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記述式・用語説明の問題、自己採点が甘くなっていない?模範解答を「要素」に分けて採点する6つの手順(自己採点と思い出す練習の研究)

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Photo: Stefan-Xp / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

記述式の問題や「〇〇とは何か」を説明する問題を解いて、模範解答と見比べる。「だいたい合っている」と丸をつけたのに、本番では点にならなかった。資格試験の独学では、答え合わせを自分でするしかありません。結論から言うと、自分の答えを採点するとき、人は間違った答えにも部分点や満点をつけやすいことがわかっています。そして、模範解答を「要素(ポイント)」に分け、1つずつ書けたかを確かめると、この甘さが減りました。この記事では、記述式の自己採点を正確にし、思い出す練習につなげる6つの手順を紹介します。

3行でわかる

  1. 中学生が用語の定義を思い出して自己採点した実験では、まったく間違った答えにも73%で満点か部分点をつけた。正しい定義を横に置くと44%に減り、定義を要素に分けて1つずつ確かめると、さらに減った。
  2. 大学生でも同じ甘さがあり、要素ごとの判定で減った。要素を自分で書き出してから採点しても減った。
  3. 手順は、①白紙に書く ②模範解答を3〜5個の要素に分ける ③要素ごとに○×をつける ④誤りには点をあげない ⑤×の要素を数日後にもう一度答える ⑥自分の採点と実際のずれを記録する、の6つ。

01 悩みの正体記述式の自己採点は、なぜ甘くなる?

自分の答えは、書いた本人には「言いたいこと」がわかっているので、足りない所や間違った所が見えにくくなります。全体の印象で採点すると、とくに間違った答えに点をつけやすくなります。

選択式の問題なら、答え合わせは正解か不正解かで終わります。記述式や用語の説明問題は、どこまで書けていれば正解か、自分で決めなければなりません。

このとき、自分の答えを模範解答と「なんとなく」見比べると、似た言葉が入っているだけで合っている気がします。研究では、まったく間違った内容を書いた答え(研究では「誤答」と呼ぶ)にまで、高い点をつけてしまうことが確かめられています[1][2]。甘い採点は、復習すべき問題を「もうできた」と判断して外してしまう原因になります。

02 科学的にわかっていること自己採点を正確にするには、どうすればいい?

正しい答えを見ながら採点し、さらに答えを要素に分けて1つずつ確かめると、間違った答えへの甘い採点が減りました。思い出す練習は、ある程度思い出せる問題で効果が出ていました。

Lipkoら(2009)[1]

中学生が授業で学ぶ用語の定義を覚え、思い出して書き、自分で「完全に正しい・部分的に正しい・間違い」と採点した。基準を何も見ずに採点すると、まったく間違った答えの73%に満点か部分点をつけた。正しい定義を見ながら採点すると44%に減った。2つ目の実験では、定義を要素に分けて示し、要素ごとに書けたかを判定させると、甘さはさらに減った。

対象: 中学生 / 限界: 要旨で確認。用語の定義を思い出す課題で、長い論述の答案で同じ結果になるかは確かめていない。

Dunloskyら(2011)[2]

大学生が用語の定義を学び、用語だけを見て定義を思い出して書き、その出来を採点した。大学生も、間違った答えに部分点や満点をつけやすかった。正しい定義の要素ごとに書けたかを判定すると、間違った答えへの甘さが減った。他人の答えを採点するときも甘く、要素を自分で書き出してから採点しても甘さが減った。

対象: 大学生(2つの実験) / 限界: 要旨で確認。要旨には、採点が正確になった結果、その後のテストの成績が上がったかの記載はない。

Greving・Richter(2018)[3]

ドイツの大学の心理学の講義で、7回の授業の最後の10分を使い、短く書いて答える問題・選択式の問題・要点の文を読むだけ、の3通りで復習した。1週間後・12週間後・23週間後の予告なしのテストで、短く書いて答える復習は、読むだけより成績がよかった。ただし効果が出たのは、復習のときに比較的よく答えられた問題(正答率46〜81%)だけだった。選択式の復習では効果が見られなかった。

対象: 大学1年生(分析は92人) / 限界: 復習のときに正しい答えは示さなかった。1つの講義の中の研究で、資格試験の独学にそのまま当てはまるかはわからない。

Andrade(2019)[4]

2013〜2018年を中心とした自己評価(自分で自分の出来を評価すること)の研究76本を整理したレビュー。基準を使って自分の出来を確かめ、直すために使う自己評価は、学びとプラスの関係があった。紹介されたメタ分析では、自己採点をした小中高生はその後のテストの成績がよく(効果量g=0.34)、44の効果量のうち12は逆向きだった。一方、自己採点が成績に入る条件では、点を高くつけすぎる傾向が強まった研究もあった。

対象: 子どもから大学生までの研究 / 限界: 著者は、実験室の研究の多くが単語の組を覚えるような課題で、実際の学習にそのまま当てはまるかは慎重に見るべきだと指摘している。

紹介した研究は、学校や大学の授業・実験室で行われたものです。社会人が資格試験の記述問題で同じ効果を得られるかは、確かめられていません。

03 今日からできる小さな一歩記述式の問題は、どう解いてどう採点する?

白紙に答えを書いてから、模範解答を3〜5個の要素に分け、要素ごとに○×をつけます。間違った内容には点をあげず、×の要素だけを数日後にもう一度答えます。1問5〜10分が目安です。

1

模範解答を見ずに、白紙に書く

問題文だけを見て、思い出せることを書きます。書いて答える復習は読むだけの復習より後のテストの成績がよく、選択式の復習では効果が見られなかった研究があります[3]。

所要 3〜5分

2

模範解答を3〜5個の「要素」に分ける

模範解答に線を引き、「定義の中心」「条件」「例」「数字」など、点になりそうなまとまりに番号をふります。要素を自分で書き出してから採点しても、甘さは減りました[2]。

所要 2分

3

要素ごとに○×をつけ、全体の印象で採点しない

自分の答えに、要素1が書けているか、要素2はどうか、と1つずつ○×をつけます。点数は○の数で決めます。要素ごとの判定で、甘い採点が減っていました[1][2]。

所要 2分

4

間違ったことを書いた所には、点をあげない

似た言葉が入っていても、内容が違えば×にします。人はまったく間違った答えにも満点や部分点をつけやすいことがわかっています[1]。間違えた部分には赤で正しい内容を書き足します。

所要 1分

5

×の要素だけ、数日後にもう一度答える

×がついた要素を問題の形にして、2〜3日後に白紙で答えます。思い出す復習の効果は、ある程度答えられる問題で出ていました[3]。まったく書けなかった問題は、模範解答を読み直してから次の日に試します。

所要 5分

6

「自分の採点」と「要素での採点」のずれを記録する

最初に印象でつけた点と、要素で数えた点を並べて書きます。ずれが大きい分野ほど、自分の「できた」を当てにしない方がよい分野です。自己採点を目標の点に結びつけると甘くなりやすいので、点を上げることより、ずれを見つけることを目的にします[4]。

所要 1分

04 続けるためのコツ要素で採点する習慣を、続けるには?

毎回すべての問題でやらなくても構いません。記述式の配点が大きい分野や、自信があるのに本番で落とす分野から始めます。要素の数を3〜5個に絞ると、採点の手間が増えすぎません。

05よくある質問

記述式の答え合わせで「だいたい合っている」は丸にしていい?

おすすめしません。研究では、まったく間違った答えにも満点や部分点をつけやすいことがわかっています。模範解答を3〜5個の要素に分け、要素ごとに書けたかを○×で判定すると、この甘さが減りました。点は○の数で決めます。

模範解答が短くて、要素に分けにくいときは?

「何について」「どうなる」「どんな条件で」のように、文の中の意味のまとまりで分けます。大学生の実験では、要素を自分で書き出してから採点しても、甘い採点が減っていました。完璧な分け方でなくても構いません。

記述式より、選択式の問題を数多く解く方が効率的では?

ドイツの大学の講義での研究では、短く書いて答える復習は読むだけの復習より成績がよかった一方、選択式の復習では効果が見られませんでした。ただしこの研究では復習のときに正しい答えを示しておらず、条件が変われば結果も変わる可能性があります。本番の形式に合わせつつ、書いて答える練習も入れるのがおすすめです。

出典

  1. Lipko, A. R., Dunlosky, J., Hartwig, M. K., Rawson, K. A., Swan, K., & Cook, D. (2009). Using standards to improve middle school students' accuracy at evaluating the quality of their recall. Journal of Experimental Psychology: Applied, 15(4), 307–318. https://doi.org/10.1037/a0017599
  2. Dunlosky, J., Hartwig, M. K., Rawson, K. A., & Lipko, A. R. (2011). Improving college students' evaluation of text learning using idea-unit standards. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 64(3), 467–484. https://doi.org/10.1080/17470218.2010.502239
  3. Greving, S., & Richter, T. (2018). Examining the testing effect in university teaching: Retrievability and question format matter. Frontiers in Psychology, 9, 2412. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.02412
  4. Andrade, H. L. (2019). A critical review of research on student self-assessment. Frontiers in Education, 4, 87. https://doi.org/10.3389/feduc.2019.00087