勉強法

読みながら自分で問題を作る勉強法のやり方。読み直しより覚えられる?問題づくりの研究と手順

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開いたノートと鉛筆
Photo: Jan Kahánek / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

教科書を読んだあと、「自分でテスト問題を作ると覚えられる」と聞いて試したことはありませんか。研究では、問題を作って答える方法は読み直すより記憶に残りました。ただし、用意された問題を解くのと効果はほぼ同じで、時間は2倍以上かかります。効かせるには、作る問題の種類と使いどころが大切です。

3行でわかる

  1. 自分で問題を作って答えると、読み直すより成績が高かった。ただし、用意された問題に答える場合と比べると差はなかった。
  2. 効いたのは「なぜ」「どう違う」を問う問題で、細かい語句を問う問題は効かなかった。時間をそろえると、選択式の問題づくりは読み直しに負けた実験もある。
  3. やり方は、①1節読んだら本を開いたまま1問作る ②「なぜ・違い」の型で書く ③答えも書く ④問題集がある範囲は解く方を選ぶ ⑤数日後に本を閉じて解く、の5つ。

01 悩みの正体問題を作る勉強法は、なぜ効くと言われる?

問題を作るには、どこが大事かを選び、答えを自分で組み立てる必要があります。読むだけより頭を使うため効くと考えられています。ただし、手間に見合うかは別の話です。

ただ読み直すとき、目は文字を追っていても、内容を思い出したり組み立てたりはしていません。問題を作るときは、「ここは試験に出るか」「答えはどう書くか」を考えます。

そのぶん手間もかかります。独学では時間が限られるので、「効くか」だけでなく「同じ時間で他の方法より効くか」で判断することが大切です。

02 科学的にわかっていること自分で問題を作ると、読み直しより覚えられる?

読み直しよりは覚えられます。ただし、用意された問題に答えるのと同程度で、時間は2倍以上かかります。効くのは「なぜ」を問う問題で、細かい語句の問題は効きませんでした。

Weinsteinら(2010)[1]

575語または350語の文章を読み、①読み直す ②用意された問題に答える ③自分で問題を作って答える、の3つを比べた3つの実験。問題を作る方法と答える方法はどちらも読み直しより成績が高かったが、作る方法は答える方法を上回らなかった。直後のテストでも2日後のテストでも同じ結果だった。

対象: 大学の実験の参加者 / 限界: 問題を作る方法は、答える方法の少なくとも2倍の時間がかかった。参加者は問題を作ったあとに最も成績がよいと予想したが、実際はそうならなかった。

Ebersbachら(2020)[2]

実際の大学の授業で、82人の学生を3つの方法に分けた。授業の最後の20分で、スライド10枚について①1枚ごとに記述式の問題と答えを作る ②問題に答える ③読み直して覚える、のどれかを行った。1週間後のテストでは、問題を作る群も答える群も、読み直す群より正答率が11%高かった。

対象: 大学の心理学の授業の学生82人 / 限界: 人数が少なく、用語を問う問題と応用を問う問題に分けた通常の分析では、問題づくりの差ははっきりしなかった(内容は紹介論文[3]による)。

Ebersbach(2020)[4]

231人の学生が文章を読み、太字のキーワードについて問題と答えを作った。本を開いたまま作った群と、キーワードだけを見て作った群は、1週間後のテストで読み直す群より成績が高かった。作った問題と答えの数が多いほど、テストの成績もよかった。

対象: 大学生231人 / 限界: 本をまったく見ずに作った群は、読み直す群を上回ったとは報告されていない。著者は「教材の少なくとも一部が見られるとき」に効くとまとめている。

BuggとMcDaniel(2012)[5]

説明文を読み、細かい事実を問う問題を作る群、考え方を問う問題を作る群、読み直す群を比べた。考え方を問う問題を作って答えた群は、考え方を問うテストで成績が高かった。細かい事実の問題を作っても効果はなかった。

対象: 大学の実験の参加者 / 限界: 原論文の数値は確認できず、別の査読論文の紹介[6]で内容を確かめた。

Hoogerheideら(2019)[7]

大学生143人の実験。かける時間を同じにそろえると、選択式の問題を作る群は、文章を読み直す群よりテストの成績が低かった。

対象: 大学生143人 / 限界: 作ったのは選択式の問題で、記述式の問題づくりとは条件が違う。原論文は要旨のみ確認した。

Touissiら(2022)、Guptaら(2026)[8][9]

医学生が選択式の問題を作る学び方の研究17本をまとめたレビューでは、多くの研究が良い影響を報告した。ただし学生をランダムに分けた実験は2本だけで、時間がかかるという声が多かった。歯学生64人の実験では、9問を作り教員と話し合った群が、1週間後のテストで76.8%対65.3%と高かった。

対象: 医学生・歯学生 / 限界: レビューは比較のない研究が中心。歯学生の実験は、問題づくりに120分と教員との話し合いがついており、問題づくりだけの効果とは分けられない。

ここまでの研究の多くは、大学生が短い文章や1回の授業を学ぶ実験です。社会人が何か月もかけて資格の教科書を読む独学とは条件が違います。下の手順は、わかっていることを独学に当てはめたものです。

03 今日からできる小さな一歩読みながら問題を作るには、どうすればいい?

1節読んだら、本を開いたまま「なぜ」「どう違う」を問う問題を1つ作り、答えも書きます。問題集がある範囲は解く方を優先し、作った問題は数日後に本を閉じて解きます。

1

1節(見出し1つ分)読んだら、本を開いたまま1問作る

本を閉じて作ろうとすると、問題の数が減りがちです。本を開いたまま作った群や、キーワードを見ながら作った群は、読み直す群より成績が高くなりました[4]。数は1節につき1〜2問で十分です。

所要 3分

2

「なぜ」「どう違う」の型で問題を書く

「〜は何年?」のような語句の問題は、作っても効果がありませんでした[5]。下の表の型を使い、考え方を問う問題にします。答えが本の1文の書き写しになるなら、問題を作り直します。

所要 2分

3

答えも自分の言葉で書く

研究で効いたのは、問題を作って答える組み合わせです[1][2]。答えは2〜3行で、本の言葉を自分の言い方に直して書きます。書けなかった所が、まだわかっていない所です。

所要 3分

4

章末問題や過去問がある範囲は、解く方を選ぶ

用意された問題に答えても効果はほぼ同じで、問題を作る方が2倍以上時間がかかりました[1]。問題づくりは、良い問題集がない範囲や、まとめの読み物の章で使うと時間を無駄にしません。選択式の問題づくりは、同じ時間なら読み直しより成績が低かった実験があるので避けます[7]。

所要 判断に1分

5

作った問題をためて、数日後に本を閉じて解く

ノートの左に問題、右に答えを書いておき、2〜3日後に右側を隠して解きます。本を閉じて思い出す練習は、読み返すより記憶に残りやすいことがわかっています。日にちは研究で決まったものではなく目安です。

所要 10分

問題を作るときの型をまとめました。左の型に当てはめると、考え方を問う問題になります。

問いの型作る問題の例避けたい問題
なぜ〜なのか?なぜ〜は〜と呼ばれるのか?〜は何年か?
AとBの違いは?AとBは、どこが違い、なぜ違うのか?Aの定義を書け
〜するとどうなる?〜が増えると、〜はどう変わるか?〜の名前は?
例を挙げると?本にない例を1つ挙げ、〜に当てはまる理由を書け本の例をそのまま答える問題
〜はなぜ大事?この考え方がないと、何が困るか?〜は何ページにあるか

04 続けるためのコツ問題づくりを続けるには?

1節1問に決めて負担を小さくし、作った問題は捨てずに自分の問題集として繰り返し使います。手間をかけた問題を復習に回すと、作る時間が無駄になりません。

  • 問題が思いつかない節は、無理に作らず「?」の印だけ残して先に進む。
  • 作った問題は週末にまとめて解き、正解できなかった問題に印をつけて次の週も解く。
  • 読む前に問題を解いておく方法もある。くわしくは事前テストの記事に。
  • 「なぜ?」と自分に問いながら読む方法は、精緻化質問の記事で効き方を確かめている。
  • AIに問題を作らせる場合の注意点は、AIで練習問題を作る記事にまとめた。

05よくある質問

自分で問題を作るのと、問題集を解くのはどちらがいいですか?

覚える効果はほぼ同じで、問題集を解く方が速く済みます。3つの実験で、自分で問題を作って答えても、用意された問題に答える場合より成績は上がらず、作る方が2倍以上の時間がかかりました。良い問題集がない範囲で、問題づくりを使うのが効率的です。

作る問題は選択式と記述式のどちらがいいですか?

この記事では、短く答える記述式をすすめます。時間を同じにそろえた実験では、選択式の問題を作るより読み直す方が成績が高くなりました。医学生の研究のまとめでも、誤りの選択肢を考える部分が特に難しいと指摘されています。

問題を作ったら、すぐ答えを確認していいですか?

作った直後は本を見て答えを書いてかまいません。ただし数日後には、本を閉じて答える時間をつくってください。本を閉じて思い出す練習は、読み返すより記憶に残りやすいことが繰り返し確かめられています。

勉強法の早見表で「自分で問題を作って答える」の判定を見る
ほかの勉強法も50種類、研究で「効く・条件しだい・当てにならない」に分けています。

出典

  1. Weinstein, Y., McDermott, K. B., & Roediger, H. L., III (2010). A comparison of study strategies for passages: Rereading, answering questions, and generating questions. Journal of Experimental Psychology: Applied, 16(3), 308–316. https://doi.org/10.1037/a0020992
  2. Ebersbach, M., Feierabend, M., & Barzagar Nazari, K. (2020). Comparing the effects of generating questions, testing, and restudying on students’ long-term recall in university learning. Applied Cognitive Psychology, 34(3), 724–736. https://doi.org/10.1002/acp.3639
  3. Eddy, S. L. (2021). Recent research in science teaching and learning. CBE—Life Sciences Education, 20(2), fe4.([2]の内容の紹介) https://doi.org/10.1187/cbe.21-03-0066
  4. Ebersbach, M. (2020). Access to the learning material enhances learning by means of generating questions: Comparing open- and closed-book conditions. Trends in Neuroscience and Education, 19, 100130. https://doi.org/10.1016/j.tine.2020.100130
  5. Bugg, J. M., & McDaniel, M. A. (2012). Selective benefits of question self-generation and answering for remembering expository text. Journal of Educational Psychology, 104(4), 922–931. https://doi.org/10.1037/a0028661
  6. McDaniel, M. A., Cahill, M. J., Frey, R. F., Limeri, L. B., & Lemons, P. P. (2022). Learning introductory biology: Students’ concept-building approaches predict transfer on biology exams. CBE—Life Sciences Education, 21(4), ar65.([5]の内容の紹介) https://doi.org/10.1187/cbe.21-12-0335
  7. Hoogerheide, V., Staal, J., Schaap, L., & van Gog, T. (2019). Effects of study intention and generating multiple choice questions on expository text retention. Learning and Instruction, 60, 191–198. https://doi.org/10.1016/j.learninstruc.2017.12.006
  8. Touissi, Y., Hjiej, G., Hajjioui, A., Ibrahimi, A., & Fourtassi, M. (2022). Does developing multiple-choice questions improve medical students’ learning? A systematic review. Medical Education Online, 27(1), 2005505. https://doi.org/10.1080/10872981.2021.2005505
  9. Gupta, P., Shetty, K., Shetty, H., & Banga, K. S. (2026). Student-generated multiple-choice questions enhance deeper learning in dental materials education: a randomized crossover trial. BMC Medical Education, 26, 290. https://doi.org/10.1186/s12909-026-08585-1