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問題集・過去問の「周回表」(○△×)。1回正解した問題を外さない使い方(テストから外すと忘れた実験と、覚え直しの研究から)

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机の上の鉛筆削り
Photo: Punker1999 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

問題集や過去問を何周もするとき、1回正解した問題を次から飛ばしていませんか。研究では、正解した後もテストを続けたほうが、ずっと長く覚えていました。この記事では、○△×をつけて「いつ外すか」を決める周回表を紹介します。

3行でわかる

  1. 単語の実験では、一度正解した後もテストを続けると1週間後に約80%を思い出せ、テストから外すと33〜36%だった。
  2. 自分で外すタイミングを決めると、多くの人は1回思い出せた時点で外し、早すぎる。
  3. 周回表では○△×を記録し、「別の日に○が3回」で卒業にする。○の問題も卒業までは毎周1回解く。

01 悩みの正体問題集は、正解した問題から外していい?

1回正解しただけで外すと、あとで忘れやすくなります。単語を覚える実験では、正解した後にテストから外すと、1週間後に思い出せた割合が大きく下がりました。

問題集を何周もするとき、多くの人は「○の問題は次から飛ばす」と決めます。時間が限られているので、自然な判断です。

ただ、「1回正解できた」と「試験の日まで覚えている」は別のことです。正解した直後は、覚えたように感じやすいからです。この記事では、外すタイミングを決める「周回表」を紹介します。

02 科学的にわかっていること正解した問題をくり返し解く意味はある?

あります。正解した後もテストを続けると、1週間後の記憶が大きく残りました。一方、自分で外すと早く外しすぎやすく、覚え直しを日をあけてくり返すと長く残りました。

Karpicke・Roediger(2008)[1][2]

スワヒリ語と英語の単語40組を、「覚える→テスト」をくり返して学んだ。一度正しく答えた単語をその後のテストから外すと、1週間後に思い出せたのは33〜36%。テストを続けた条件では約80%だった。正解した後に読み直しを続けても、テストから外していれば成績はほとんど変わらなかった。学生の成績の予想は、実際の成績と関係がなかった。

対象: 大学生 / 限界: 単語の組み合わせを覚える実験で、計算や文章を読む問題ではない。

Soderstromら(2016)[3]

上の実験を再現し、同じ結果を確かめた。ただし、条件ごとの「間のあき方」をそろえた2つ目の実験では、テストのくり返しも読み直しのくり返しも、どちらも記憶を伸ばした。

対象: 2つの実験 / 限界: 読み直しが「まったく無意味」とは言えない。大事なのは、正解した後もくり返すこと自体。

Karpicke(2009)[4]

外国語の単語を学ぶ4つの実験で、学生に「テストする・読む・外す」を自分で選ばせた。すると多くの学生が、一度思い出せた単語を外し、その結果、あとの記憶が悪くなった。著者は「一度思い出せると、もう覚えたと思い込む」思い違いがあるとまとめている。

対象: 4つの実験の学生 / 限界: 単語の暗記での結果。

Kornell・Bjork(2008)[5]

暗記カードを使った4つの実験で、「わかったカードを外してよい」とした条件は、外さない条件より学習の成績が少しずつ、しかし一貫して悪かった。

限界: 差は小さい。外すこと自体より、「わかった」の判断が甘いことが問題とされている。

Rawson・Dunlosky(2011)[6]

大学生533人が、用語の定義のような短い答えの問題を「思い出す→答えを見る」で練習した。最初の日に1〜4回正解するまで練習し、その後1〜5回、日をあけて1回正解するまで覚え直した。1〜4か月後の記憶は、覚え直しの回数で大きく伸び、そのための追加の練習はわずかだった。著者らのおすすめは「最初に3回正解するまで、その後3回、間を広くあけて覚え直す」。

対象: 大学生533人(3つの実験) / 限界: 定義を書く短い問題で、計算や長い文章題ではない。

これらは大学生が単語や定義を覚える実験です。資格試験の問題集を社会人が何周もする研究は見つかりませんでした。新しい解き方を学ぶ計算問題では、くり返し解く効果が出にくいという報告もあります(複雑な問題と思い出す練習の記事)。下の表の「3回」は、研究をもとにした目安です。

03 使える表周回表には、何をどう書けばいい?

問題番号ごとに、周ごとの○△×を横に並べて書きます。○が「別の日に3回」続いたら卒業です。○の問題も、卒業までは次の周で解きます。

表1 周回表(問題集1冊分をノートやコピー用紙に作る)。1行が1問です。

問題1周目2周目(1〜3日後)3周目(約1週間後)4周目(2〜4週間後)卒業
例: 問12×→その日に○△○○―(あと1回)
例: 問13○○○―卒業(日を変えて○が3回)
例: 問14△×→その日に○○○―(あと1回)
(記入用)

表2 記号のつけ方と、その周でやること。△は「正解」でも別に分けます。迷って当たった問題は、次は外れるかもしれないからです。

記号つける条件その周でやること次の周
○見ないで正解し、なぜその答えになるかを一言で言えた解き直さない必ずもう一度解く(1回正解すれば終わり)
△正解したが、迷った・勘だった・時間がかかった解説を読み、すぐもう一度解く必ず解く
×間違えた・手が止まった解説を読み、答えを隠して解き直す。その日のうちに1回正解するまで必ず解く
卒業別々の日の周で○が3回続いたこの問題は周回から外す試験前の総まとめで1回だけ解く

表3 何周目に、いつ、何を解くか。間の日数は目安です。試験までの日数が少ないときは、全体を縮めます。

周時期の目安解く問題研究との対応
1周目その日全部その日のうちに、間違えた問題も1回は正解しておく
2周目1〜3日後卒業していない全部(○も含む)一度正解した問題もテストし続ける
3周目約1週間後卒業していない全部間をあけて覚え直す(再学習)
4周目以降2〜4週間後卒業していない全部覚え直しを3回ほどくり返す

復習の日をカレンダーで決めたいときは、復習のタイミング計算も使えます。1問ごとの答え合わせのしかたは、答え合わせのタイミングの記事にまとめています。

04 今日からできる小さな一歩周回表は、どう始める?

まず1章分だけ表を作り、今日の1周目で○△×をつけます。○の基準を「理由まで言えたか」にするのが大事です。

1

1章分の問題番号を縦に書く

問題集の1章(20〜30問ほど)だけでかまいません。横に「1周目」から「卒業」までの列を作ります。

所要 10分

2

1周目を解き、○△×をつける

答えを見る前に、自分の答えと理由を決めます。迷ったら△です。

所要 1章分

3

×の問題は、その日のうちにもう一度解く

解説を読んだら、解説を閉じて解き直します。1回正解するまででかまいません。

所要 10〜20分

4

2周目の日を決めて、表の上に書く

1〜3日後に、卒業していない問題を全部解きます。○の問題も入れます。

所要 1分

05 続けるためのコツ周回が重くなりすぎたら、どうする?

○の問題は「1回正解すれば終わり」なので、×や△より短い時間で済みます。重いときは、卒業の基準を下げるより、1回の範囲を狭くします。

  • ○の問題は、答えと理由を頭の中で言えたら次へ進みます。全部を書き出す必要はありません。
  • 4周目以降も残る問題は、表の別の欄に書き出して「苦手リスト」にします。
  • 何周もして答えの番号まで覚えてしまった問題は、答えを覚えてしまったときの記事のように、問い方を変えて確かめます。
  • 暗記カードでも同じ考え方が使えます(暗記カードの使い方)。

06よくある質問

問題集は何周すればいいですか?

周の回数より、1問ずつ「別の日に何回正解したか」で決めるのがおすすめです。大学生の研究では、最初に3回正解するまで練習し、その後3回、日をあけて覚え直すやり方がすすめられています。ただし、これは用語の定義のような短い問題での結果です。

1回正解した問題を外すのは、なぜよくないのですか?

一度思い出せると「もう覚えた」と感じやすく、早く外しすぎるからです。単語の実験では、正解した後もテストを続けると1週間後に約80%を思い出せましたが、テストから外すと33〜36%でした。

時間がないときも、○の問題を全部解き直すべきですか?

卒業していない○の問題は、1回正解すれば終わりにします。研究でも、覚え直しは少ない追加の練習で記憶を大きく伸ばしました。それでも時間が足りないときは、範囲を章ごとに分けて回します。

出典

  1. Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968. https://doi.org/10.1126/science.1152408
  2. Krishnan, S., Watkins, K. E., & Bishop, D. V. M. (2017). The effect of recall, reproduction, and restudy on word learning: A pre-registered study. BMC Psychology, 5, 28.([1]の数値の紹介) https://doi.org/10.1186/s40359-017-0198-8
  3. Soderstrom, N. C., Kerr, T. K., & Bjork, R. A. (2016). The critical importance of retrieval—and spacing—for learning. Psychological Science, 27(2), 223–230. https://doi.org/10.1177/0956797615617778
  4. Karpicke, J. D. (2009). Metacognitive control and strategy selection: Deciding to practice retrieval during learning. Journal of Experimental Psychology: General, 138(4), 469–486. https://doi.org/10.1037/a0017341
  5. Kornell, N., & Bjork, R. A. (2008). Optimising self-regulated study: The benefits—and costs—of dropping flashcards. Memory, 16(2), 125–136. https://doi.org/10.1080/09658210701763899
  6. Rawson, K. A., & Dunlosky, J. (2011). Optimizing schedules of retrieval practice for durable and efficient learning: How much is enough? Journal of Experimental Psychology: General, 140(3), 283–302. https://doi.org/10.1037/a0023956