時間・計画

すきま時間の勉強メニュー表。5分・15分・30分で何をするか(思い出す練習と間をあけた復習の研究から)

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罫線の入った白い情報カード
Photo: ArnoldReinhold / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

通勤の10分、昼休みの残り5分、寝る前の15分。すきま時間に勉強しようと決めても、いざその時間が来ると「何をやろう」と迷っているうちに終わってしまう。そんな経験は少なくありません。研究で効果が繰り返し確かめられているのは、読み直しより「思い出す練習」と「間をあけた復習」です。どちらも短い時間に向いています。この記事では、研究をもとに作った「すきま時間の勉強メニュー表」を載せます。5分・15分・30分で何をするかを先に決めておくための表です。

3行でわかる

  1. 10の勉強法を比べたレビューで、効果が広く確かめられていたのは「思い出す練習」と「間をあけた復習」。読み直しと線引きは効果が低いと判定された。
  2. 学生533人の実験から、著者は「3回正しく思い出せるまで練習し、間を大きくあけて3回やり直す」ことを勧めている。日をあけたやり直しの積み重ねが、長く覚えておくことに大きく効いた。
  3. この記事のメニュー表で、5分・15分・30分にやることを先に決める。1週間の割り当て表に書き込み、週末に見直す。

01 悩みの正体すきま時間の勉強がうまくいかないのはなぜ?

時間が短いからではなく、何をするかがその場で決まらないからです。短い時間には、短い時間に向いた勉強があります。先にメニューを決めておくと迷う時間が消えます。

すきま時間でつまずく形は2つあります。1つは選ぶだけで終わる形です。テキストを開き、どこから読むか迷っているうちに駅に着きます。もう1つは読み直しで終わる形です。前に読んだページを眺めると、わかった気はしますが、あとで思い出せません。

すきま時間の勉強に意味があるかどうかの判定はスキマ時間の勉強は効果があるのかにまとめています。この記事は、その結論を「何分なら何をするか」の表にしたものです。勉強の時間そのものをつくるやり方は社会人が勉強時間をつくるには?へ。

02 科学的にわかっていることすきま時間には、どんな勉強が向いている?

何も見ずに思い出す練習と、時間をあけた復習が向いています。どちらも効果が繰り返し確かめられ、数問・数分の単位で区切れます。読み直しや線引きは、すきま時間に回す価値が低い方法です。

Dunloskyら(2013)[1]

学生がよく使う10の勉強法について、研究を広く検討したレビュー。効果が年齢・学力・教材・テストの種類をこえて確かめられていた「思い出す練習(自分でテストする)」と「間をあけた復習」の2つが、最も高い評価だった。読み直しと線引きは、成績を安定して上げないとして低い評価になった。著者は、読み直しの代わりに思い出す練習を使うよう勧めている。

対象: 子どもから大人までの学習の研究 / 限界: レビューであり、新しい実験ではない。評価は著者らの判断にもとづく。

RawsonとDunlosky(2011)[2]

3つの実験で、学生533人が概念を「思い出す練習」(答えの確認つき)で覚えた。最初の練習で1〜4回正しく思い出すまで続け、その後1〜5回、日をあけてやり直した。1〜4か月後に確かめると、やり直しの回数が長く覚えておくことに大きく効き、追加の練習の手間は比較的小さかった。著者は「3回正しく思い出せるまで練習し、間を大きくあけて3回やり直す」ことを勧めている。

対象: 学生533人(10万回をこえる回答を採点) / 限界: 概念を覚える課題での結果。計算や長文の理解にそのまま当てはまるかはわからない。

Cepedaら(2006)[3]

間をあけて学ぶ効果を、184本の論文・317の実験・839の測定でまとめたメタ分析(多くの研究を統計でまとめる方法)。最もよく覚えていられる復習の間隔は、テストまでの期間が長いほど長くなった。

対象: 言葉を覚えて思い出す課題の研究 / 限界: 単語や事実を覚える課題が中心。

Cepedaら(2008)[4]

1,350人をこえる人が事実を覚え、最大3.5か月の間をあけて復習し、さらに最大1年後にテストを受けた。最も成績がよい復習の間隔は、テストまでの期間が長いほど長くなった。テストが1週間後なら期間の約20〜40%、1年後なら約5〜10%が最もよかった。

対象: オンラインで参加した1,350人をこえる人 / 限界: 雑学的な事実を覚える課題での結果。

Kerfootら(2014)[5]

米国の8つの退役軍人病院で働く医師や看護師など111人を、くじで2組に分けた。一方には高血圧の治療についての問題を、3日ごとに1〜2問ずつメールで送った。間違えた問題は12日後、正解した問題は24日後にもう一度届き、2回続けて正解すると終わる。52週後のテストは、同じ内容をウェブで読めるようにした組の78%に対し、問題を受け取った組は90%だった。

対象: 米国北東部の病院の医療者111人(声をかけた人の37%) / 限界: 問題を受け取った組にはメールが多く届いており、問題の中身ではなくメールの多さが効いた可能性を著者が挙げている。

ここで紹介した実験の多くは、単語や事実、用語を覚える課題です。長い文章の理解や、計算の練習を始めから学ぶことにも同じように効くかは、まだはっきりしません。表のメニューは、覚えたことを残すための使い方が中心です。

03 使える表5分・15分・30分では、それぞれ何をする?

5分は思い出す練習、15分は前に学んだ範囲のやり直し、30分は新しい範囲を少し進めて最後に思い出す。表1から選び、表2に1週間分を書き込み、週末に表3で見直します。

表1 すきま時間の勉強メニュー。時間の長さから行を選びます。教材は前の晩に決めておき、すきま時間には開くだけにします。

時間やることもとにした研究
5分単語カードや一問一答を、答えを見ずに5〜10問思い出す。答え合わせをして、間違えたものに印をつける思い出す練習は最も高い評価[1]
5分昨日勉強した内容を、何も見ずに3行で書き出す。そのあと教材で確かめる読み直しより思い出す練習を[1]
15分数日前〜1週間前に学んだ範囲を、問題や一問一答で思い出す。印のついた問題から先にやる間をあけたやり直しが長く残る[2][3]
15分前に間違えた問題だけを解き直す。2回続けて正解したら外す2回続けて正解で終える方式で知識が残った[5]
30分新しい範囲を20分ほど進め、最後の5〜10分は本を閉じて、学んだことを思い出して書く思い出す練習[1]。新しい範囲の進め方は研究ではなく目安
避けたい前に読んだページを眺めるだけ、線を引くだけ読み直し・線引きは低い評価[1]

表2 1週間のすきま時間割り当て表。1週間の始めに、決まって空く時間を左の列に書き、表1から1つずつ割り当てます。終わったら右の列に○をつけます。

いつ長さやること(表1から)教材・範囲できた
例 朝の電車例 15分例 1週間前の範囲を思い出す例 問題集 第2章例 ○
例 昼休みの残り例 5分例 単語カード10枚例 印のついたカード例 ×
例 寝る前例 5分例 今日の内容を3行で書く例 ノート

表3 復習の間隔の目安。表1の「15分」で、どのくらい前の範囲をやり直すかの目安です。研究で示された2つの場合だけを載せます[4]。間の期間の計算は復習タイミング計算機で確かめられます。

覚えておきたい期間最もよかった復習の間隔具体的には
1週間後のテスト期間の約20〜40%学んでから約1.4〜2.8日後(1〜3日ほど)に復習
1年後の試験期間の約5〜10%学んでから約18〜36日後(2〜5週間ほど)に復習

表4 週末の見直し。表2の○と×を見て、当てはまる行を1つだけ選びます。

記録に見えたこと次の1週間に試すこと
×が多く、何をやるか迷って時間が終わった前の晩に、翌日のすきま時間の教材とページを決めておく
×が多く、その時間がそもそも空かなかった割り当てる時間を2つ減らし、確実に空く時間だけ残す
思い出す練習で間違いが多い15分のメニューを増やし、印のついた問題のやり直しを優先する[2]
○が多く、間違いも減ってきたそのまま続け、復習の間隔を表3に合わせて少しずつ広げる

表の項目は、出典の研究をもとにこのサイトが独学向けにまとめたものです。表そのものを研究で試したわけではありません。

04 続けるためのコツすきま時間の勉強を続けるには?

教材を「開くだけ」の状態にしておくこと、そして全部のすきま時間を埋めようとしないことです。1日に1〜2回、決まって空く時間から始めます。

  • 単語カードや問題は、前の晩に「今日やる分」だけ分けておく。カードの使い方は単語カードの使い方へ。
  • 思い出せなかったものに印をつけ、次の15分で先にやる。
  • すきま時間だけで新しい範囲を全部進めようとしない。新しい範囲は、まとまった時間に回す。
  • 読み直したくなったら、先に本を閉じて1行書き出してから開く。理由は思い出す練習と読み直しの比較へ。

05よくある質問

5分だけの勉強に意味はある?

あります。思い出す練習と間をあけた復習は、10の勉強法を比べたレビューで最も高く評価され[1]、どちらも数問単位で区切れます。医療者に3日ごとに1〜2問ずつ問題を送った実験では、52週後のテストが90%と、同じ内容を読めるようにした組の78%を上回りました[5]。

すきま時間に新しい範囲を進めてもいい?

進めてもかまいませんが、30分ほど取れるときに回し、最後に本を閉じて思い出す時間を入れてください。ここで紹介した実験の多くは、覚えたことを残す課題です。短い時間で新しく理解を積み上げる方法は、研究ではまだはっきりしていません。

復習はどのくらい間をあければいい?

覚えておきたい期間しだいです。約1,350人の研究では、1週間後のテストなら期間の約20〜40%、1年後なら約5〜10%の間隔が最もよい成績でした[4]。表3と復習タイミング計算機で、自分の試験日に合わせて決めてください。

出典

  1. Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4–58. https://doi.org/10.1177/1529100612453266
  2. Rawson, K. A., & Dunlosky, J. (2011). Optimizing schedules of retrieval practice for durable and efficient learning: How much is enough? Journal of Experimental Psychology: General, 140(3), 283–302. https://doi.org/10.1037/a0023956
  3. Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354
  4. Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095–1102. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02209.x
  5. Kerfoot, B. P., Turchin, A., Breydo, E., Gagnon, D., & Conlin, P. R. (2014). An online spaced-education game among clinicians improves their patients' time to blood pressure control: A randomized controlled trial. Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes, 7(3), 468–474. https://doi.org/10.1161/CIRCOUTCOMES.113.000814