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風邪の日・治りかけの日の勉強メニュー表と体調つき記録表。新しい単元より見直しを短く、治って1週間は模試の点で判断しない(風邪と頭の働きの研究から)

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ティッシュの箱
Photo: Captain MarcusL / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

鼻がつまって、のどが痛い。でも試験まで日がないから、今日も勉強したい。風邪の日に机に向かうと、いつもより進まないうえに、休んだら休んだで不安になります。研究では、風邪で落ちやすいのは頭の働きの「速さ」で、覚えたことを正しく思い出す力は比較的保たれていました。この記事では、その結果をもとに、体調の段階ごとの勉強メニュー表と、体調の欄がついた記録表を作りました。

3行でわかる

  1. 風邪をひいた若い大人48人を、健康なままの141人と比べた研究では、風邪の人は反応が遅くなり、新しい情報を取り込むのも遅かった。体の症状の重さと、頭の働きの遅れは関係していなかった。
  2. いっぽう、覚えたことを思い出す正確さは、風邪では落ちにくいとされる。熱が出るインフルエンザのような病気では、注意の働きへの影響がより大きかった。
  3. 表1で体調に合うメニューを選び、表3に体調も一緒に記録する。治った後の1週間ほどは、模試の点で実力を判断しない。

01 この表でできること風邪の日は、勉強しても意味がない?

意味がないわけではありません。ただ、頭の働きの速さが落ちやすいので、いつもと同じメニューでは進みが悪く、点数も実力より低く出がちです。体調に合わせて、やることを入れ替えるための表です。

ミネソタ大学の学生3,249人を半年追った調査では、91%が少なくとも1回は風邪かインフルエンザのような病気にかかりました。そのうち27.8%が「テストの出来が悪かった」、46.3%が「課題の出来が悪かった」と答えています[1]。

表は「熱があるか」「鼻やのどだけか」「治りかけか」の3つの段階に分けています。最後の記録表で、体調と勉強の結果を並べて残します。

02 表の根拠になった研究風邪で、頭の働きの何が落ちる?

落ちやすいのは、反応の速さ、新しい情報を取り込む速さ、注意を保つ力です。覚えたことを思い出す正確さは保たれやすいとされます。影響は症状がなくなった後も、しばらく続くことがありました。

Nicholら(2005)[1]

アメリカのミネソタ大学の学生に、11月から4月まで毎月、風邪やインフルエンザのような病気について答えてもらった。91%が少なくとも1回かかり、全員を合わせて寝込んだ日は6,023日、休んだ授業の日は4,263日になった。27.8%がテストで、46.3%が課題で出来が悪かったと答えた。熱が出るインフルエンザのような病気は、風邪よりずっと影響が大きかった。

対象: 参加した4,919人のうち、最後まで答えた3,249人(平均22.7歳) / 限界: すべて本人の回答による調査で、成績そのものを測ったわけではない。

Smith(2012)[2]

健康なときに一度テストを受けた若い大人が、風邪をひいたらもう一度テストを受けた。風邪の人は健康なままの人に比べ、眠気が強く気分も沈み、反応が遅かった。新しい情報を取り込むのも、文の正しさを判断する問題も遅かった。気分の落ち込みは症状が重いほど大きかったが、頭の働きの遅れは症状の重さとも、睡眠時間とも関係していなかった。

対象: 18〜30歳の189人(風邪48人、健康な141人) / 限界: 調べたのは主に反応の速さで、勉強の成績ではない。

Bucksら(2008)[3]

若い人と年配の人80人が最初にテストを受け、風邪の症状が出た人と、年齢などをそろえた健康な人がもう一度テストを受けた。健康な人は2回目に記憶を引き出す速さが上がったが、風邪の人は熱がなくても上がり方が小さかった。この差は年配の人でより大きかった。

対象: 比べられたのは風邪21人と健康な21人(若い人の平均20.3歳、年配の人の平均64.3歳) / 限界: 人数が少ない。

Smith(2013)[4]

風邪とインフルエンザが頭の働きに与える影響の、25年分の研究をまとめた総説。風邪では手と目の動きの速さが落ち、インフルエンザでは注意を保つ課題が落ちやすかった。記憶の正確さは、風邪では落ちていなかった。長時間の作業やお酒が重なると、遅れはさらに大きくなった。症状が消えて1週間たっても、遅れが残っていた研究もある。

対象: 実験で風邪をうつした研究と、自然にかかった人の研究 / 限界: 著者自身の研究が中心のまとめ。初期の実験は、インフルエンザ3人と健康な7人を比べるなど人数が少ない。

ここで紹介した研究が測ったのは、主に反応の速さや短い記憶の課題です。風邪の日に勉強した内容が、どれだけ身につくかを直接調べた研究ではありません。表はこの限界をふまえ、「速さが落ちても困らない勉強」を選ぶ形にしています。

03 使える表体調ごとに、何を勉強する?

熱があるときは休みます。鼻やのどだけの風邪なら、時間を計らない見直しと思い出す練習を短く行います。治りかけの時期は、いつものメニューに戻しても、模試の点で実力を判断しません。

表1 体調の段階ごとの勉強メニュー表。研究の結果をもとに、このサイトが勉強の選び方としてまとめたものです。

体調の段階研究でわかっていること勉強のメニュー避けること
A 熱がある・体がだるいインフルエンザのような病気は、風邪より影響がずっと大きかった[1]。注意を保つ課題が落ちやすい[4]勉強は休む「遅れを取り戻す」ための長時間の勉強
B 鼻・のどだけ(熱はない)反応と、新しい情報を取り込む速さが落ちる[2]。記憶の正確さは落ちにくい[4]1回15〜20分で、解いたことのある問題の見直し、暗記カードの確認、時間を計らない問題時間を計る演習・模試、初めての難しい単元
C 治りかけ〜治って1週間症状が消えても、遅れが1週間ほど残った研究がある[4]いつものメニューに戻す。新しい単元も再開してよいこの時期の模試や小テストの点だけで、実力や計画を見直すこと

1回の時間や「熱がある日は休む」という線引きは、研究の数字ではなく、このサイトが決めた目安です。症状が重いとき・長引くときは、勉強より医療機関への相談を先にしてください。

03 つづき風邪の日に、とくに避けたいことは?

長時間続けて勉強すること、寝る時間を削ること、お酒を飲むことです。風邪の影響は、ほかの負担と重なると大きくなっていました。

表2 風邪の日のチェック表。勉強を始める前に、3つを確かめます。

確かめること根拠○
1回の勉強を短く区切り、間に休みを入れる予定にした風邪の遅れは、1日の中で長く作業するほど大きくなった[4] 
今夜はいつもの時刻に寝る風邪の影響の一部は、睡眠の乱れを通じて起きる可能性があるとされる[4] 
今日はお酒を飲まない病気の人だけ、少量のお酒で選んで反応する課題が42%遅くなった[4] 
静かな場所で勉強する風邪の人は、騒音の影響を受けやすかった[4] 

お酒と勉強の関係は飲み会の翌日の記事、寝不足の日のメニューは寝不足から立て直す記事でもくわしく紹介しています。

03 つづき体調も一緒に記録するのはなぜ?

体調の悪い時期の点数を、実力の低下と取り違えないためです。体調の欄があれば、後で点数が下がった理由を見分けられます。

1

毎日、体調を0〜3で書く

0=元気、1=鼻やのどが少し、2=つらいが熱はない、3=熱がある。段階はこのサイトが決めたものです。

所要 10秒

2

表1の段階に合わせて、その日のメニューを選ぶ

体調2の日はBのメニュー、3の日は休み、と決めておくと、迷う時間が減ります。

所要 1分

3

治って1週間後に、もう一度同じ種類の問題を解く

体調が戻った後の点と比べて、計画を見直すかを決めます。

所要 15分

表3 体調つきの勉強記録表(1日1行)。記入例は架空のものです。

日付体調(0〜3)メニュー(表1)時間小テスト・模試の点メモ
例 1/100いつも90分過去問 72% 
例 1/122B20分×2—カードの確認だけ
例 1/133A(休み)0分—熱 38度台
例 1/161C60分過去問 61%治りかけ。点は参考にしない
例 1/230いつも90分過去問 74%1/16と同じ種類の問題
      

04 続けるためのコツ休んだ分は、どう取り戻す?

治ってから数日かけて、少しずつ戻します。休んだ日の分を1日に詰め込むと、治りかけの遅れと長時間の負担が重なります。

  • 計画は「日数」で数え直す。 休んだ日を計画から外し、残りの日数で割り直します(崩れた計画の作り直し方)。
  • 再開の1日目は、休む前の最後の内容の見直しから。 思い出せるかを確かめてから先へ進みます。
  • 年齢が上がるほど、ゆとりを多めに。 記憶を引き出す速さの遅れは、年配の人で大きかったと報告されています[3]。
  • 試験が近い時期は、体調の欄を必ずつける。 後で点数の上下を落ち着いて見られます。

05よくある質問

風邪の日に覚えたことは、忘れやすいですか?

そう言い切れる研究は見つかりませんでした。研究で落ちていたのは、反応や新しい情報を取り込む「速さ」でした[2]。覚えたことを思い出す正確さは、風邪では落ちにくいとされています[4]。ただし同じ量を覚えるのに時間がかかるので、新しい単元は体調が戻ってからの方が進めやすいでしょう。

症状がなくなったら、もう元どおりですか?

すぐに元どおりとは限りません。風邪の症状が消えて1週間たっても、反応の遅れが残っていた研究があります。一方で、症状が消えた後は、単純な反応の速さ以外にほとんど差がなかった研究もあります[4]。治った直後の模試の点は、参考程度に見るのが安全です。

試験の当日に風邪をひいていたら、どうすればいいですか?

研究からは、速さが落ちやすく、正確さは比較的保たれやすいことがわかっています[2][4]。解ける問題から確実に答える、時間のかかる問題は後に回す、という解く順番を前もって決めておくと落ち着けます。体調不良のときの受験の扱いは、試験ごとに違うので、主催者の案内を確かめてください。

出典

  1. Nichol, K. L., D'Heilly, S., & Ehlinger, E. (2005). Colds and influenza-like illnesses in university students: Impact on health, academic and work performance, and health care use. Clinical Infectious Diseases, 40(9), 1263–1270. https://doi.org/10.1086/429237
  2. Smith, A. P. (2012). Effects of the common cold on mood, psychomotor performance, the encoding of new information, speed of working memory and semantic processing. Brain, Behavior, and Immunity, 26(7), 1072–1076. https://doi.org/10.1016/j.bbi.2012.06.012
  3. Bucks, R. S., Gidron, Y., Harris, P., Teeling, J., Wesnes, K. A., & Perry, V. H. (2008). Selective effects of upper respiratory tract infection on cognition, mood and emotion processing: A prospective study. Brain, Behavior, and Immunity, 22(3), 399–407. https://doi.org/10.1016/j.bbi.2007.09.005
  4. Smith, A. P. (2013). Twenty-five years of research on the behavioural malaise associated with influenza and the common cold. Psychoneuroendocrinology, 38(6), 744–751. https://doi.org/10.1016/j.psyneuen.2012.09.002