)と少なかった。誤りから正解は平均0.59問、正解から誤りは0.40問。答えを変えた人のうち44.7%は点が上がり、27.8%は下がった。著者らは「能力の高低にかかわらず、答えを変えることは全体として得になる」とまとめた。

対象: 米国の医師国家試験の受験者27,830人(1ブロック分を分析) / 限界: 成績が下位の人は見直す問題が少なく、誤りから別の誤りへ変える割合が高かった。

Merryら(2021)[4]

米国の生理学・生物学の試験2回分の答案を調べた。誤りから正解への変更は1人あたり平均2.8回、正解から誤りへは1.0回で、平均すると変えた方が得だった。ただし、1回目の試験で変えて得をしたかどうかは、2回目の試験で得をするかどうかを予測しなかった。教員への調査では36%が「答えを変えると点が下がる」と考えていた。

対象: 米国の大学の授業の学生と教員 / 限界: 要旨に基づく。人数は要旨に書かれていない。

Hardyら(2026)[5]

米国の大学生105人が地学の文章を読んで選択式テストを受け、あとで同じ問題を見直した。変えた答えのうち50.0%が誤りから正解、17.4%が正解から誤り、32.6%が誤りから別の誤りだった。自信が高い答えほど変えられにくかった。答えの理由を書かせても、成績や見直しの結果は良くならなかった。

対象: 米国の大学生105人(実験1) / 限界: 実験室のテストで、本番の試験ではない。得点の上がり幅は平均1.79%と小さい。

米国の足病医学部(足の病気を治す医師を育てる学部)の1年生86人を調べた研究では、成績が上位の学生ほど答えを変える回数が少なく、変えたときに正解になることが多かった。下位の学生は、誤りから別の誤りへ変えることが多かった[6]。わからない問題を勘で変えても、点にはつながりにくいということです。

これらは選択式の試験の研究で、医学生や大学生が中心です。資格試験の記述式や、時間がとても足りない試験に同じことが当てはまるかは、わかっていません。

03 今日からできる小さな一歩点につながる見直しはどうやる?

解くときに迷った問題に印をつけ、最後に印の問題だけ見直します。変えるのは根拠が見つかったときだけ、それも1回までにします。

1

解きながら、迷った問題に「?」をつける

問題用紙の番号の横に、自信がない問題は「?」、2択まで絞れた問題は「△」をつけます。Hardyらが紹介した先行研究では、自信が低い答えほど見直しで変えられ、その変更はおおむね得になっていました[5]。

所要 1問1秒

2

見直しの時間を先に確保する

試験時間の最後の1割ほどを見直しに残す計画で解きます。医師国家試験の研究では、成績が下位の人ほど見直した問題が少なく、著者らは時間が足りなかった可能性を挙げています[3]。

所要 試験時間の1割

3

見直すのは印をつけた問題から

全部を最初から解き直すより、「?」「△」の問題を先に見ます。問題文を読み直し、読み落とした条件や、後の問題で思い出した知識がないかを確かめます。

所要 1問30秒〜1分

4

根拠が見つかったら、1回だけ変える

「この条件を読み落としていた」など理由を言えるなら変えます。医学生の研究では、1回目の変更は得になりましたが、2回目以降の変更ではほとんど点が上がりませんでした[2]。一度変えた答えは、もう戻さないと決めておきます。

所要 —

5

自信のある答えと、勘の問題はそのままにする

印のない問題は、根拠なく変えません。まったくわからない問題を勘で変えても、誤りから別の誤りになりやすいことがわかっています[6]。勘の問題は、空欄にせず最初の選択のまま残します。

所要 —

04 続けるためのコツ模試で見直しの練習はどうする?

模試や過去問を解くときから、印をつけて見直す流れを練習します。変えた答えの結果を記録すると、自分の見直しのくせが見えてきます。

見直しで迷ったときどうするか
読み落とし・計算ミスに気づいた変える
後の問題で知識を思い出した変える
なんとなく別の選択肢が気になる理由を言えなければ、そのまま
一度変えた答えを、また戻したくなった戻さない(2回目以降の変更は得になりにくい)
  • 模試の答え合わせで、変えた問題に「誤→正」「正→誤」「誤→誤」を書き込む。数回分たまったら、どんな理由で変えたときに得をしたかを見る。
  • 1回の結果で「自分は変えると損をするタイプ」と決めない。1回目の試験で得をしたかどうかは、次の試験を予測しなかった[4]。
  • 見直しで間違いに気づいた問題は、試験の後で解き直す。直し方は試験に落ちた後の、間違いの直し方の記事にまとめています。
  • 過去問を解く練習そのものの効果は資格試験の過去問の記事で扱っています。

05よくある質問

試験の見直しで、答えは変えない方がいいですか?

研究では「変えない方がいい」とは言えません。答えを変えると、正解から誤りより、誤りから正解になる方が多いことがくり返し確かめられています。ただし、理由がないまま変えたり、何度も変えたりすると得になりにくいため、根拠が見つかったときに1回だけ変えます。

答えを変えて間違えた経験が多い気がします。

その感覚は、変えて間違えたときの後悔が強く記憶に残るために生まれる、と説明されています。変えずに間違えた問題は思い出しにくいのです。模試で、変えた問題が「誤→正」と「正→誤」のどちらだったかを記録すると、実際の損得がわかります。

最初の直感で選んだ答えは当たりやすいですか?

自信がある答えは、そもそも見直しで変えられにくく、そのままでよいことが多いと考えられます。迷った答えについては、見直しで変えた方が平均して得でした。直感かどうかではなく、自信の度合いと根拠の有無で判断します。

全問を見直す時間がないときは?

迷った問題に印をつけておき、印の問題から見直します。全問を最初から解き直すより、迷った問題に時間を使う方が、点につながる変更を見つけやすくなります。

出典

  1. Kruger, J., Wirtz, D., & Miller, D. T. (2005). Counterfactual thinking and the first instinct fallacy. Journal of Personality and Social Psychology, 88(5), 725–735. https://doi.org/10.1037/0022-3514.88.5.725(要旨に基づく)
  2. Bauer, D., Kopp, V., & Fischer, M. R. (2007). Answer changing in multiple choice assessment: change that answer when in doubt – and spread the word! BMC Medical Education, 7, 28. https://doi.org/10.1186/1472-6920-7-28
  3. Ouyang, W., Harik, P., Clauser, B. E., & Paniagua, M. A. (2019). Investigation of answer changes on the USMLE Step 2 Clinical Knowledge examination. BMC Medical Education, 19, 389. https://doi.org/10.1186/s12909-019-1816-3
  4. Merry, J. W., Elenchin, M. K., & Surma, R. N. (2021). Should students change their answers on multiple choice questions? Advances in Physiology Education, 45(1), 182–190. https://doi.org/10.1152/advan.00090.2020(要旨に基づく)
  5. Hardy, M. B., Kostal, S. L., Nayak, A., & Rivers, M. L. (2026). Beyond the bubble: Answer justification, metacognitive monitoring, and revision in multiple-choice testing. Behavioral Sciences, 16(8), 1328. https://doi.org/10.3390/bs16081328
  6. Yonemoto, G., Kashani, M., Benoit, E. B., Weiss, J. J., & Barbosa, P. (2023). Changing answers in multiple-choice exam questions: Patterns of top-tier versus bottom-tier students in podiatric medical school. Journal of Medical Education and Curricular Development, 10. https://doi.org/10.1177/23821205231179312